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先生の言葉 全集

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93.進化



 おかしいなあと思うことがある?

 まあ、世の中はおかしなことだらけですよね。不死族で比較的長く生きている私も、分からないことが多いくらいですし。それで、あなたは、どういったことをおかしいと思っているんですか?

 なるほど。魔法使いのレベル3の魔法。あれがどうしても納得できないと……。

 ええ、ええ。そのお気持ちはよく分かります。というより、この迷宮に出入りしている魔法使いはみんな、頭の片隅でなんでだろうなあと思っているのに口に出さない、みたいな状況になっている感じがします。

 結論から言うと、あのレベルの魔法は実質一つしかないようなもんなんですよね。一応は、炎の魔法と火花の魔法の二つがあるんですけど、火花の魔法のほうは、炎の魔法よりも与えるダメージが小さくて。なので、あのレベルの魔法は炎の魔法一つでいいんじゃないかって皆さんが思うのも無理はないと私も思うんですよ。

 そして、実際にそういった意見をよく耳にしています。やはり、それらの呪文を唱える当事者である魔法使いや司教の方からよく聞かれますね。侍の方はどうしても剣を振るうのに忙しいせいか、唱えたこともないなんて方が結構いらっしゃるようです。

 で、なんでこんなことになってるのか、おまえはその理由を知っているのか? あなたは、そう私に問いたいんですね?

 結論から言うと、私にも分かりません。ですが、この現象について思うところはありますので、それについて、少しだけお耳を拝借してもらえればと思います。

 人間というのは、今までも、そして、これからも進化をする生き物です。ちょっと唐突な出だしになりましたが、異を唱える人はそれほどいないだろうと思います。また、人間が扱っているもの、私たちの身近なところでいうと武具でしょうか、も、やはり進化して今の状況になり、これからも改良などを経て進化していくのだろうと思うのです。

 では、今、議題になっている魔法はどうでしょうか。

 私は、魔法も進化をするのではないかと思っています。といっても、すべての攻撃魔法が核撃並みのダメージをたたき出すようになるとかではなく、例えば、グループ攻撃魔法が全体攻撃魔法になったり、魔法自体のレベルが上下したりといった方向で。

 そういう意味では、今の魔法使いのレベル3は発展途上なのではないかと思います。でも、時代や土地が変われば、火花の魔法も進化して脚光を浴びるかもしれない。私はそう思っているのです。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔