古代人とクロノトリガー
ロボはクロノ達が進んだのを確認すると、前転し、ゴロゴロと壁にぶつかった。
ロボ
「なんとかなりましたね。ちょっと危なかったですけど。
帰りの道、ロボット達が襲ってきた。
「裏切り者、人間の味方する裏切り者』
ロボ
「どういう意味デス?
ロボット達
「忘れたのか、俺たちは人間にはしたがわない。マザーシステムに従う。
ロボもクロノ達も気付いていないが、この荒廃した未来では人工知能マザーを管理する人間が長らくいなくなっていた。いつしかマザーは人間の存在価値を忘れ、ロボットの為に活動する存在に変化した。ロボットではなく人間に味方するロボットはもはやロボットではない。そんな認識の元でロボット達はロボをスクラップにしようとしていた。
ロボを壊してリサイクルするのか、このロボット達の役目だった。
ロボ
「な、なんでこんな事を
私たちは仲間ではなかったのですか?
私達は人間を豊かにする為の存在ではなかったのですか。」
ロボット達はそのコトバは理解できなかった。
ロボット達はロボの電源を落とそうとスイッチのある背中を取ろうとする。
「やめてください」
ロボの声は虚しく、響く。
背中を壁につけたロボは正面からロボット達の攻撃を受けた。
ロボが動かなくなると、ロボット達はスクラップ用のゴミ箱にロボを投げいれた。
「ニンゲン、排除、する」
ロボット達はクロノに襲いかかった。
マール
「ルッカ! 一旦逃げよう!
ルッカは逃げなかった。
「クロノ! ロボットの弱点って何か分かる?」
クロノは首を横に降った
ルッカ
「足元よ。
足元の重心が不安定だから足に攻撃を加えれば、簡単にコケる。」
クロノはルッカの言うとおり動いた。刀の柄を当てると、ルッカの言うとおりに簡単にこけた。
「このフロアのロボットは門番の様なセキュリティ専用ロボットではないみたい。全く武装されてないもの。恐らくロボットの運搬や廃棄担当専用の、いわば戦わないロボット。なぜ戦闘様のロボットがここに来ないのかは分からないけど、管理者がまだ未熟なのかも」
クロノがロボット達の注意をひきつけてる内に、マールとルッカがゴミ箱からロボを救出した。
二人で運ぼうとロボを引っ張るが、重くてなかなか前に進まない。
しかし、確実に少しずつ前に進んだ。
十分程、クロノはロボット達と格闘を続けた。
ルッカとマールはロボを工場外へ連れ出した。
ロボット達は工場の外まではついてこなかった。
クロノ達はドームに戻り、ルッカはロボを修理した。
「ロボ、貴方なぜ戦わなかったの?
ロボ
「私は兵器ではありません。戦う様にはプログラムされてません。
ルッカ
「でも逃げることばできたでしょう?
ロボ
「仲間なので話しあいをしました。話しが通じないので途中で動かないふりをしました。そうすれば直ぐに攻撃も終わるかと思いました。
ルッカ
「それでまた断線したのね…
ロボ
「横に殴られたり、前から殴られたりするのは問題ありませんでしたが、ゴミ箱に逆さになるのは致命的な様でした。
ルッカ
「というより、寿命ね。貴方の体あちこちに錆だらけで、いつまた断線して停止してもおかしくなかったから。一応、フルメンテしといたから。次からはちゃんと戦いなよ。
ロボ
「いえ、私には破壊活動はプログラムされてません。
ルッカ
「時と場合によりけりよ
ロボ
「時と場合?
ルッカ
「貴方ね、あの分厚いシャッターにも耐えられるのよ。
ロボのフレームは汚くて古いけど、品質が良い。なぜ、スクラップされずに保管されてたのか気になったけど。きっとレア度が高いから持ち主は捨てられなかったのよ。つまり、それなりのロボスペックが高い。もしかしたら戦闘様ロボにもなれるかもしれないのよ。
ルッカ
「ちょっと試しましょうか。
ルッカはドーム内にいるセキュリティロボットにちょっかいを出した。
「ほら、ロボ。このままだと私殺されてしまうわ。私が死んだら誰か修理してくれるの?」
ロボは動かなかった。
「スイッチを切るわよ」
素直に切られるロボ
マール
「ルッカ駄目だよ。先ずは友達にならないと。
友達がピンチなときは友達は助けるんだよ。ほらロボ、私達、友達だよ。
ロボ
「友達…インプットされました。
マールもセキュリティロボットを挑発した。
ロボは戦って勝利した。
ルッカ
「人が矛盾をはらむ様にロボットも矛盾をはらむ生き物なのね…」
ロボいじりに夢中になってて忘れていたな、クロノ達は施設内に電力が供給されていた事を思い出した。
クロノ達はコンピュータを起動した。
ロボが操作し、データベースノアXYという画面が表示された。
ロボ
「現在、西暦2300年です」
クロノの達は荒廃した世界の原因を調べた。
その原因がラヴォスにあると知った。
マール
「え? ラヴォス? たしかサラさん達がラヴォスの生み出したタイムゲートで飛ばされてきたって、言ってたよね?
ルッカ
「そうよ、、魔神機でラヴォスを目覚めさせてしまってその後国がどうなったのか心配していた。
マール
「じゃあ、サラさん達がいた国もラヴォスにやられて…
ルッカ
「かもしれない。断言はできないけど、ジール王国の痕跡が歴史に残ってない事を考えると…
マール
「早く戻って教えてあげないと!
ルッカ
「まって! 私達が急いで戻ったところで、済んでしまった歴史は変わらないわ。
マール
「そんな…」
ルッカ
「私は今はこの時代、2300年の人達が気になる…。彼らは餓えている。今ならロボという強い味方もいるし、倉庫に配備されているセキュリティロボを倒せるかもしれない。
クロノ達はこれまで来た道を戻り、北の廃虚のまでやってきた。
ジョニーは相変わらず元気で、今度は4人乗りの車を用意してきた。
ロボ
「みなさん、お勤めご苦労さまです。」
ジョニー
「おうよ、そちらこそお勤めご苦労!」
これがロボ同士の挨拶のしきたり?なのか、三人もロボを見習ってあいさつした。
〜ドームシェルター〜
小型のセキュリティドローンは2体はロボがパンチを浴びせて一発だった。だが、2体を倒しても直ぐに奥から新たに2台あらわれる。
奥にいる大型のドローンが2体のドローンを常に配備する様に司令を出しているのか。
隙を見て奥の大型ドローンにパンチやタックルをするものの、びくともしない。大型ロボットもロボに体当たりをするが、互いに一歩も引かない。
作品名:古代人とクロノトリガー 作家名:西中