二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

先生の言葉 全集

INDEX|42ページ/123ページ|

次のページ前のページ
 

82.計画的犯行



 どうしたんですか。そんなに思い詰めた顔をして。

 きっと何か悩みでも抱えているんでしょう。少しここではき出してみてはいかがですか。力になれるか分かりませんが、お話を聞くことぐらいはしますよ。

 どうやら味方であるパーティの5人が、自分を殺そうとしているようだ? うーん。すごいことを言い出しますね。にわかに信じられないのですが、心当たりはあるのですか。

 ええ。こないだ、ニンジャに首をはねられたんだけれども、そのとき、あいつら寺院に行かずに死者を復活させる魔法を唱えた? 運良く蘇生できたから良かったものの、一歩間違えたら大変なことになっていたと。

 まあ、確かにあの魔法は蘇生確率があまり高くはないですから、一度引き返して寺院に頼むっていうのが常道ですけれども、それだけでパーティの5人が自分が殺そうとしているっていうのはちょっと無理がありませんか? 君主なんて前衛をこなしつつ回復魔法も使うパーティの要じゃないですか。そんな人がいきなり首をはねられて死んでしまったら、あわてて非効率的な行動を取る可能性もあると思いますよ。

 それだけじゃない? あいつら、俺が死んでる最中にたくさん経験を積んでいたし、装備も良くなっていた。自分が死んでいる間に連戦して、いいお宝を拾いまくったに違いない?

 まあ、あまりそういうことはないでしょうけど……。それも偶然の可能性がありますよ。例えば、あなたを復活させるために安全な場所へ移動しようと思ったら、たまたま大量の巨人と遭遇したとか。そうだとしたら、彼らが大量の経験値を得ていることも納得が行きますよね。巨人の中には経験値が高い種族もいますし、その中には魔法一つでちりになるものもいます。それに良いお宝を持っている可能性も高い。言い方は悪いですが、あなたはたまたまそんなラッキーな現場に出くわしたとき、死んでいただけだったとも考えられるんじゃないでしょうか。

 まだある? 盗賊がすでに別のロードと酒場で飲んで親しくしていた。これはもう明らかに自分が死んだあとの後釜をそいつに決めている証拠だ?

 ……うーむ。そこまで言うなら、自らパーティを離れたらいかがでしょうか。えっ、でも、他はみんな悪のパーティだから、ここでしかやっていけない?

 ならば、いっそ悪の君主になりましょう。味方に陥れられてると感じるぐらいなら、陥れる側になったらいいんじゃないでしょうか。そのほうが生きやすくなるかもしれませんよ。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔