スマホを持つクロノ、改稿
聴いてはいけない危険なものだと思い込んでいた。
ルッカの目算では、防犯ブザーを聴いて誰かが助けにくる事を期待していた。犯人の居場所が街に周知されるなら迂闊な事はできなくなる。リーネを人質に取る事はあっても殺しはしないだろうと。
クロノ達の前に現れたのは武器を持ったカエルの化け物だった。ルッカは恐怖で雄叫びをあげた。
耳を塞いだ魔族達を見るなり、カエルは駆け寄り、一刀両断した。
次々に魔族を一刀両断していく。
ルッカはサイレンの様に雄叫びをあげた。
カエル
「おい、 安心しろ。もう終わったぞ」
ルッカはカエルと目があい、もう一度雄叫びをあげた。
カエルは他に敵がいるのかと思い込み、周りを見渡した。
ーグレンー
私は王宮騎士グレン。リーネ王妃の捜索にあたっていた。街ではルッカとクロノの二人組が話題になっていって、二人は王妃を探しに教会に向かったという。
教会が誘拐犯のアジト? まさか…。
そう思いながらも、私は2人が気になり追いかけた。
「やけに教会が騒がしい…」
特にやかましいのはヘルメットを被った女だった。
女はてっきり魔族を見て悲鳴をあげているのかと思いきや、まさか私のカエル姿に驚いて悲鳴を上げていたのだ。
その気持ちは判るが命の恩人に対して無礼な女よ。
仮にも国で一番強い剣士のこの私が、こんな蛇女よりも気持ち悪い等という。この女のセンスを疑うところである。
巷では私は「ぷにぷにしてカワイイ! その長いベロで巻かれたい!」と言われる程に人気者なのだぞ。
と、愚痴をこぼしていても仕方がない。とにかくこの教会に魔族がいた事実。リーネ様を知っているのかもしれない。
「おい、蛇女! 死にたくなければリーネ様の居所を言え!」
一体だけは殺さずに生かしていた。その魔族はカエルに剣を向けられると蛇に睨まれたカエルの様に動けなくなっていた。
ールッカー
「何が国一番のイケてるアイドル剣士よ。どう見てもカエルの化け物じゃないのよ。。ヘビ女の魔族と大差がないわ」
カエル
「さっきも言ったであろう。私は訳あって魔族に呪いかけられ、この姿にされたのだ。少しは不憫に思ったらどうだ。
ルッカ
「モテモテだと自慢していたのはどこのだあれ?
カエル
「それはあくまでも一部のマニアに対してだけだ。」
クロノ「二人共口論している場合ではありません。蛇女を脅してリーネの居場所を聞き出すチャンスだと思います」
クロノの提案を聞いたカエル。蛇女に脅しをかけた。
カエル「素直に吐けば命だけは助けてやろう。」
蛇女「言えば仲間から命を狙われてしまう。」
カエル「なら今すぐに死ぬか?」
蛇女「駄目だ…。私には答えられない。私を保護すると約束しろ。」
カエル「ガルディアの温情に期待するのだな…」
蛇女「ガルディアは駄目だ。ガルディアはもう既に…」
蛇女によるとガルディアの城下の人々、王宮内部の従者、兵士の多数が既に魔族にすり替わっているのだという。そんな場所で保護されても処刑されるしか無いという。
カエル「リーネ様は無事なのか?
蛇女「…」
カエル「…分かった。お前の身柄は俺の隠れ家で保護する。だからさっさとリーネ様の居場所を言え!」
蛇女が教会のオルガンを弾くと、壁しかなかった場所にカラクリ式の扉が現れた。
アジト内
カエル「おい蛇女! 中の構造はどうなってる?
蛇女「入って直ぐに三体の魔族がいる。」
カエルは扉を1センチ開けて中の様子を見た。蛇女の言う通り3体の見張りの魔族がいた。
カエル「このまま入れば気付かれてしまうな…
。おい、蛇女! 裏切ったら真っ先にお前から殺すからな。」
カエルは蛇女をシスターに変身させ、懐に忍びんだ。
シスターのスカートの中に潜み込み、見張り魔族のいるフロアをやり過ごして次の部屋に入った。
原作においては正面階段に2体の蛇の見張りがいる。階段に登らず、一階をフロアの奥を抜けた先にヤクラの部屋がある。この物語は原作通りのマップ構造と魔物の配置設定に沿う。
階段から一階を監視している蛇達を無視して一階を進もうとすると…
「おい、ミアンヌ! そこで止まれ。」
「お前の持ち場はそっちじゃないだろう? なぜ、ここにいる?」
蛇女「ヤクラ様に至急お伝えしたいことが…」
蛇「報告は我らが伝える事になっている筈だろう? 要件を言え」
カエルはミアンヌに蛇達に近付く様に合図をした。
蛇『さっき、やかましい音が聞こえたが…。外で何かあったのか?』
ミアンヌが答えに詰まってると、蛇達は魔族以外の匂いが漂っている事に気付いた。
蛇「貴様、仕事中にカエルでも食べたのか?」
蛇魔族は近付き、シスターの身体をあちこち嗅ぐ。
カエルの射程に入る蛇達。剣を突き出し気道を刺す。
声を出せずに倒れた蛇。だがもう一体の蛇は仲間が倒れる光景を目撃した。
声を出そうとした瞬間、カエルの舌が伸び気道を塞いた。そのまま首を絞め落とされる。
遺体が見つかりに難い様に階段の手すりを死角に利用して隠すカエル。
2階のフロアには見張りはいない。
カエルは2階からジャンプした。一階奥の扉を守っている魔族2体の元へ飛び降りる。
舌で一体の気道塞ぐと共に、もう一体の喉を剣で塞ぐ。
そして遺体が見つからない様に壁際の柱の影に隠した。
カエルはジャンプして2階にいるミアンヌを回収すると一階に飛び降りると扉を開いた。
蛇女「この先がどういう構造になっているのか私も知らない…」
扉の先はガランとしていた。原作でいうところのセーブポイントにあたる場所である。
フロアの先にある扉を1センチ開き覗く。
部屋の床にはトラップ様の針が敷きつめられている。トラップの先では鎧を着た魔族が3体、テーブルを囲んで話し込んでいる。
蛇女「あ、あれは私の写真…」
原作では【ひみつのミアンヌ・ブロマイド】というアイテムがあった。要するに盗撮写真である。
写真の技術がない時代設定だが、魔族の超能力で念写ができたという事。魔族達は、蛇女のセクシーな写真を見て、酒の肴にしていた。
蛇女はシスターの姿からミアンヌの姿に戻り、カエルを置き去りにして中へ入った。
「おーミアンヌじゃないか! ちょうどお前の話をしていた所だ」
三人の魔族はトラップを解き、ミアンヌを招きいれた。
魔族「珍しいなぁ。お前がこっちのフロアに来るなんて…」
ミアンヌ「ヤクラ様に緊急の用事があって伝言を伝えに来たの。でもこちらには来たことないから迷っちゃって…」
作品名:スマホを持つクロノ、改稿 作家名:西中