檻2
あまり時間をかけていては怪しまれると、出しっぱなしのシャワーを頭から浴びる。濡れた髪を軽く拭うと、帝人の用意した服とは呼び辛い布を身にまとう。ユニットバスから出ると汚れたシーツを取り替えたベッドの上に腰掛け、臨也を待っていた帝人が笑みを浮かべる。
「そのままじゃ風邪をひきますよ」
臨也を通り過ぎ棚からタオルを取ると、背伸びをして臨也の頭にタオルをかける。タオルの両端を握って引き寄せると、逆らう気のない臨也をそのままベッドへと座らせる。
「僕に乾かさせてくださいね」
優しい手つきで臨也の髪をタオルの上からくしゃくしゃとかき回して水気を取ると、少し待っているように告げると部屋を出る。帝人が去っていったドアの方へと顔を向けて待っていると、すぐにドライヤーを持った帝人が戻ってくる。
「臨也さんが風邪でもひいたら大変ですから」
大人しく待っていた臨也に近づき、コンセントを挿してスイッチを入れる。