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宇宙に虹、大地に黄昏

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メルセゲルの慨嘆


フォルティスが自室で休憩をとっていると、訪ね人があらわれた。前回の戦闘が終わってから1時間という刻であった。
ドアの開閉スイッチを押すと、ローティーンの少女が眼下にみえた。
予想外の来客である。
少女は、少し愕然としたフォルティスとは対照的に、嫣然《えんぜん》とした微笑をたたえていた。
何用かと問えば、少女は長い金髪をすべらかして、ベッドの上に座りこむのだ。
「レインズが言ってたよ。あなたのおかげで助かったから、ありがとうって」
「調子がいいのも今だけだと思っている。結局最後に頼れるのはリディアだと、
ぼくは考えているよ」
「戦ってきた割には随分と落ち着いているんだね」
こうやって、フォルティス自身が気付かない部分を発見するのがルミナである。
(この子は、こうも人の心を見透かす・・・・・なんなんだ?)
そんな動揺を隠すように背を向けて、冷蔵庫に手を伸ばした。
「なにか飲むか?戦闘食のジュースもあるけど」
「頂くよ。ありがとう」
それはフォルティスにとっては悪手だったが、自分だけが休むわけにもいかなかった。
ルミナも大変だっただろうという、彼なりの共感だ。
作品名:宇宙に虹、大地に黄昏 作家名:アスキー