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クロノ・トリガー『全体的にハリウッド映画を意識したもの』

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「あの時は、王妃様の知り合いとは知らず、無礼を働いた。だがあの後、王妃様はまた行方不明に…。王妃様は部屋から忽然と消えなさった。しかも、王妃様の部屋から最後に出てきたのは、お前らしいじゃないか! やっぱりお前は魔族なんじゃないのか! 王妃様を騙して、誘拐したんじゃ!」

 

 

ルッカ

「いい? 誘拐犯人が堂々と酒場にくる訳ないでしょ? 王妃様は部屋のドアから出たんじゃないわ。窓の外から出た。そうとしか考えられないわ。

 

男「確かにそうだが…。王妃様の寝室は5階にあるのだぞ? そこから出たというのか?

 

ルッカ「魔族は空を飛べる者もいるんじゃない? 5階から連れ去られるなんて造作もないことじゃなないの?‐」

 

 

 

男「確かにそうだが… だがこの男は昼間、板の中に女性を入れていたのだぞ?

 王妃様を板に封印して持ち去ったのではないのか!」

 

ルッカはスマホを取り出して撮影した。

 

 

男達はパニックを起こした。

 

 

「これは魔族の落し物よ。なんでも写すことができる…魔族世界の道具らしいわ」

 

 

男達は封印されなかった事に安心し、クロノ達の話を冷静に聞き始めた。

 

ルッカ「最近、変わった事はないかしら? 特に教会の方で…

 

 



「そういえば、最近、教会に誰もいないのにピアノの音が鳴るな…

 

 

 

 

男に案内され、教会へ向かった。

 

教会ではシスターが祈りを捧げていて、ピアノの前にはシスター長がいる。

 

ルッカ

「シスター、聞きたい事があるのだけど、貴方魔族ですか?」

 

 

シスター長

「え? どういう事でございましょうか。

 

ルッカ

「このスマホで撮影すると本性が見えるんですよ。

 

 

ルッカはシスターの顔面を撮影し、画質を高解像度モードにした。

 

 

「人間を真似するといっても、完璧に真似る事はできないはず。だとしたら、人間に特有でない魔族特有の痕跡があるはずでしょう。例えば魔族が爬虫類系であるならば…」

 

ルッカはノリで行動していた。魔族を目撃した事はない。何となくの行動で、まさか目の前に本当に魔族といわれる者が存在しているとは思いもよらなかった。

 

ルッカが講義をしているとシスター長は既に本性を表していた。下半身が蛇で上半身が人間の化け物に変化していく。

 

「キサマ今何をした! 私に奇っ怪なものを見せ、呪文の様なもの唱えた! 私に何を…何をしたー!」

 

蛇魔族は怒り狂い大口を開け、ルッカが被ってるヘルメットにかぶり付いた。

ルッカにダメージは無いもの、驚きのあまり失神してしまう。

 

 

クロノはルッカの命知らずな態度に青ざめつつ、刀を抜き振るった。

 

ここへ案内した男は悲鳴を上げながら出口から逃げようとするが、シスター4人が通せんぼした。

 

クロノは剣道をたしなむが、真剣は始めてだった。ふんぶん振り回すも、蛇特有の動きの速さで捉えきれない。

蛇特有の動きで壁を伝い、天井にへばりつくシスター長。

口から硫酸の様な毒液を吐き出した。

肩に掛かると服が焼ける様に溶けていく。

 

クロノ達はとてつもなくピンチだった。

 

 

 

 

ーグレンー

 

私は王宮騎士グレン。城から忽然と姿を消したリーネ王妃の捜索にあたっていた。

街では、魔族の落し物である魔具を拾ったという二人組が話題になっていた。その内一人は、王妃失踪を知るかもしれない最有力容疑者で、王妃の部屋から最後に出たとされる赤髪の男。

 

その二人はなぜか王妃を探しに教会に向かったというが…

まさかそんな所に王妃が? 疑問に思いながらも、私もそこへ向かった。

 

 

 

 

「やけに教会が騒がしい…」

 

グレンは教会の異変を察知し、木に登り、二階の窓へと飛び移る。中の様子を覗いた。

 

魔族が5体、既に女性はやられている。

赤髪の男は交戦している

 

グレンは2階から飛び降りた。

 

 

 

ークロノー

 

クロノは呆然と立ち尽くしていた。

上から突然カエルの化物が降ってきて、蛇の化物を次々となぎ倒していく。

魔族同士の仲間割れなのか、とにかく、クロノ達は助かった。

 

「すまない。遅れてしまって…。まさか教会に魔族が潜んでいるとは…」

 

カエルはルッカが死んでいると思い手を合わせた。

 

気絶から目を覚ましたルッカはカエルの顔をみて高速で後ずさりした。

 

 

「悪いがこの容姿は、呪いをかけられたものでな。本当の姿は人間なんだ…

 

ルッカは頭の整理が追いつかない。

 

「呪いって何? 魔族はそんな事までできるの?」

 

 

 

 

「お前達は一体何者だ? 王妃様を誘拐した犯人なのか?

 

「違うわ。私達は失踪した王妃様を探してここに来たら、人間に成りしました魔族に出くわして襲われたの。

 

「ここでか!? 

 

「ええ、そうよ。恐らく王妃様はこの教会のどこかに閉じ込められていると思うわ」

 

クロノ達は手分けして教会を探したが、リーネはどこにもいなかった。

 

「恐らく隠し部屋があるはずよ」

 

「何故そう思う?

 

「部屋の広さと外から見た建物の広さが合わないの。恐らく、どこかに隠し部屋に繋がる通路があると思う

のだけど…

 

クロノは鍵盤に赤い血が着いている事に気付いた。

 

ルッカ「そういえば貴方、誰もいないのに教会で音楽が鳴ると言っていたわね。どういう音楽か覚えている?」

 

ここへ案内した男が覚えていたメロディーに沿って、赤い鍵盤を引くと、隠し部屋へ続く扉が現れた。

 

 

カエルは扉をゆっくり開けた。6畳程の部屋があるが、誰もいない。足元がしなり、底の板が薄い。調べると地下へと続く階段が見つかる。

薄暗いがランタンにより照らされる部屋。

階段を降りると、寝台にリーネが寝かされ、もう一人のリーネが立ってこちらを見ていた。

 

もう一人のリーネは笑いながら、顔形が崩れていく。ドレス姿のリーネの形は大きく膨張し、3m級の茶色のゴキブリの様な姿に変わり、カエルに襲い掛かった。

 

ゴキブリの牙とカエルの剣が弾き合い、カエルは壁に追い詰められる。

 

 

クロノは意を決して、刀を振るうが、硬い殻に弾き返されてしまう。

 

「クロノ!」

 

ルッカはリュックから工業用オイルスプレーを取り出してクロノに渡した。

 

クロノはルッカの指図のままゴキブリにスプレーかけた。

 

ゴキブリに変化はない。

 

「クロノ、いいから空になるまでそのまま続けて」

 

ルッカは外に出て、町を照らしている松明を持ってきた。

 

 

クロノはそれを受け取り恐る恐るゴキブリに火をつけた。

 

ゴキブリはオシリから勢い良く燃えた。変温動物なのか、直ぐには燃えてる事に気付かずに、下半身の動きが鈍くなっていく。

 

ゴキブリ魔族