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先生の言葉 全集

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74.鈍器



 いたっ、いたいっ、いたたたたっ!

 参りました。参りました。さすがにもうやめてください。いくら私が幽霊であろうと、そんなにされたらひとたまりもありませんよ。

 ふう。ようやくやめてくれました。ちょっと疲れたので、ひと休みさせてください。

 しかし皆さん、戦士や君主なのに、剣ではなくメイスやフレイルを武器にしているんですね。ええ、ちょっと変わっていると思います。まあ、たまに僧侶の方が前衛に出ていて、そういった武器を振るっているのを見ますが、私、こう見えて攻撃を避けるのはそこそこできるせいか、あんまり彼らに攻撃を食らわないんですよね。そのせいで、正直、すっかりなめていたのですが、実際に凄腕の戦士や君主の皆さんに、打突武器で殴られてみるとすごい威力なんですね。これはとても勉強になりました。

 でも、やっぱり剣のほうが攻撃力は高いと思うんですよ。なのになぜ、皆さんはそのような武器で戦っているのですか。恐らく何か理由があると思うんですが、良ければお聞かせ願えませんか。

 ええ。はい。ああ、なるほど。街のお店で剣より高く売っていたから、こっちのほうが強い武器だと勘違いして買ってしまったんですね。あのお店は細かいところで紛らわしいことをしますからねえ。

 まあ、その武器で行けるところまで行くのもいいんじゃないかと思いますよ。店売りの剣よりも強い剣が出てくるところまで行けるんじゃないですか、断言はできませんけど。いい加減もう無理だなとなったら、お店の剣に取り換えてもいいわけですしね。

 しかし、面白いものです。僧侶や司教の皆さんは、戒律で刃物が持てないからこういう武器を手に取るのでしょうが、考えようによっては、刃物よりもよっぽどこれらの鈍器のほうが残酷に思えてしまいます。なんせ脳天に食らったら、頭が崩れて脳みそが飛び散るし、手足に当たったらつぶれてもげてしまうんですよ。私もさっきそうなりましたが、ちょっと子どもとかには見せられない光景だったと思います。

 もしかしたら、前衛に立つ方々よりも、下手したらわれわれモンスターよりも、僧侶や司教の皆さんのほうが、よっぽど残酷なのではないかとすら思ってしまいますよ。

 何? それはさすがに言い過ぎだろう? 僧侶たちがかわいそうだ?いい加減、口を慎まないと、もう一度このメイスを頭にたたき込んで、また脳みそをぶちまけさせてやるぞ?

 おお、怖い。これ以上は言いませんから、許してくださいな。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔