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ハリウッド、クロノトリガー

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現代に戻って火薬を調達する事は、魔族の目があり困難。可能だとしても大砲がこの時代にあると未来で起こる幾多の戦争の歴史が大きく変化し、現代にまで大きな影響があるかもしれない。

 

「取りあえず超音波装置を作ってみるわ。」

 

100年先の技術を持ち込めば、人々は真似して作ろうとして歴史は大変動するだろうが現代のハイテク技術ならば理解も真似もできないから歴史は変わらない。

 

 

ルッカ「お父さん。超音波装置って作れるかな? 

 

タバン「車に燃料も道具も沢山積んであるからな。やってやれないことはない。」

 

 

 

ルッカとタバンは超音波装置の開発。

クロノは戦い向けてイメトレ。

マールは…

 

大臣から受け取った荷物の中にはハンティング用のボウガンが入っていた。山や森に逃げたとき、野生の動物を狩って生活しろという意味であろう。

矢は繰り返し使えるので、銃の様に弾数を気にしなくていい。矢にロープを取り付ける事で取りに行かずして回収できる。マールはボウガンを的に当てる練習をした。

 

 

 

ルッカ「後は西の魔族の問題ね…」

 

マノリア教会で蛇魔族の顔を撮影した際、黒目の部分が人間特有ではなく、猫や蛇の様に縦線目になる事に気付いていたルッカ。

 

クロノ達は小型カメラを使い場内に潜んでいる人間に化けた魔族を調査した。

 

 

ルッカ「魔族は王宮の政務官7名と従者20人、兵士20人だったわ。そいつらを制圧する方法を一つ考えてみたのだけど…」

 

ルッカの案は騎士団長に相談し協力を求める事だった。

 

騎士団長「なるほど。このスマホという魔族の落とした道具を使えば、人間に化けている魔族が判る訳か…」

 

団長の主導で、西魔族を掃討する隠密兵隊が作られた。

 

 

クロノ達は未来から得た情報、魔族に効くというグランドリオンについても聞いた。

 

騎士団長「あれは行方不明なのだ。最後にグランドリオンを所持していたのはサイラスという勇者だが、彼は21年前、魔族討伐に旅立ってからそのまま帰って来なかった。恐らくは…」

 

恐らくサイラスは魔族に殺され、グランドリオンは魔族に奪われている。そう団長は考えていた。

 

 

〜本土決戦〜

 

ビネガーは5000を超える骸骨兵士で橋を占拠した。

 

結論から言ってルッカとタバンの発明はあまり役に立たたない。ビネガーに超音波は通用しない。ブルドーザー的な戦車は機動力がなく、体当たり力にすこぶる低能で山を登ったり、土砂を運搬するのに便利でも戦闘には全く役に立たない。

 

だがビネガーはそれらを兵器として警戒した。

骨とゾンビを集め30mを超える巨人を作り出し、大きな腕振りをして近寄らせない。

奇しくも、それがビネガーの弱点となった。

大型巨人は魔力を多く消費し、一ヶ月続く戦いが一週間で終わる事に。

 

 

歴史では5000人の兵士が死ぬ予定が、それを半分以下に減らせた。だがそれでもビネガーは亡骸を武器としている。ガルディア兵の遺体すらも利用する。魔族軍側の損害は0と言っていい。

ガルディアはビネガーが進行を諦めるまで一方的に防戦するしかない。

 

多数の死者を出した事実。残された遺族達の精神的後遺症は長らく続くことになる。

 

クロノ達は手伝える事はやろうと決めていた。

身の安全を確保しつつ、怪我人の運搬や救護等をする。兵士達を掩護して戦う。

 

 

クロノ達は一週間続く戦いの中で、伝説の勇者が砂漠の南にいるという噂を聞いた。

 

皆、絶望と背中合わせだった。いもしない勇者に縋りつきたかったのだろう。

 

ビネガーが進行を諦めて去った後、『噂の真相』の噂話が広まっていた。

勇者だけが持つと言われる勇者バッジを少年タータが身に着けていた事が噂の発端だという。

 

勇者バッジは中世においては勇者である事の証であり、少年タータがカエルの落し物を拾って身に着けていた。それが勇者が現れたという噂として広まっていた。

 

騎士団長によると、勇者とは、グランドリオンと勇者バッジ、共にセットであるという。

それらを最後に持っていたのはサイラスであり、バッジをカエルが持っているという事は、サイラスから受け継いだものかもしれないという。カエルは前線に戦いに向かったまま未だ戻って来ない。

 

ガルディアは前線で死んだカエルの遺体、それらを回収する兵員の募集を出した。遺体を放置していたら、後々ビネガーに兵士として利用される恐れがある。

 

クロノ達は世話になったカエルの為にも遺体を回収する兵員に志願した。

 

砂漠は、ガイコツ兵士の亡骸で埋め尽くされていた。そこに生きているカエルをみつけた。

 

カエルはビネガーとの戦いの後、ガルディア本土には戻らず、砂漠に残り遺体を運びやすい様に、一箇所に集めていた。

 

勇者の正体はカエルだった。でもガルディアでは誰もカエルが勇者だったとは知らなかった。理由を知りたかったクロノ達。

 

だがカエルはクロノ達の質問には答えなかった。

 

クロノ達が遺体の片付けをしていると、子供達が話しかけてきた。

子供達は助けを求めていた。子供達は勇者バッジの件でタータを嘘つき呼ばわりした。タータは引っ込みがつかなくなり、勇者である事を証明する為にデナドロ山に登ったという。デナドロ山は魔族の縄張りで、危険なところだという。

 

カエルは走り、デナドロ山へ向かった。

 

カエルにとって因縁の山であるデナドロ。そこでサイラスは焼かれた。

サイラスは自分を守ろうとして殺された。魔族に恐れ、腰が抜けて動けなくなった自分を守ろうとして。足手まといになった自分のせいで親友は殺されてしまった。

 

サイラスを殺した魔族は言った。

 

「腰抜けのお前にはカエルの姿が相応しい」

 

カエル姿になる呪いをかけられた。 

 

いっそ、殺してくれれば良かった。

 

カエル姿、それを見る度、親友を死なせてしまった悲しみと、情けなかった自分を思い出し、怒り狂う。この地獄を味わうくらいなら、いっそ殺してくれれば…

 

その考え方そのものが、情けなかった。

カエルはある時から、過去を振り返るのをやめた。腰抜けだったグレンの名前も捨て、カエルとして生きた。

 

過去を捨てた代わりに、死に急ぐかの様に危険な戦場に赴く様になった。

 

サイラスから死に際に受け継いだバッジとグランドリオン。そのグランドリオンは魔族に取り上げられ目の前で折られた。

サイラスの様に無残に壊された。

 

魔族は折った剣をデナドロ山の滝から投げ捨てた。

カエルは必死で探したが、片割れしか見つからなかった。

 

カエルにとってデナドロ山は負の記憶の集まる場所であり、目を背けたい場所だった。

 

カエルは逃げないと心に決めていた。サイラスにそう誓った。

だがカエルには今まで逃げ続けていた事がある。勇者バッジをつける事から逃げていた。