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スマホを持つクロノ、改稿

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クロノはそれらの疑問を頭の隅に置き、

マールの言葉を思い出していた。ルッカも自身と同じ様に魔族に間違えられるかもしれない。

 

ルッカがこの世界に来るかもしれない可能性を考慮し、クロノは最初にこの世界に出現した場所(山)へと戻った。

 

山では魔物に襲われるかもしれない。

道中、家々に備えつけられた松明の棒を拝借し、山へ登った。

 

 

クロノはゲート前に潜む魔物達を追い払った。それ程強い相手ではないようで怪我を負いたくない魔物達はクロノから逃げる様に去っていった。

 

 

一時間程待っていると空間が避け、その穴から荷物を背負ったルッカが現れた。

 

「なるほど…。次元の穴の中はこんな風になっているのね…」

 

マイペースのルッカはドローンを上空に飛ばした。

ガルディアの城下を映像で見て、状況を察知した。だが…

 

「え? マール? 誰のこと?」

 

「クロノの前には誰もテレポートにチャレンジしなかったわよ? みんなビビって挑戦しないからクロノがデモンストレーションして見せたのでしょう?」

 

ルッカを遮る様にクロノは今日あった出来事を伝えた。

 

ルッカは魔族等の話は半信半疑で聞いていたが、王妃に関して考えを述べた。

 

「ありえるとすればリーネの子孫がマールだった場合ね。リーネが殺され、未来に生まれる筈だったマールが存在しないことになって消滅した…。光る現象とか謎だらけだけど…」

 

 

二人は山を降り、失踪したリーネ王妃について調べる為に酒場に聞き込み入った。

 

「お、お前は昼間の怪しい奴!」

 

クロノは男達に取り囲まれた。

 

「あの時は、王妃様の知り合いとは知らず、無礼を働いた。だがあの後、王妃様はまた行方不明に…。王妃様は部屋から忽然と消えなさった。しかも、王妃様の部屋から最後に出てきたのは、お前らしいじゃないか! やっぱりお前は魔族なんじゃないのか! 王妃様を騙して、誘拐したんじゃ!

 

 

ルッカ

「貴方の話、さっきから聞いてるけど、ちっともサイエンスを感じないわ!

 

 



「な、なんだ、お前は!

 

 

ルッカ

「いい? 誘拐犯人が堂々と酒場にくる訳ないでしょ? 王妃様は部屋のドアから出たんじゃないわ。窓の外から出た。そうとしか考えられないわ。

 



「確かにそうだが…。王妃様の寝室は5階にあるのだぞ? そこから出たというのか?

 

ルッカ

「魔族は空を飛べるんじゃなくて? 5階から連れ去られるなんて造作もないことじゃなくて?

 



「確かにそうだが…

 だがこの男は昼間、板の中に女性を入れていたのだぞ?

 王妃様を板に封印して持ち去ったのではないのか!

 

ルッカはスマホを取り出して撮影した。

 

 

男達はパニックを起こした。

 

 

ルッカ

「ほらこれ、よく見て! 人が写っているでしょ? これは写真といって、19世紀最大の発明品とも言えるものよ?」

 

男達は封印されなかった事に安心したのか、ルッカの講義を聞き始めた。

 

ルッカは男達にスマホを渡してイジらせた。

 



「女、これを一体どこで手に入れたんだ。

 

ルッカ

「ネット注文ね。自宅に居ながらにして、手に入れたわ。19800円よ?

 



(全く意味が分からない!)

「おんな! やはりキサマ魔族! 訳の判らぬ呪文を唱えて、何かをやらかす気だな!

 

ルッカ

「私が魔族だったら何? 私を殺すの?

 



「認めるのかキサマ! 

 

ルッカ

「しょうがないわね…

 

ルッカはスマホを折った。

 

ルッカ

「これでどう? 危ない物だと疑うものを私が処分してあげたわよ。

 



「キサマ!今のは大切な物ではなかったのか!? 

 

ルッカ

「そうよ!大切なものよ!

 



「ならなぜ壊す必要がある!

 

ルッカ

「貴方達が私を信用しないからじゃない! だから私が壊してあげたのよ!

 



「わ、わからない。この女、訳がわからない…

 

 

クロノは話を戻した。いずれによリーネは行方不明。捜索しなければならない。

 

 



「確かにそうだ。こんな事している場合じゃない…

 

ルッカ

「ここ最近、変わった事はないかしら?

 

男「最近…。(お前達以上に変わった事など…。そういえば最近、教会の帰り道に失踪する人が多いな…。)

 

「最近、誰も居ないのに教会からピアノの音が鳴るな…」

 

 原作設定通りの魔物が登場します。
教会内にはミアンヌという蛇女の魔物がいて修道女(シスター)4人に変幻しています。
原作においてはオルガンの前にいるシスター長に話しかけるとフラグか立ち、画面中央にリーネの髪飾りが出現し、それを見つける事でクロノ達は襲われる。

この物語においてミアンヌは『賢い生き物』という設定になっています。リーネの髪飾りを床に落として気付かないなんていうヘマはしない。
また原作ではミアンヌは4体出現しますが、この物語では5体目がいます。

教会の内部構造については描写を省きます。気になる方はゲームの攻略サイト等で確認しておくと分かりやすいかもしれない。

作者はこの回を書くために参考資料として以下のサイトを利用しました。
http://chrn.opatil.com/story/c03.html


マノリア修道院

男に案内され、教会へ向かった。

 

教会ではシスターが祈りを捧げていて、パイプオルガンの前にはシスター長がいる。

 

ルッカ

「シスター、聞きたい事があるのだけど、貴方魔族ですか?」

 

 

シスター長

「え? どういう事でございましょうか。

 

ルッカ

「このスマホで撮影すると本性が見えるんですよ。

 

 

ルッカはシスターの顔面を撮影し、画質を高解像度モードにした。

 

「人間を真似するといっても、完璧に真似る事はできないはず。だとしたら、人間に特有でない魔族特有の痕跡があるはずでしょう。」

 

「例えばこれ、人間は縦線目には成りません。縦線目になるのは爬虫類やネコ科の動物で…

 

 

ルッカが講義をしているとシスター長は既に本性を表していた。下半身が蛇で上半身が人間の化け物に変化していく。

 

蛇魔族

「キサマ今何をした! 私に奇っ怪なものを見せ、呪文の様なもの唱えた! 私に何を…何をしたー!」

 

蛇魔族は怒り狂い大口を開け、ルッカが被ってるヘルメットにかぶり付いた。

 

クロノはルッカの命知らずな態度に青ざめつつ、松明の棒を振るった。

 

ここへ案内した男は悲鳴を上げながら出口から逃げようとするが、シスター4人が通せんぼした。

 

クロノは火の着いてない松明棒をふんぶん振り回すも、蛇特有の動きの速さで捉えきれない

 

 

ルッカはリュックついている防犯ブザーを鳴らした。

 

突然のサイレンに蛇達は動揺し耳を塞いだ。
作品名:スマホを持つクロノ、改稿 作家名:西中