クロノトリガー後日談 ロボ生きてた展開
「お、ついに気付いたかな。そうじゃなあ、説明するのがちと難しいが、時の賢者であるこの私の肉体、声も擬似的なものなんじゃ。」
「ワシはラヴォスにここに飛ばされた後、何もないこの世界で生きることができなんだ。死ぬしかなかったワシはこの世界に魔法を施した。
ワシも含めてここにある全てのものは、実際には存在しない。時の彼方に超えてきた者の意識の中にだけにワシとこの世界は生きている。まあ幽霊みたいなもんじゃな。」
「よく考えてみるのじゃ、時の果てに都合よく空気があるかの? タイムマシンから出た瞬間から死ぬかもしれん。故にタイムマシンから出てたと思ってもそれは勘違いか幻じゃ。」
時の流れの感じ方が人それぞれの様に、時の流れは人の数だけ異なるとワシは思う。ワシはその流れを訪問者達の気持ちに都合良く合わせる様に作用させている。」
「簡単に言えば同じタイムマシンに乗った者同士しかここでは出会えない。きっと時のゲートも同じことよ。」
「もしマールやルッカがここに別のタイムマシンで来たとしてもクロノには出会えん。クロノのいない別の時の最果てに行き、ワシに出会う。
そのワシは今クロノ対話しているワシじゃない。ワシが把握しているワシじゃないからクロノが今のこうして別の時の最果てにいるかどうかも判らないし教えられない。」
クロノ達の以外の者がタイムマシンを使っていてここに来ることは度々あるかもしれんが、ワシはその者達の中でしか生きとらんから、何も知らないし、知るすべもない。」
「わかったかな?」
「多分、ワシはこの世界にきた瞬間に死んだ。あるいは来る前に死ぬことが判って魔力で時の果てを生み出した。それがワシの意識、無意識でやったかどうかまでは分からんが…
スペッキオは、ワシの余り物で作った愛玩具でじゃの。余り物とはいえ魔力の塊で魔力の意識体である。それに関わることで魔法の使えない人間にも使える様になる。ということじゃなかろうか。
なに? 別のタイムマシンに乗り込んだ者同士でもここで出会う方法を教えてくれじゃと?
そんな都合よく物事が運ぶならワシはこの世界からとうに抜け出とるわ。
お前さん達と一緒にシルバードに乗り込んでおるわ。
ワシが何故ここから一歩も動かんのか不自然に思わんかったかの? 少しは察して欲しかったのう。」
クロノが時の賢者、ハッシュに質問している頃
マールはもマザーに質問していた。
マール
「時超えのスマホ?
マザー
「時の超えのスマホがあれば異なる時間にいる者同士でも会話をすることができます」
マール
「わー、それ欲しい。どこに行けば手に入るの?
マザー
「この施設内にもあると思いますが、人間同士の通信網になるので今は回線が停止させられています」
ルッカ
「ロボから得た情報を元にいろいろやってみたけど無理そうね。未来人の技術、高過ぎて全くついていけない。以前の2300年代と比べたらあっちが原始時代かと思うよ。こんなに高いと未来人自身、どうやって技術を理解するのだが。
ロボ
「ざんねんです…
ルッカ
「方法が他にないの?
マザー
「古い情報ですが古代の魔法技術の中に物や人とをワープさせる魔法があったという情報が。詳細は不明ですが、もしかしたらその方法を使えばなんとかなるかもしれません。
マール
「古代で魔法といえば古代ジール王国!
ルッカ
「たしかにあの時代のテクノロジーは凄かったわ。機械が全くないのに現代の遥か未来を行く世界だった。
ロボ
「あの時代に詳しい人といえば命・時・理の三賢者ですね」
命の賢者ボッシュは現代にて商売している。時の賢者ハッシュは時の最果てに。理の賢者ガッシュは死に際に意識をヌウに移していたが、役を目を終えて永遠の眠りについた。
ルッカ達はクロノに報告するのも兼ねてまず命賢者ボッシュに会いに行った。
ボッシュ
「ワープする魔法が使いたい? なんでまた…」
かくかくしかじか、
ボッシュ
「なるほどのぉ、けれど、あれは特殊な条件が必要な魔法じゃぞ。まずエネルギーの根源となるラヴォスが必要で、エネルギーを効率的に取り出す為の魔神機も必要、ワープの術式の細工はなんとかなるとしても、魔神機を一から作るというのはなぁ、
ロボ「小さいものでも無理デスか?
ボッシュ
「まあ、小さいものなら可能じゃが、小さいとその分だけ魔神機をラヴォスに近づけんとならんぞ。ラヴォスはお主らが成敗してしもうたし、もし生きてるにしても近くに接近せにゃならんから危険過ぎるわ」
ボッシュ
「え? 未来ではラヴォスが生きてる? 地球上には5000以上のラヴォスが地殻が埋まってる? 未来の惑星にラヴォスが縛られてて安全だと?」
ボッシュ
「そうか…未来ではそういうことが…
ロボ「おねがします。ボッシュさん。
ボッシュ
「わかったわかった。お主らは雪山で氷漬けになったワシを助けてくれた恩もあるしな。グランドリオン治しただけでは割りに合わんと思うとった。」
ロボ
「ありがとうございます
ボッシュ
「しかし喜ぶのは早いぞ。魔神機の主な材料はドリストーンである。ドリストーン、探して簡単に見つかる様な代物ではないからの。」
クロノ達はドリストーンについてマザーに尋ねた。
マザー
「ドリストーンはラヴォスが地層深くのアダマイト鉱石と衝突したときのエネルギーで分解し再結晶化したものです。ラヴォスが大地と深く衝突した際にラヴォスの欠片が剥がれ、それが熱で溶解された後、冷めて再び結晶化されたものです。
採取するのであれば原始時代よりも遥か前、原生時代に行くのが効率的だと思われます。
ルッカ
「原生時代?
マザー
「原生時代は約80億年前。その頃の生物はミクロレベルのバクテリアで陸地がようやく出来たころです。植物は多くあるもののまだ炭素濃度が非常に高いので降り立つ場合は宇宙服、最低でも酸素ボンベ等が必要になります。
ルッカ
「宇宙服? ボンベ?
マール
「これのことだよ。
ルッカ
「マールそれどうしたの?
マール
「この建物内を探検してたら見つけたよ。」
ルッカ
「ちなみにどあたりでドリトーンがあるか判る?
マザー
「ラヴォスが飛来したクレータの中心点から5000m殆掘り進めた辺にて多くありますが、数には限りがあります。過去に起きた時を巡る資源戦争の際にラヴォスに関する資源の多くは、取り尽くされましたから
ルッカ
「場当たり仕事ね。見つからない場合もあるの?
マザー
「はい。既に掘削されているポイントでは見つからない可能があります。また掘削されているポイントでは高確率でセキュリティロボが警戒していますので近づくの危険です。
ルッカ
作品名:クロノトリガー後日談 ロボ生きてた展開 作家名:西中