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アバランチinわたし

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「いいから、とにかく全力でやって! あの木に向かって全力でマテリアに意識を飛ばしてみて」
 
念を込めると、木が水のボールで包まれた。
 
「す、すごい…。あなたもしかして他にもできるんじゃない?」
 
ティファはそういって雷のマテリアを渡してきた。
 
雷と水だと自分が感電しそうで怖い。
 
雷と火の組み合わせでやってみたが、感電し意識が飛んでしまった。
 
ティファによる回復マテリアで目を覚ます
 
「大丈夫? 危ないと思ったらジャンプして避けないと…」
 
なるほど。先ほど濡らした木から地面を伝って感電するのを察知してティファさんは避けた訳ですか…。マテリアで回復できるので、それがしは巻き込まれても大丈夫。そう判断したのですね…。
 
「ご、ごめんなさい。お客さんが魔法について詳しくないこと、すっかり忘れてたの(汗)
 
「ても凄い火力のサンダーだったわ! あれを食らって倒されない魔物はこのミッドガルにはまずいないでしょうね。」
 
お褒めの言葉を頂き光栄でありますが、できれば助けて頂きたく存じます。次回から宜しくお願いします。
 
 
「あんなマテリアの使い方、私、初めて見た。どうやってやるんだろう?」
 
ティファは私を真似る様にマテリアを複数手に持つが、何も起こらなかった。
 
「お客さん、不思議な人ね…。記憶もないし、覚えているのは6番街の方から来たというだけ…」
 
 
「お客さん、これからどうするの? 知り合いのお医者さんとか紹介しようか?」
 
 
【元の世界に戻る】医者にどうにかできる問題ではないだろう。
かといって一人でこれからどうすれば…
 
「交番にでも行ってみる?」
 
この世界で保護され、孤児として生きる事になるのか? 待っていたらクラウド達がセフィロスを倒してくれゲームクリアということで私も元の世界に帰れるのか?
 
 
 
「おいティファ、このヒョロっこいガキはなんだ?」
 
声の主は身長190越え。しかも横にゴツイ。バレットが立っていた。
 
 
 
「ほう、記憶喪失にして、マテリアのルールが適応されないお客様か…」
 
サングラスの奥から鋭い眼光が飛ばされる。
 
「おめえ、神羅の犬とかじゃないよな? マテリアのルールに縛られないとか、マテリアを製造している神羅の者になら可能だろうが。」
 
ややこしい事になってきた。よりにもよって神羅と結びつけられるとは。
このままではバレットの腕から火が飛んできそうだ。
 
「待ってバレット! この子本当に記憶喪失しているみたいなの。メニュー画面やアイテムボックスの開き方すら判らなかったのよ?」
 
「だからこそだろうが。アバランチの正体を探る為に神羅が街にスパイを送り込んでいるのかもしれない。記憶喪失は油断させる為の演技だ。特殊な力を持っているとなればアバランチが勧誘してくると思っているんだよ。」
 
バレットはティファを連れて裏口で何やら話し合っていた。
しばらくするとバレットがいかつい表情でやってきて、セブンスへブンから私を追い払った。
 
店を追い払われて途方に暮れていると、ティファが裏口から足早に出てきてた。
 
「何か困ったことがあったら連絡してね」
 
小声で言って、PHSのアドレスを渡してくれた。
 
「ごめんね…」とティファは一言呟いた後、店に戻った。
 
 
これからどうするか…、7番街はホームレスも多く、野宿するとしても誰も不自然には思わないだろう。問題はご飯。この世界で使えるギルは持っていない。魔物を狩れば手に入るだろうが、さっきの魔法でMPが尽きている今、どうする事もできない。
 
一人でふらふらと駅の方面を歩いていると見知った顔を見つけた。
 
クラウド。魔光中毒で意識が混濁しているクラウドだった。
 
クラウドは自分を失うも憧れのソルジャー1stになりきることで精神を保とうとする。ザックスの死、またザックスから剣を託されたのをキッカケにして、なんとか精神分裂を回避しようとしていた。
 
ソルジャーであったザックスの様に立ち振る舞う事でクラウドはこの先、星を巡る戦いに巻き込まれる。
ゲームの進行具合でいうと、これからティファと再会するタイミングである。
 
姑息かもしれないが、このクラウドをおんぶしてティファの元へ届ければ、一宿一飯の恩くらい貰えるかもしれない。
 
「ティ…ファ…。ザッ…ク…ス」
まだ魔光中毒が抜けきっていない。うわ言の様に単語を繰り返している。
このままティファの元に連れていっても大丈夫なのだろうか。不安定なクラウドを連れていくとクラウドはアバランチのメンバーに勧誘されるだろうか。
 
そもそもクラウドがアバランチのメンバーに加入して魔光炉を爆破する事に意味があるのだろうか?
爆破で犠牲者を出し、アバランチはテロリスト扱いされる。容疑の掛かった7番街を消す為に、神羅はプレートを支える柱に爆弾を仕掛けて、その罪をアバランチになすりつける。
アバランチはやる事なすこと裏目に出て、多くの犠牲者を出してしまう。
 
クラウドをアバランチのメンバーに入れるのは得策ではない。
クラウドが戦力として加入するからこそ、アバランチは動意付いたのかもしれない。
 
魔光中毒で意識が混濁している今のクラウドを見せれば、アバランチは魔光炉爆破なんてしないかもしれない。
 
セブンスへブンに行くと、バイクが幾つも止まっていた。
お客さんがいるのかと思いきや、誰もいなかった。
いるのはカウンターにいるティファとバレットの娘マリンだった。

 
 
「え? もしかしてクラウド? なんでこんなにも酔い潰れているの?」
 
想定とは違う展開…泥酔者として勘違いされた。
 
4年ぶりの幼馴染との再会。2年前にニブルヘイムでティファとクラウドは会ってはいるが、クラウドは正体を表さず隠れていたから、ティファは実質4年ぶりの再会である。
 
クラウドはソルジャーになれないのが悔しくて恥ずかしくて、ティファに連絡をとっていなかった。
 
クラウドは北条博士に2年間、試験管液の中に浸されていたから幼馴染を2年放ったらかした事になるだろうが、ティファにとっては4年間である。
 
ニブルヘイムがセフィロスに襲われ、街が火の海になり、住処を追われたティファにとって、今、酒に溺れているクラウドはどの様に見えているのか。
 
セフィロスに火事で母親を殺され、自暴自棄になりアルコールに逃げた旧友…。というところだろうか。
 
ティファ自身、思い出したくない過去であり、旧友クラウドとの再会は火の海の街を思い出してしまうもので、クラウドとの再会を手放しで喜べるものではないのかもしれない。
 
感動の再会…という訳にはいかない様だった。
 
私はクラウドをセブンスヘブンの2階まで運びベットに寝かせた。
 
 

「クラウドを連れてきてくれてありがとう。駅からここまで来るの大変だったでしょう…」
 
クラウドの身長は170越え、あまりに重くてヘロヘロになっていた。
作品名:アバランチinわたし 作家名:西中