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この歳で死地を探し求める人生は悲しいもので、その感覚はフォルティスにも
あった。後ろめたさである。
しかしフォルティスが諦めきれていないのは、早逝することへの迷いではなく、自分の理想と能力が無に帰してしまうところにあった。
意識が広がりすぎて、やり残したこと、やっておきたいことという欲には気付けない。だから、後悔などは既に逸しているのだ。
その意味では、死に場所を探す必要などない。
それでも彷徨うのは、フォルティスに最後まで張り付いた、周囲に怯えて主体性を殺してしまう性格にあった。つまり、これがすべての元凶である。
それをコンプリヘンシブ・スクールに入学したてというような年齢の少女に見抜かれたのだから、
(この心憂しさは、俺の未熟さが生み出したものなんだ。人間的だからこう
なる・・・)
そう、改めもせずに思うのである。
ベッドの上には、少しの体温と、飲みさしのボトルだけが残っていた。