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マール視点のクロノトリガー 現代アレンジ

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カエル「…。すまないが…奥の部屋を見せて貰う事はできないだろうか?

 

シスター長「なぜその様なことを…」

 

カエル「見間違いかもしれぬが、王妃様が今日ここに来たという目撃者がいるのだ。念の為に中の確認を」

 

シスター長「修道院内は修道女しか入れぬ場所、たとえ王様であれど、通す訳にいきません。」

 

カエル「それは判っておるのだが…。

 

カエルは叫んだ

 

「王妃さま! 王妃様はここにおられるのではないのですか! 王宮で何があったかは知りませんが、王様はとてもご心配されておりますよー!」

 

 

シスター長「カエル殿…。私達が嘘をつき王妃様を匿っているというのですか?」

 

 

カエル「いえ、決してその様なつもりは…。ただ王妃様に特別な悩みがあり、こちらに避難しているだけなら、王様も安心なされますでしょうから…」

 

 

カエルとシスター長は押し問答をしているが、教会にいるシスター達は魔族が魔法にて変幻し、人間に成りすましている。

シスター長も同じであり、その正体は魔族である。

魔族かどうかを確認する為の合言葉については、心を読める力のある魔族により知っていた。教会に元々いた修道女達は魔族に殺されるか食べられるかをしていた。

 

リーネは早朝、大臣と護衛を引き連れ、教会に祈りに来ていたが、修道女に成りすました魔族達に捕らえられ、奥の部屋に監禁された。

 

魔族の目的はリーネを食べること。リーネの細胞を取り込む事でリーネに変幻する魔法が使える様になる。

最終目標は、リーネの姿で王宮へ入り、王と寝室を共にすること。王を喰らい、王の姿を手に入れてガルディアの支配力を手に入れる事である。

 

リーネを誘拐後、食べる予定であった魔族。王とリーネの互いを確認する合言葉を引き出す為、まだリーネは生かされていた。

 

 

〜教会の外〜

 

カエル「教会というところは頑固な場所だな…。『王妃はいない。でも中は見せない!』と一点ばりだ。逆に怪しすぎするぞ…」

 

マールの知る歴史には魔族はおらず、盗賊がリーネを誘拐した事になっていた。

 

 

マール「盗賊がリーネ様を誘拐した可能性はないの? 盗賊団がリーネ様を誘拐して教会内に監禁しているとか…」

 

 

カエル「どうしてそう思う?」

 

マール「教会の奥では盗賊団が占拠していて、リーネ様を人質にし、シスター達は盗賊団に逆らえない様にされているとか…」

 

 

カエル「なるほど。そうであるなら、頑固に部屋を見せないというのも分かるな…。

 

カエルは教会の屋根にジャンプし、古い屋根板を一つ外した。屋根裏部屋に入り、足元の隙間から中の様子を確認した。

 

 

カエルの足元にはリーネ専属の護衛(深夜から早朝担当)騎士がいた。

周囲に盗賊団は見当たらず、彼は縛られ監禁されていた。

 

カエルは足元の板をこじ開け、一階へと降りた。

 

「おい、ビックス! リーネ様はどうした?」

 

「たぶんリーネ様はこの建物のどこかに…。気を付けろ…。ここにいる奴らは全員魔族だと思え…」

 

「魔族だって!? 合言葉はどうなっている?」

 

「…どいう訳か、奴らは我らの合言葉を知っている…」

 

ビックスは傷だらけだった。逃げられない様に足を潰され、喋れない様に喉も潰されていた。

カエルとの意思疎通は手話を使っての事だった。

 

 

魔族の典型的な手口である。そう悟ったカエル。恐らくリーネも同じ目に合わされているはずだと。

 

「待ってろ! 今すぐを応援を呼ぶ。」

 

カエルは一旦外に戻り、マール達に騎士バッチを渡した。

 

「それを兵士に渡して伝えてくれ。『マノリア修道院に王妃様が捕らえられている。敵の正体は人に化ける魔族、奴らは合言葉を知っている。』と…」

 

カエルは伝えると単独で教会内に潜入した。

 

マール達は街で、兵士を探し、事情を説明した。

兵士達は教会に向かう者達を集める者と、騎士団を呼びに行く者とで2つに別れ、教会を占拠する為の準備を始めた。戦力になる騎士団が到着するまでは、しばらく時間が掛かりそうだった。

 

マールは自身の姿が透明になっている事に気付いた。

 

消えかけている。

 

リーネは自身の先祖にあたる者。もし、リーネの身に危険が及べば、自身は存在しなくなるかもしれない。だから消えようとしているのかもしれない。

 

マールはクロノに伝えた。自身の素性とこれからリーネが死んで自分も消えるかもしれない事を

 

クロノは木を登ろうとした。教会の横に立っている木から屋根に飛び移り、カエルの様に内部へと浸入しようと試みむ。

 

「危険な事はやめて!」

マールはクロノの裾を引っ張り止めた。

 

マールは教会の裏に回った。玄関はあるが、現代の様にガラス窓の様なものはない。だが窓枠らしきものは複数あり板状の扉が開いていた。

 

日中の光がある程度屋内に差し込むとはいえ、外から中の様子を知るのは近付かなければ難しい。

 

マールが中を気にしている様に魔族もまた外にいるマールを見ていた。

 

カエルの言葉が思い出される。

 

「中の者は全て魔族かもしれない」

 

マールの姿は刻一刻と透明度が増していた。

 

「消えるくらいならいっそ!」

マールは玄関の戸を叩いた。

 

「ご用件は?」

魔族は警戒していた。玄関の戸口は開けず、窓から半分顔を出した。マールは玄関からの浸入を諦め、窓から勢いよく中に飛び込んだ。

 

マールの指示で離れた所から見守っていたクロノ。窓から顔を出していたシスターはマールの突然の浸入に焦ったのか、魔族の姿へと戻り、マールの後を追いかけた。

 

突然の奇襲に驚いたのか、シスターに成りすました魔族達は奥へ進むマールに対応しきれず、取り逃がしていく。

 

シスター達は魔族の姿へ戻り、マールを追いかけた。

 

魔族達は緊急事態を知らせる雄叫びを上げた。

 

マールは偶然にもリーネが監禁されている部屋へ到着し

た。リーネの側には魔族が一体いる。

 

魔族は一瞬驚いたが、『棒を持った女が一人だけ』という状況に安心し、剣を持ち襲いかかった。

 

だがカエルにとっては好機だった。

人間に変幻していた魔族達は姿を表し、マールを追いかけた。リーネが監禁されている部屋に一斉に向かっていた。

マールが囮の様な存在になったお陰で、リーネの居場所も判り、敵の背後から攻撃を加える事ができたカエル。

 

カエルがリーネの元へ駆けつけたとき、部屋ではマールとクロノが背中合わせに魔族と戦っていた。

 

リーネの側にいた魔族は、仲間が倒されているのに気付くとリーネを人質にし、自身を逃がす様に指図した。

魔族はリーネの首に剣を当て外へと歩かせると、森の中へと消えた。