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先生の言葉 全集

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62.ぐるぐる大作戦



 あのう、皆さん。そこで何をしてらっしゃるんですか。

 ぐるぐる回っている? いや、それは見れば分かりますよ。でも、なんで迷宮内でぐるぐると回っているんですか、しかも6人全員で。
 おかしいかって……。うーん。おかしいかおかしくないかで言えば、やっぱりおかしいと思いますよ。迷宮でそんなおかしな行動をしていたら、モンスターに狙われるでしょうし、頭もくらくらして大変なんじゃないんですか。

 へえー、そうやってモンスターをひきつけているんですか。確かにそんなおかしな行動をしていれば、私のように疑問に思ったモンスターが、興味本位で寄ってきてもおかしくありませんね。なるほど、だから階段のすぐ近く、安全に帰ることができる場所でぐるぐる回っているというわけなんですね。

 でも、ほら、さっきも言いましたけど、そんなことをやっていると頭がくらくらするんじゃないですか。そんな状況で戦うのはしんどいと思いますが、それはどうなんでしょう。
 はあ。いつもやっているので、もう慣れた? 慣れてしまうほど、こんなことを続けているんですか。それは見上げたものです。でも、ぐるぐる回ることに慣れるより、戦闘に慣れたほうが冒険者としてはいいんじゃないかと思いますよ。

 だが、新しく踏み入れた階層の敵の情報を得ることができるのは大きいし、一戦してすぐ戻ることで即座に戦力が立て直せるのも魅力? ああ、そうですね。そういう利点はありますね。新しい階層で、一番最初に開いた扉が一方通行だった、なんて目も当てられませんからね。長年迷宮に通い詰めている猛者ばかり見ていたせいで、そういう新鮮な気持ちが抜けていました。それは確かにおっしゃる通りです。
 でも、言おうか言わないか迷っていましたが、その作戦、とても大きな弱点がありますよね。ええ。おっしゃる通り、その方法だと経験やお金は手に入っても、宝箱が手に入らないんですよ。
 宝箱が手に入らないと、強力な武器、防具を得ることができませんからね。そう考えると、長期的に見たら有効な手ではないかもしれません。まあ、分かってやっていらっしゃるようなので、止めはしませんが……。

 ところで、私、友好的なんですけど、どうします?

 どうせ宝箱は手に入らないし、ついでに倒しておくことにする? ついでってのが何か引っかかりますけど、まあ、戦うのなら戦いましょうか。

 これからもこの階に足を踏み入れる皆さんへの、ごあいさつにもなりますからね。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔