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アバランチinわたし

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ティファが後を追うよう走ってきた。
 
「まって、二人共…。」
 
マテリアを装備せずに飛び出したクラウドと私、心配になりマテリアを持ってきてくれたという。
 
クラウドは炎のマテリアを装着し、ゴーストを蹴散らした。
 
ゴーストは22ギル落とした。宿屋は50ギルで泊まれるはずだから、ゴーストを3匹倒せば生活費の問題は解決される。
 
なぜゴーストが人間のオカネを持つのか定かではない。
 
もしかして生前の記憶でオカネに執着していたのだろうか? 殆ど魔物はギルを持っているが、そのギルは人間から強奪したものだと考えて良いのだろうか。
 
クラウド「ギルを魔物が落とすのは、魔物同士で武器等の取り引きをしているからだよ」
 
魔物の世界に経済観念なんてあるのか? アルティマニアにも無記載だよ。
てかそれよりもマジですかクラウドさん。日頃、無口な貴方がしゃべると違和感ありまくりなんですけど。
 
クラウドさんは戦いに集中していた。
魔物が人を襲うのが、ひとえに経済活動にあるとするなら、魔物達が協力して人間を襲うのは必然であり、おカネ持ちの様なグレード高い人殆、狙われる羽目になるということ。
 
つまりゴーストが倒されたといえ、戦いで消耗したところを襲えば効率的に人間を狩れる。
今がチャンスと言わんばかりにゴーストが集団化して私達を襲ってきた。
 
ティファとクラウドによる攻撃が炸裂する。
流石にこの世界の主役達、強さを見せつけられ、ゴーストは戦っても勝てないのを悟ったのか、戦闘画面のフレームに入ろうとしない。
 
魔物といえど腕自慢でないと、クラウド達にケンカは売らない。ということだろう。
 
傍観していると車椅子の様なバイク型をした物に乗ったオバケが現れた。エンジンをブンブンふかして、襲ってきた。
どういう訳か、わたしのみが襲われる。なぜですか?
 
ティファ「倒さないと経験値が貰えないからよ? 貴方を倒せばレベルアップして戦いが有利になるかもしれないから狙われているのよ。」
 
弱い奴から狙うセオリー。倒せる内に倒してレベルアップしようという魂胆…
FF7はこんなゲームではなかったぞ。
見てないで二人共援護してください。
 
ティファ「ターンが来ないと私達も動けないの」
 
自分の身は自分で護るしかないということか。
 
私は冷気と炎のマテリアを握り、バイクの魔物を水ダルマにしてやった。
エンジンに水が入り、勢い良くコケた魔物は、逃げる様に去って行った。
 
残されたバイク。もしかして高く売れたりするのか?
 
「アイテムとして解釈されるなら、入手が可能になるわ」
 
バイクを調べていると、画面に『ストライクロッドを手に入れた』という表示が。
 
ロッドといえばエアリスの装備品。
ロッドといえば魔法使いの装備品。
そんな物がなぜバイクに取り付けられているのだろうか…
 
「ロッドには魔力が込められている事が多くある。おそらく、ストライクロッドの魔力を利用してバイクは動いていたのだろう」
なるほど。おしゃべりなクラウドさん、丁寧な解説ありがとうございます。
 
そういえばゲーム内ではストライクロッドは序盤のレアアイテムだった様な気が…
これを売ってクラウドさんと山分けすれば、アバランチへの加入を見送ってくれるかもしれない。
クラウドさんが強欲でなければ、きっと、考えを改めてくれるかもしれない。
 

 
そう簡単にはいかないだろう事は少し考れば判る事だった。。クラウドさんがアバランチのメンバーに加入するのはティファさんが加入しているからではないか。ティファさんを守る為に行動するのであって、ギルの問題では無かったのだとしたら…
 
「こう見えてオレは元ソルジャーだからな。雇うなら高くつくぞ」
 
嘘だと言ってくれ!
「ティファを守りたい。」「ティファの手伝いがしたい」とか、そういう事が恥ずかして言えなくてカッコつけてるだけ。そうだよね?クラウドさん…。ツンデレしてるだけで、悪気はないのだよね?
でもクラウドさんがアバランチに加入したら皆さん絶望の道を進む事に…
 
生活費に困っていないにも関わらず、クラウドさんはカネを要求し、戦場に赴くという。冷静に考えると狂気の沙汰である。
 
そういえばクラウドさん。北条に試験管に入れられてた。あれはライフストリームの溶け出した水溶液かと思ってたけど、バイオ液っぽくもあったな…。
 
あれがもしジェノバ細胞が含まれた液体だったとかなら、クラウドさんはセフィロスの様に世界の破滅を願う存在になってしまうのだろうか…。
 
クラウドさんが自ら破滅の道に向かおうとしているのもジェノバ細胞による誘導だとしたら…
 
チカラでねじ伏せるしかクラウドさんを止める方法はない。あるいはバレット達を止めるか。
 
 
「ねえ? 結局貴方はアバランチに入るの? どうするの?」
ティファは武力を使って世界を変える事についてどう思っているのだろうか。少なくも最良解とは思ってないはずで、心のどこかで、魔光炉爆破なんて良くないと思っているのではないか? だからゲーム開始時の壱番魔光炉爆破に関わらなかったのでは?
 
 
説得はできないけど、少しだけ彼らの行動に関与する事はできるみたいではある。もしかすると、ジェシーが魔光炉に爆弾を仕掛ける際に、こっそり爆弾を処分すること等も可能かもしれない。
 
回答を渋っていると、ティファが耳元で囁いた。
手を引かれセブンスへブンの裏口に連れていかれる私
 
ティファはアバランチの成り立ちを教えてくれた。
 
アバランチはこれまで神羅や街の人々に向けて、魔光批判の対話を貫いてきた。
ただのデモ活動者としてなら、それで十分だったが、組織が大きくなるにつれ、魔光推進派からの風当たりが強くなり、【魔光炉そのものを破壊しなくてはいけない】という機運が高まってきたという。今はその為の活動をしているというが、アバランチの中でも武力的で地下組織に位置するのがバレットが率いるアバランチであり、ティファはその攻撃的なアバランチに自ら進んで加わったのだという。
 
ティファは神羅のソルジャーセフィロスに街を燃やされ、両親を殺されて、死ぬ程ソルジャーと神羅を憎んでいる。
 
ティファは神羅と共に心中するような覚悟でメンバーに加わっていて
 
「貴方は神羅と戦う理由がない。まだ若いのだから、アバランチには入らない方がいいわ。」
 
ゲームだと細かい表情は見えなかったが、アバランチのメンバーは憎しみに囚われて行動していた。其々が自分達の正義感を貫いているというより、復讐せずには生きていられない精神に追いやられている。『星の為』というのは互いの心を一つに纏める為の合言葉の様なものだったのかもしれない。
 
だからといって、魔光炉の破壊は正解とは言えない。
どうすれば彼らの意識が魔光炉爆破から離れるのか。
魔光炉で働く職員は爆破に巻き込まれるのではないのか?
 
『大丈夫よ。爆破は予め犯行声明を出すから』
 
そう…だったのか…。
いや、『だから大丈夫』という訳にはいかない。
その爆発をキッカケにして7番街にテロリストが潜んでいる事がバレて支柱が落とされてしまう。
作品名:アバランチinわたし 作家名:西中