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クロノ・トリガー『全体的にハリウッド映画を意識したもの』

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「な、なんだ…何が起きてる…

 

ゴキブリは火を消そうと地面にゴロゴロ回ろうとするが、3mの巨体だと狭い地下室内をゴロゴロと回れない。

ゴキブリはリーネの姿に変身して地面をゴロゴロと回った。

火は消えず、周りを巻き込み、地下室は燃え始めた。

カエルは寝台までジャンプすると、寝ているリーネを抱えて飛んだ。

階段を登り、教会から出ていく。

 

程なくして火ダルマになったリーネゴキブリが教会を飛びだし、井戸の中に飛び込んだ。

井戸から這い上がると、巨大なゴキブリの姿に戻り、林に向けて逃げた。木に登り、森の真上を駆けながら、山へと消えた。

 

クロノ達は井戸の水で教会の消火をした。

 

 

マールはリーネの部屋にいた。

消えていた頃の記憶は無かったマール。さっきまでクロノと部屋にいたはずで、昼間であったはず。外を見ると兵士達が騒がしくしていた。

「もしかして、クロノがまた捕まったのでは?」

マールは急いで部屋を出た。

 

 

城内ではマールが行方不明とされ、慌ただしくしていた。

 

「リ、リーネ様!? 

 

リーネの部屋を守っている兵士は困惑していた。昼間に密室の部屋から忽然と消えた王妃が、今また忽然と現れたのだ。

 

「リーネ様! 一体今まで何処にいらしていたのですか! 王宮はリーネ様を探して大変な騒ぎになっています!」

 

兵士は廊下にいる従者にリーネの無事を報告し、従者は急いで王に知らせに行った。

 

 

「さあ、王妃様も、王様の元へ」

 

兵士達に連れられ、マールは訳がわからないまま、一階広間へ行く。

 

広間ではガルディア王21世とリーネ王妃が王座に座り、クロノ、ルッカ、カエル、町の男に、リーネ救出の感謝の言葉を述べられようとしていた。

 

マールがそこに鉢合わせする。

 

王族、大臣、兵士達の動きが止まった。

 

少しの間があった後、マールとリーネを兵士達が取り囲み、剣を向けた。

 

兵士

「王妃様、申し訳ありませぬ!」

 

 



「まさか、大臣…どちらかが、偽物ということか?

 

大臣

「魔族がどちらかに成りすましているとすれば、王妃様しか知らぬ質問をすれば…」

 

ただのそっくりさん。そう説明しても、マールを開放してくれる空気ではなかった。

 

たとえそれが真実だとしても、王家はマールを魔族容疑者として扱い、幽閉し、監視し、王家としての保身を図ろうとするかもしれない。

 

面倒になる可能性。

 

ルッカはこの可能性を考慮し、教会の消火をカエルに任せ、急いで王宮へと戻った。

 

 

門番の時点でクロノ達は通れなかった

 

だが待っていると従者を引き連れてマールが現れた。

 

「詳しい事情を話してる暇はないの。直ぐに戻らないと。」

 

マールは走れる用意ができていた。ドレスを脱ぎ捨て、クロノ達と共に走りだした。

 

クロノ達を追いかける兵士との鬼ごっこが始まった。

 

 

ルッカはゲートホルダーを複数用意していた。

壊れて帰れなくなるかもしれない事態の想定。

あるいは次元の穴が不安定になって、皆がバラバラの場所に飛ばされるかもしれない。

マール、クロノにそれぞれゲートホルダーを渡した。

 

「ゲートの中にいるとき、絶対捨てちゃ駄目だからね!」

 

 

〜現代〜

 

 

クロノ達が元の世界に戻ると、強いライトに照らされ、前から見えなくなる。

 

目を凝らすと、ヘリが目の前にあり、ガルディア軍人が二人立っている。

 

白ひげの大臣が二人の間から現れた。

 

マール

「じい、どうしてここが…

 

大臣

「マール様、探しましたぞ…。ささ、王宮へかえりましょうぞ」

 

マール

「じい…私…

 

大臣

「置き手紙の件なら心配する必要は在りませんぞ。王様もマール様が帰って来られるのであれば、他に何もいらぬと仰られておる。

 

 

マール

「クロノ、私、実は家出してきたんだ。王宮のしきたり嫌になってそれで…

 今日は楽しかった。色々とあったけど、ありがとう。

 ルッカも助けに来てくれてありがとう。

 またいつか会おうね…」

 

 

マール

「あ、そうだ。私のペンダントのことだけど…

 

ルッカ

「それなら私の自宅にて厳重に保管しております(嘘です。作業台に無造作に放置されてます。)。これから持って参りましょうか?

 

マール

「いえ、その様な手間を掛ける訳には…

 

大臣

「マール様、あとでジイやが取りに参りますので。

 

マールはクロノ達に別れを告げるとヘリで飛び去って行った。

 

 

「さすが王族…家出娘の出迎え方がパネェわ…

 

 

「クロノ、覚えておきなさい。あのヘリにいずれ貴方も乗る事になるのだから。」

 

 

 

「玉の輿のチャンスよ、クロノ。まめに連絡することよ?

 

「え? マールの連絡先を知らない? マールは携帯電話を持ってなかった?」

 

「ヘリは持てど携帯は持たない…。王族は一般人とはとことんズレてるわね…

 

「さあ、私達も帰りましょうか。」

 

 

ルッカのブースは非常線が張られていいて、警察が警備をしていた。

クロノとマールは次元の穴に吸い込まれてルッカがそれを助けに向かった事になっていた。

ルッカの帰りを待っていたマスコミがどっと押し寄せた。

 

 

マスコミ

「二人目の救出おめでとうございます。まさか、もう一人次元の穴に落ちたのまさかマール王女だったとは…。いつからこの事に気付かれて?」

 

ルッカは二度目のマスコミ対応に追われた。

 

車内、クロノはガクガク震えていた。

魔族に襲われ、硫酸を浴びたり、戦った事を思い出していた。

 

ルッカ

「それにしても魔族って何だったのかしらね…。マールが消えた事といい、400年前の時代と今に繋がりが無い訳ではないと思うのだけど…

 

 

ルッカは、400年前の新聞をリュックから取り出す様にクロノに促した。

クロノはリュックの中をゴソゴソする。

 

 

 

 

 

〜クロノの家〜

 

ジナ

「まあ、ルッカちゃん。今日は本当に凄い日だったわね〜。世界に中継された超次元転送マシンの実力! ルッカはちゃんはこれから先、世界中の企業や投資家からもてはやされる事になるわね。

 

ジナ

「ほら、クロノも今日のあれがテレビに写ってるわ。ほら! 次元の穴にキュイーンと吸い込まれる!

 

ルッカ

「あの時は流石に腰が抜けたわ。クロノがあんな命知らずな人間だとは思わなかったし、

 

 

ジナ

「ルッカちゃん、あの後、顔面蒼白よね。クロノが女の子を助けに行っちゃうんだもの。ジェラシー感じちゃうわよね〜

 

ルッカ

「お、おばさん! 何へんな事を言ってるんですか! 私は単なる幼馴染です。

 

ジナ

「そういって、顔を赤くするところ。クロノと一緒で昔から嘘が下手よね〜

 

ルッカ