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先生の言葉 全集

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96.ルーティーン



 こんな小さな子たちが、なぜこの迷宮にいるのですか? この迷宮に入れるのは最低でも中学生くらいでないと無理なはずですが。

 なるほど、皆さんは冒険者のお子さんなんですか。で、お父さんやお母さんが職場でどういう仕事をしているか見学に来たんですね。冒険者の皆さんは基本的に若い方が多いですが、家庭をお持ちの方も多いですしね。
 ……まあ、事情は分かりましたが、親御さんも狂王もむちゃをしますねえ。1階とはいえ、ここもその気になれば、子どもたちの命をたやすく奪うことができるモンスターたちがひしめいているというのに……。私は友好的なのでそのようなことはしませんが、ブッシュワッカーさんあたりに出会ったらあっという間にやっつけられてしまうと思うのですが。

 ええ。どうしたんですか? 私に聞きたいことがあるので質問を用意してきた? なるほど、これからの時代を担う皆さんですし、皆さんも将来、冒険者になるかもしれないわけですから、ここは一肌脱いで、皆さんの質問に答えようじゃないですか。

 はい? 私の1日のルーティーンが知りたい? いつもやられてばっかりのモンスターが、普段はどういう生活を送っているのか気になる? なんかちょっとトゲがあるような気がしますが、いいですよ、ぜひ答えたいと思います。

 まず、私はアンデッドなのであまり昼夜の概念がないのですが、取りあえず冒険者の皆さんが迷宮に入り込む頃には1階のこの場所でスタンバっていますね。ここに来るのは駆け出しの冒険者が多いのですが、彼らはどちらかというと朝早く来て私を相手に訓練をしていくことが多いんですよ。
 それが一段落したら、散歩がてら別の階層をうろつくことが多いですね。下のほうの階層なら師匠と行動をともにして、玄室の警備をする感じです。
 それが終わったら、皆さんのお父さんやお母さんが打倒しようとしている最奥の魔術師と側近の不死族の王に、その日の戦果を報告します。魔術師はいうなればこの迷宮のモンスターのボスで、不死族の王はその側近といった存在です。皆さんの学校で言うなら、まあ、校長先生と教頭先生みたいなものです。でも、私はあまり仕事ができるほうではないので、そこでは怒られてばっかりですけどね。

 私の一日はこんな感じです。分かりましたかね。

 え? 随分、つまんない人生を送ってるんですね?

 ……まあ、皆さんがどう思うかは勝手ですが、大人になったらそうは思わないかもしれませんよ、ふふふ。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔