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先生の言葉 全集

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46.首



 どうしたんですか、皆さん。こんなとこで立ち止まって。たまたま来たのが私だったから良かったものの、別のモンスターだったら大変でしたよ。
 何? 今ちょっと、それどころじゃない? モンスターから襲われる以上の状況って、そんなのあるんですか。助けになるかは分かりませんが、ちょっと話してみてくださいな。

 えぇ、首? 首がどうかしたんですか。

 はい。忍者の集団に出会って、前衛が全員首をはねられた? しかもあわてて逃げてきたんで、首を三つとも置いていってしまった、と。
 なるほど、それは困りましたね。でも首より胴体のほうが、持ってくるの大変だったんじゃないんですか?

 実は、斬られた首を持つのが怖かった? それで逃げ出してしまった、と。

 まあ、確かに生きている人間にとっては、生首は不気味に思えるかもしれませんね。アンデッドのわれわれにしたら、ただ単に体のパーツの一つでしかないんですけど。でもみなさんも後衛とはいえ、たくさんのモンスターを魔法などで殺ってきたわけでしょう? 実際のところ、そんなモンスターの死体と別に変わらないんですよ。私たちだって、皆さんに無残に殺された仲間たちの死体を回収してるんです。ハイプリーストさんに頼んで、蘇生してもらったりアンデッドとして蘇らせたりしてるんです。
 少し回りくどい言い方をしましたが、われわれモンスターもみんな協力して頑張っているんです。だから生首が怖いなんて言わないで、ちゃんと回収してあげてくださいな。

 でもやっぱり怖い? まださっきの忍者がいるかもしれないし、後衛だけじゃ戦えないし。

 でも首を放っておいたら、死体を置いてったのと同じ扱いですよ。結局その場に戻って首を回収しなければ、寺院でも蘇生させてくれません。
 それにね……。皆さん、いつも前衛のかたがたに守ってもらってるんじゃないですか。感謝の気持ちを忘れたんですか。もちろん、私も絶対に首を取ってこいなんて言いませんよ。このまま城に戻って新しい方と、パーティを組み直すのもいいでしょう。でもそんなことを繰り返していたら、あなた方とパーティを組んでくれる人なんていなくなってしまいますよ。
 それに前衛がいなくなったからって、魔法等を用いれば忍者の集団に勝てないこともないでしょう。彼らの代わりに友好的なモンスターが、守っている可能性だってあります。落ち着いてちゃんと考えれば、首は持って帰ってこれます。

 あとどうするかは、皆さん次第ですよ。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔