機動戦士ガンダムRSD 第43話 新世界へ
カロリーネ、クリスティーネとイングリッドは曜日について話していた。
「木曜ってどんなの?」
イングリッドがカロリーネに質問した。
「木曜日は、北欧神話のトールからきている」
カロリーネが答えた。
「トール」
イングリッドが復唱した。
「家庭用ゲーム機が発売される日。
週刊マンガ誌が多く出る日」
カロリーネがさらに答えた。
「ええ、いい日だね」
カロリーネは、一瞬毎日が木曜日だったらいいなと思ってしまった。
「まあな」
クリスティーネも家庭用ゲーム機や週刊マンガ誌が販売される日を嫌な日だとは、思ってなかった。
「大昔の日本では、具注暦の日曜日を蜜とも書いていたんだって」
今度は、カロリーネが説明した。
「どういう意味なの?」
イングリッドが意味を知りたがった。
「ホンニングだからはちみつという意味」
意味を言った。
「どうしてそんな風によんでたんだろう?」
イングリッドは、そうよばれた経緯を知りたかった。
「ミールを漢字に当てたらしいよ」
カロリーネが理由を言った。
「日本人って結構いい加減?」
イングリッドは、日本人がいい加減な民族ではと疑った。
「かもしれないね」
クリスティーネもそう感じていた。
「お前ら、コロニー軍のエースのアツシ・サオトメは日本人だけど立派に戦い抜いてるじゃないか」
カロリーネは、2人が死者を冒涜してるのではと感じ叱った。
「そうかそうか。
カロリーネは、ああいうのが好みなんだ」
クリスティーネは、大きくうなずきながら言った。
「カロリーネが取られちゃうのは、悲しいけどそれがカロリーネの一番の幸せになるんだったら私は、我慢する」
イングリッドも力いっぱい言った。
※
それは、α艦隊にも報告された。
「艦長」
エルヴィン中尉が艦長室にいたマーカー艦長を呼び出した。
「何?」
マーカー艦長が返事をした。
「艦隊司令部より入電です。
連合軍、アルザッヘル基地に動きあり」
エルヴィン中尉が通信を報告した。
それにマーカー艦長が驚いた。
「遊撃艦隊並びにα艦隊は、直ちに座標四二八六へ集結せよ」
エルヴィン中尉が命令内容を報告した。
「了解」
マーカー艦長は、艦長室を後にした。
α艦隊と遊撃艦隊常駐艦隊は、ダイダロス基地を発進した。
※
カロリーネ、クリスティーネとイングリッドは曜日について話し続けていた。
「ツェラーの公式を使えば直接曜日の計算ができるのです」
カロリーネがツェラーの公式を紹介した。
「じゃあ西暦1999年の6月5日は?」
イングリッドがカロリーネに質問した。
「はい、ツェラーの公式を使えばわかります」
カロリーネがふてぶてしく答えた。
「じゃあ西暦2020年の1月26日は?」
再びイングリッドがカロリーネに質問した。
「それもツェラーの公式を使えばわかります」
カロリーネがまたふてぶてしく答えた。
「曜日を答えろ」
クリスティーネが思わず突っ込んだ。
「グレゴリオ暦を即座に導入したのはカトリックを奉じる旧イタリア諸国、旧スペイン、旧スペインに併合されていた旧ポルトガルと旧ポーランドでそのあとで現在の曜日で生活するようになったんだって」
クリスティーネがグレゴリオ暦と曜日関係を説明した。
「じゃあ美容院とかどうしてたのかな?」
カロリーネがグレゴリオ暦導入以前の美容院の定休日をどうしていたか気になっていた。
「え?」
それにクリスティーネが戸惑った。
「勘?
今日は、火曜っぽいから休みとか?」
カロリーネが当時の人々の生活を推測した。
「そもそも曜日感覚なんてあったのか?」
クリスティーネが当時の人々が曜日感覚を持っていたのか疑問に感じていた。
カロリーネは、曜日感覚のない生活など想像できなかった。
「昔の人って引きこもり?」
イングリッドは、曜日感覚がないのを引きこもりだと考えていた。
それには、クリスティーネも何も言えなかった。
「カロリーネ、まとめをお願いします」
クリスティーネは、ため息をつくとカロリーネにお願いした。
「はい」
カロリーネは、そういうと立ち上がった。
※
サオトメとサイジョウ元帥は、リーン・ホースJr.に戻る途中だった。
「俺は、キラ・ヤマトというたった1人の夢を作るために作られたプロトタイプ・スーパーコーディネイターなんだ」
突然サイジョウ元帥は、とんでもない告白をしたがサオトメは黙って聞いていた。
「そして失敗作とわかれば問答無用に捨てられた。
ブルーコスモスの特殊部隊が制圧に来た時俺は、ユーレン・ヒビキとすべてのコーディネイターに復讐することを誓いコロニー軍に入隊した。
そして人より速く老いる肉体の代わりに強化人間となった。
今までだましていてすまなかった。
コロニーレーザーの件も含めてもし俺を許せないなら射殺されてもかまわない。
遺書は、ちゃんと書くから」
サイジョウ元帥は、申し訳なく告白した。
「くだらないですね」
サオトメは、ため息交じりに言った。
「俺の記憶だって作られたもので本当は、俺もコーディネーターかもしれませんよ。
そんな不確かな情報より俺は、あなたと信頼しあえる上司と部下の関係を重視したですね。
そんなくだらないことを言ってるとガンダムエンペラーに乗っていてもジンすら撃墜できませんよ」
サオトメは、通信を切った。
(サオトメ、お前は本当に強いよ)
サイジョウ元帥は、通信が切れていたのを心の底から感謝していた。
今自分は、うれしさのあまりにやけておりとても他人に見せられるものではなかった。
※
ダイダロス基地からコロニー軍によって修復されたレクイエムは、発射された。
※
それは、α艦隊でも確認できた。
「月の裏側に高エネルギー体発生」
ヘルマン中尉が報告した。
「え?」
あおれは、マーカー艦長も驚いた。
「ダイダロス基地です。
これは、レクイエムです」
ヘルマン中尉が驚愕しながら報告した。
「何だと?」
それは、マーカー艦長も同じだった。
「そんな馬鹿な」
ミハイル副長は、呆然としていた。
※
それは、サイジョウ元帥たちも察知できた。
「サオトメ」
サイジョウ元帥も驚愕していた。
※
マーカー艦長は、はっとなった。
「照準は、どこだ?
分かるか?」
マーカー艦長は、ヘルマン中尉に報告した。
※
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第43話 新世界へ 作家名:久世秀一