高等部男主
「よっしゃあああああ!!!!」
詩の一際大きな声が高等部に響いた。
櫻野のスパルタな教えもあり、今回のテストでは一応、ぎりぎりではあるが及第点をとった詩。
その嬉しさを櫻野に報告するも、
「僕が教えたのだから当然のこと。
むしろ、その点数で満足している君の神経が...」
と、この先はもう詩にはきこえていなかった。
「ありがとうな、秀!」
その嬉しそうな笑みを長い前髪の間からかいま見せながら、走り去っていく詩を、櫻野はやさしく見送った。
そしてまた、自分もがんばらないとと、気合を入れなおすのだった。
詩は結果が出たその足で中等部の校長室へ駆け込み、どや顔でそのテストをどうだといわんばかりに志貴の前に見せつける。
「...よくもこんな点数でその顔ができ」
「約束だろ!
はやく許可だしてくれ!」
都合の悪いことはきこえないことになっているらしい詩。
志貴はため息をつきながらも、書類にその場で判を押すのだった。
「準備は整っている。
明日にでも出られるよう手配済みだ」
詩は大きく頷いた。