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先生の言葉 全集

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41.斧



 どうも、こんにちは。ここ最近、新しく来られた方ですよね。ええ。こちらこそ、どうかよろしくお願いいたします。

 ……出会ってすぐで何だけど、教えてほしいことがある?

 ええ、私で分かることであれば、構いませんけれども。

 この迷宮には斧はあるか、ですか?

 うーん、斧ですか。そういえば、確かにあんまり見かけないですね。少なくとも街のお店には、斧なんてものは売っていなかったはずです。皆さんが手にするお宝の中にも、多分、斧はなかったんじゃないかなあと思いますよ。じゃあ、この迷宮のどこにも斧はないかというと、そんなことはありません。われわれモンスターの中に何種類か、斧を持っているものがいますね。
 例えば、迷宮の最下層などでお会いすることになると思われる、霜の巨人さん。彼らなんかは、両手でやっと持てるような大きな斧を振り回して戦いを挑んできます。あとは、高位の戦士たちも、斧のような得物を持っていますね。でも、あれは斧ではなくて、ハルバードとかそういった武器なんでしょうか。それほど武器に精通してないので、私には分かりません。ですが、彼らがそれを斧のような使い方をして戦っているのは事実です。
 それと、オーガさんやトロールさんたちも、斧のような武器を持っていたような気がします。ただ彼らのそれは、非常に原始的なので、斧と呼んでいいのかどうか分かりません。それに、前述のように私があまり武器に詳しくないので、はっきりしたことが言えないんです。申し訳ないことに。
 とまあ、ここまで話しておいてなんですが、あなたは、何か斧に対してこだわりでもあるのですか。

 ええ、はい、そうなんですか。あなた、ドワーフの戦士なんですね。……で、ドワーフの戦士といえば斧。なのに、その斧がなかなか手に入らないと。

 なるほど、そういうことですか。まあ、確かにドワーフの皆さんは斧がしっくりきますよねえ。何であんな似合うんでしょうね、少々不思議に思います。
 でも、ここでは手に入らないのですから、仕方がありませんよ。剣を振るうあなただって、斧に引けを取らず格好いいと思います。ここは一つ気持ちを切り替えて、剣で冒険に邁進していこうじゃありませんか。

 何ですって? 諦めきれないから、その霜の巨人とやらを狩って斧を奪ってやる? そのためにも、急いで強くなりたいから、手合わせをしてくれと。

 ええ、分かりましたけど、あんなに大きな得物、果たして使いこなせるかなあ……。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔