ぎもん式:春の特別学習
Cパート
足取り重くワタシ達3人は森を進みます。
どこに向かってるかも全然わかりません。
もしかしたらどんどん森の奥へ進んでしまっているのかも…
お腹も減ったし…足も痛くなってきましたし…会話も続かなくなってきました…
「ん?もんちゃん。どうやらひらけた場所に出そうですよ。」
やこさんがいち早く何かに気が付いたようです。
「おお。これは川原でござるな。
すごく透き通った川があるでござる。」
ワタシにもようやく見えてきた。
「うわぁ!!お魚も泳いでる!!
食べれる魚かなぁ…実はすごくお腹が減ってて…」
ワタシが川の魚をマジマジと見ている間に、キャサリンさんは素早く枯れ木を集めてくれてました。
そういう機転の利く優しさがキャサリンさんの良いとこだなぁって思いつつ、ワタシはペコリと頭を下げて答えます。
「ふむ。食べても大丈夫な種類ですね。
学園の図鑑で読んだことがあります。
おそらくヤマメですね。」
やこさんの知識にふぇ〜と声にならない返事を返すワタシ。
勤勉なやこさんは図書室の本をどこまで記憶しているんでしょう。
そんな中キャサリンさんはまたいつの間にかヤッ!ハッ!と声を出しながら川の間を飛び交い、魚を陸へ放り投げています。
速すぎて何やってるのか全然分かりませんが、あっという間に何匹かの魚が運ばれて来ました。
お料理ならワタシにも心得があります!
ワタシは手持ちのサバイバルナイフを使いキレイに内臓を取って枝に刺していきます。
やこさんは枯れ木を組み上げ、火を起こしてくれました。
アレ?意外にワタシ達ってチームワーク出来てる??
「そろそろ焼き上がりですね!!
ようやくご飯が食べれる……(ジュルリ」
ワタシは一口かじると、空腹というスパイスも相まって天然モノの川魚の美味しさに感動してしまいました!
「ふわああ!美味しいっっ!!!」
思わず笑みがこぼちゃいました。
「あれ?2人ともお魚食べないんですか?」
「いえ拙者は死ぬほどプロテインバーを隠し持ってるでござるから。」
「モグモグ…ウーカーイーツのハンバーガー美味しいですよ。モグモグ…」
「んああああ!!!もうちょいはよ出せやあぁぁぁぁ!!!!
魚焼いた手間要らないだろがぁぁぁぁ!!!
協!調!性!!!持てやぁぁぁぁ!!!」
作品名:ぎもん式:春の特別学習 作家名:クマーヌ