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先生の言葉 全集

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90.本当に最強なのか



 最強の短剣が、あまり最強って感じがしなくて悔しい、ということですか。

 確かに、そこまで威力はないですよね。私もよくあれで切りつけられていますけど、実感としても、そこまで痛くないですし、致命的なダメージを負った記憶もありませんね。

 いったいなぜなんでしょうか。私の頭で考えてみる限り、四つほど理由は思い浮かびます。でも、それがあなたにしっくり来るかどうかは分かりません。

 まず一つ目の理由として、主に盗賊の方がこの武器を所持していることが多い、ということが挙げられます。当然ですが、彼らは戦士や侍のような戦闘の専門家ではないですし、力でも劣ります。それ故に、武器の性能が過小評価されているというふうに考えられるのではないでしょうか。
 次、これも一つ目の理由と似ているのですが、やはり長剣の威力にはかなわないということです。恐らく、先に挙げたような戦闘のプロフェッショナルも、持つ武器を最強の短剣限定にしたら、今より攻撃力も迫力も劣るのではないでしょうか。
 速さに長けた戦士なら、結構、活躍するかも? ああ、それはあるかもしれません。軽い得物で相手をほんろうするような戦い方とかなら、案外面白い気もします。
 さて、三つ目ですが、この最強の短剣よりさらにレアな短剣の存在です。その短剣、強さは正直それほどでもなく、最強の短剣よりも劣るのですが、なかなかお目にかかれない上に、性格が悪でないと装備ができないときてるんです。どうです? こっちのほうが希少性が高くて、より強そうな気がしてくるじゃないですか。他にも、盗賊から忍者になれるあの武器もあります。あれも性能はともかく、かなりの貴重品ですよね。まあ、あれは正確には短剣ではなくて短刀ですが。いずれにしても、これらに比べれば最強の短剣は比較的容易に手に入ります。そういうところが最強には見えない雰囲気にしちゃっているのかなという気がするのです。
 最後の理由として、あの武器の使い方を勘違いしている可能性があります。東国出身の侍や忍者が特異な武器を用いるように、私たちの知らない地の戦士があの武器を用いたら、すごいことになるのかもしれません。しかし、残念ながらそういう戦士は身近にいないので、試せないのが現状ですが。

 じゃあ、あの短剣の才能を開花させるために、世界中を旅して回ってみる? そうですか。長い旅になるかもしれませんが、いってらっしゃい。良い旅になることを祈ってますよ。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔