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先生の言葉 全集

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51.匂い



 こんにちは。どうしたんですか。そんなに勢いよく入ってきて。

 え、世紀の大発見をした? ほう。それはすごいですね。それでわざわざ、私まで知らせに来てくださったんですか。ありがとうございます。しかし、私もモンスターとしてこの迷宮に長く住まわせていただいておりますし、それなりに知っていることも多いですよ。世紀の大発見とか、大風呂敷広げちゃって、あとで大恥かいても知りませんよ。大丈夫? それほど自信があるということですね。ではお伺いしようではありませんか。
 はい。2階に煙のような気体のモンスターがいるだろう? ああ、ガスクラウドさんのことですね。魔法も使うし、まひの攻撃も持っているので、2階に配置をさせておくにはもったいないほど優秀な皆さんです。で、彼らがどうかしたんですか。
 さっき、2階で探しものをしていたとき、そいつらに遭遇したんだが、扉を開けたらいきなりいたんだよ。それで、顔を突っ込んじまったんだ? ああ、この迷宮で戦っていると、割りとそういうこともありますねぇ。それで、顔を突っ込んで分かったんだが、彼らは機嫌が悪くなると、酸っぱい匂いをさせるんだ、ですか。へえー、確かに彼らに顔を突っ込んだ冒険者は、今まで聞いたことがありませんでしたからね。でも、謝ったらすぐ許してくれて。そうしたら、いつの間にか甘い匂いに変わった、と。
 ふーむ。これは本当に大発見かもしれませんね。2階の強敵である彼らの分析が進めば、それだけ2階へ行きやすくなる。2階へ行きやすくなれば、例のコインと出会う率が上がる。コインと出会う確率が上がれば、私は用済みになる。これは私にとってもいいニュースです。ぜひ、冒険者の皆さんに広めてください。
 いや、それはない? 何でですか? 彼らが友好的でなかったら今頃殺されていたから、自分から顔を突っ込むのは得策じゃない? そうかもしれませんが、それでも……。それに、2階には他にも首を切るうさぎ、忍者、追い剥ぎなどの凶悪な敵がいる、あんたの有用性は決して下がることはない、ですか。
 ……そう言ってくれるのはうれしいのか、悲しいのか分かりませんけど、そうなると、世紀の大発見というほどではなくなってしまうと思いますよ。え、それも仕方がない? どうしたんですか、いきなり弱気になって。
 顔を突っ込んだせいで食らった、まひの毒がいまさら効いてき、た、呼吸が、でき、ないって?

 僧侶の方、早く治してあげてくださーい。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔