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クロノ・トリガー『全体的にハリウッド映画を意識したもの』

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カエル「リーネ様は神に選ばれたから助かったにすぎん。己を過信するでない小娘よ。」

 

ルッカ「礼儀しらずのカエルさん。私は小娘でないく、天才発明家ルッカ! 覚えておきなさい!」

 

カエル「ふん、そちらこそ、目の上に対する礼儀がなってないぞ」

 

ルッカ「目の上? 貴方年齢は?

 

カエル「今年で40だ。

 

ルッカ(え! パパと同い年!?)

 

 

ジナ「あのう。お取り込み中悪いのですが、カエルさんは何を食べていらっしゃるのですか?」

 

ルッカはジナに耳打ちした。

「おばさん、ここにくる前に呪いを受けたって説明したばかりじゃない。その呼び方は失礼なんじゃ…」

 

 

カエル「クロノの母上殿か…。私は構わん。カエルと呼ばれる事には慣れている。好きに呼びなさい。

 

ジナ「ではカエルさん。私達、朝早くドタバタしていたもので、お腹が空いております。よろしければ厨房等を使わせていただければ…」

 

ジナは家にあった冷蔵庫の中身を大量に引っさげていた。

 

カエル「厨房か…。王宮の厨房はコック以外は立入禁止なんで、すまないなが…。

 

「ところでどうして厨房等と…まさかお前たち、住いが無いのか?」

 

ルッカ「う、う、う、。そうなの…。私たち、借金取りに追われて」

 

嘘無きに騙されるカエル。

 

 

カエルの男気スイッチが押された。王宮騎士として放っては置けなかった。

クロノ達が貧乏にて一家離散になるような不幸は避けたかった。

 

 

カエルによる顔パスにて門番はクロノ達を通し、厨房へと案内した。

 

「厨房には入れないが、飯は食べさせて貰えるから」

 

 

 

 

 

カエルはクロノ達が食べるのを見ていた。

 

「街で噂になっていたが、お前達はこの国では見ない顔らしいな…。故郷はここから遠いのか?」

 

ルッカ「凄く遠いよ…(遠すぎてどうしょうもないくらいに)

 

カエル「ならガルディア最南のパリポレあたりか…砂漠を超えてくるのは大変だったろう。」

 

ルッカは適当に話を合わせた。

 

カエル「あの辺りは私の故郷がある。」

 

 

ルッカ「カエルの姿で砂漠を越えられるの?」

 

カエル「そりゃ越えるさ、流石に昼間は無理だがな…

 

ルッカ(ガルディア南部に砂漠地帯? 未来には砂漠なんて無かったはず?)

 

カエル「お前達は仕事は?

 

ルッカ「してないわよ。

 

カエル「まだ決まってないのか…。

 

ルッカ「実は私達、泊まるところはおろか、オカネも持ち合わせてないの…」

 

ルッカは嘘泣きをした。クロノはそれを悲しそうな目で見た。

 

カエル「よし判った! お前達の住居は私が世話しよう。一先ず男性陣は私と同じ兵舎でいいとして、女性陣は従者用の…。」

 

 

クロノ達はカエルのコネで当面の生活基盤を確保した。

だが王宮実力ナンバーワンの騎士、カエルの来客としてである。想定以上のもてなしを受けることになり、クロノ達は居心地が悪くなる殆周囲に気を使われることになる…

 

 

 

 

 

〜その日の深夜〜

 

「サイラス!」

 

カエルは夢にうなされていた。サイラスが死んだ日、サイラスは燃やされ、跡形もなく消された。20年も前の事なのに未だにカエルの心を蝕んでいた。

 

まだ日も上がりきらない暗い朝。

カエルが悪夢から目覚めると兵舎が慌しかった。魔族国を監視していた偵察兵の知らせで、魔族ビネガーが率いる屍軍団、総勢1万体が砂漠に向けて進行を始めたという。1週間後にガルディア本土へと繋がるゼナン海峡に到着し、本土決戦が予想されるという。

 

騎士団長は砂漠の前線にて防衛任務に当たるメンバーを募集した。カエルはそれに志願し、3000の兵士が日の出と共に出陣した。

 

王宮と町は警戒態勢になる。

 

タバン「なあ、ルッカ…。この戦争ってどうなるんだ?」

 

ルッカ「学校で習ったわ。D.C600年のガルディアの歴史だと、アルメリアという隣国とゼナンの橋で戦争衝突する…。一ヶ月以上の戦いで両者に多大な損害を出すもものの二年後、ガルディアの反撃にあい、アルメリアはガルディアの領地になる。でもこの歴史は魔族により捏造されたものだから…」

 

 

タバン「どのみち大勢が死ぬ事になるんだな? だったら…」

 

 

タバンはゲート前に置いてきた車を兵器に改造しはじめた。

 

歴史上この戦いはガルディア軍は防戦を強いられ、5000の兵士が亡くなる。

 

 

 

 

ー現代、王家の邸宅にてー

 

 

「もう! これだから王族なんていやなのよ!」

 

 マールは外出許可を申請するもののセキュリティサービスの対応は遅かった。邸宅の門は固く閉ざされ、マールの意志で外に出る事ができない。公務のスケジュールで明日には出られるかもしれないが、大臣が手を回しているとすれば、その公務さえもキャンセル扱いになるかもしれない。

 

「もう! クロノ達と過去に行く約束をしたのに! いつになったらここから出られるの!」

 

大臣がヘリで庭に着陸した。

 

「ちょっと、じい! 貴方また私をここに閉じ込める気…」

 

 

大臣の焦点は定まらず、顔が青ざめていた。

 

「申し訳ありません…」

 

魔族の指示でクロノ達を生贄に捧げなければならなかった大臣。だがクロノ達を捕獲する事に失敗した。その償いにマールを生贄に差し出せと要求された大臣。

 

マールを生け贄に差し出しても魔族がマールに成り済まして生きる。人の記憶を操る魔族がいて、周囲の人間は誰一人として偽マールに疑問を持たない様にできる

 

 

〜邸宅内〜

 

大臣はマールと王に逃げる様に持ちかけた。

 

 

「まって! 逃げるならジイもいっしょに…」

 

 

 

大臣「私は大丈夫です。長らくしてきた魔族とのお付き合い、殺される心配はないでしょう。マール様を逃がせば、次は王様を差し出すよう要求される…。王様、マール様と共にご無事であらんことを」

 

大臣は護身用の武器と逃走用の荷物を二人に渡した。千年祭のゲートから過去に逃げる計画。

二人は準備を終え、ヘリに乗り込んだ。しかし操縦士は発信しなかった。

 

操縦士は魔族側だった。

操縦士は魔族に変身した。

 

大臣がピストルで応戦しつつ

二人は走ってにげた。

 

あてもなく

庭の中を逃げる

 

邸宅にいる従者は次々に魔族へと変身した。

 

この日を楽しみにしていたかの様に裂けた口からヨダレを垂らしている。

 

大臣は操縦士に食べられた。

 

広大な敷地の庭で魔族による王族狩りが始まった。

 

二人は外へ出る道がない。隠れる様に逃げた。

 

 

 

庭にあるプランター。植物達のお陰で、ギリギリ、魔族の死角に隠れていた二人。

 

もう逃げられないと絶望したとき。

視界が歪んだ。