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先生の言葉 全集

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16.糊塗



 どうも、こんにちは。……どうしました? 皆さんそんな深刻そうな顔をして。お悩みであれば伺いますが、あまり考え込むと良くありませんよ。私のような奴にも倒されちゃうかもしれませんよ、って、そんな事はあるわけないですよね。
 へ? 考え事をしていて聞いてなかった? そんな深刻な考え事なんですか。もうちょっとしっかりしてくださいよ。敵の私が言うのもおかしな話ですけども。
 ん? どうにもこの迷宮で戦ってて腑に落ちない点がある? どういったことでしょうか。良ければお話してください。

 なになに? どうも俺達冒険者は、盾や鎧といった防具を装備している意味が無い気がするんだ? な、何を根拠にそんな事を言うんですか? ちゃんと防御力は上がっているはずですよ?
 でも、ここに来る時もフル装備なのにスライムに攻撃当てられちゃった? ま、まあそういう事もありますよ。スライムだって死に物狂いで戦っていますからね、あんまり馬鹿にしたら駄目ですよ。

 多分だけど、攻撃を受けるとき、相手の防御力が反映されてるんじゃないかなぁって? いや……、そんなことあるわけないでしょう。というか、そんな所までよく気付k……じゃない、よくそんな妄想じみた事を思いつきますねぇ。

 あの、皆さん、ちょっと考えすぎで視野が狭くなっています。少し考え方をかえましょう。

 まず、防具の意味が無いなら、なぜこんなたくさんの防具が宝箱から出たりするのですか? 意味のない防具がごろごろ宝箱から見つかるって、それこそ腑に落ちないと思いませんか? どこぞの魔術師が墓場から地上を目指す話じゃあるまいし。それに、防具がいらないからって皆さん、これからは全裸で迷宮に入ろうというのですか? そういうのは高位の忍者に任せておけばいいんです。あの人達は半ば露出狂みたいなもんですから。それに、そういう風潮になったら、大半の女性が冒険をやめてしまうでしょう?

 とにかく、皆さんのその仮説は考えるに値しませんよ。そのような事に考える時間を割くくらいなら、敵を倒して少しでも経験を積みましょう。さて、私は友好的ですけどどうします?

 善だから帰る? そうですか。それじゃ、あんまり考え過ぎないようにしてくださいね。


 ……ふぅ。完全に気付かれてましたね。でも、何とか丸め込むことができました。
 しかし、創造主とて完璧じゃないんですから、いっそ『ごめん、間違えた』って感じでバラしても良い気がするんですけどねぇ。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔