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先生の言葉 全集

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63.盗賊の本分



 自分は本当に盗賊なのだろうか、ですって?

 話したいことがあるというから聞いてみれば、そんなことですか。なんでそんなことを疑問に思うんですか。ちゃんと訓練場で盗賊の認定を受けたんでしょう? ちゃんとパーティに参加して、わなを解除しているんでしょう? だったら盗賊で何の問題もないじゃありませんか。
 そりゃあ、確かに本人が気付いてなくて周囲から指摘される、なんてこともありますよ。われわれアンデッドの中には、死んだことに気付いていない者もいますから。でも、盗賊はれっきとした職業ですし、あなたはちゃんと相応の訓練を受けたわけですし、迷宮でその役割を全うしているんですから、あなたは盗賊で間違いないでしょう。

 でも、盗賊は本来、金品を奪うのが目的なのに、今はどちらかというとモンスターを殺すのが目的になっている気がする? まあ、確かにそう言えるかもしれません。でも、そのような役割は基本的に他の方が専門でしょう。戦士や侍といった前衛のかたがたや、メイジなどの攻撃魔法を持つ皆さん。盗賊の方も短剣などでモンスターを倒すことはありますが、魔法も使えないですし、基本的に戦闘は不得手ですから、やはりそこが専門ではない以上、盗賊という肩書がふさわしいと思いますよ。

 ならば、魔法を覚えてから転職した盗賊はどうなんだ? 理屈っぽいですねぇ。まあ、どんなことにも例外はありますから、そんなに気にすることはありませんよ。宝箱のわなを解除して安全に開ける、これはやっぱり盗賊のお仕事でしょう?

 それなら、盗賊ではなく工兵や斥候、鍵師と名乗りたい? 盗賊と名乗るからには、生きている人間やモンスターからお金や物品を奪い取りたい? なるほど、そうですか……。
 少なくとも言えることは、この魔術師が立てこもり、狂王がお触れを出している迷宮では、盗賊や忍者が敵対している相手から何かを奪い取る、ということは行われていないということです。ですから、それをなりわいにするのはちょっと難しいでしょうね。

 でも、今後、あなたもどこかで別の冒険をする機会もあるかと思います。そこがどんな世界かは分かりません。しかし、その世界では、あなたが思うような活躍ができるかもしれません。今はその時が来るのを楽しみにしながら、腕を磨くことに専念すればいいのではないでしょうか。

 まあ、不満な気持ちはお察しします。でもきっと、どこかであなたの思いはかないますよ、それを信じましょう。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔