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原作アレンジ、クロノトリガー

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ルッカならきっと道路の脇に入る様に自身に指示するだろう。そして車が道なき道を走りながら…

「どうせ殺すんでしょうが! 軽い罪でも証拠を捏造して殺すくせにー!」

とか言って半ばヤケクソに雑木林に進路を向けて…
でもヤケクソに見えていつも正しい答えを出しているはず。

クロノは思った。

ルッカならきっと、森奥の限界まで行ったら車を乗り捨てるだろう。その後は、森の中に隠れて潜み、隙をみてゲートのある千年祭会場へ向かおうとする。


凸凹な地面にワゴン車が浮かびあがる。

沢山のおいしげる木々、車のサイドミラーが幹に擦られながら、どんどん奥に進む

森の奥、車で行けるところまで行った。



しかし、警察犬の存在。

警察犬が森に放たれた。このままではクロノ達は追い詰められる。

車は既に行けるとこまで行き乗り捨てている。

2人は森の奥に逃げ、話し合った。

マール
「今度こそ私を人質に!」

クロノにその選択肢はなかった。
武器をマールに向けた瞬間、殺される気がした。
かといってこのまま捕まれば死刑にされる。

クロノは処刑される自分を想像して恐ろしくなり、尻もちをついた。日本刀を振り回したところで銃に敵うわけがない。エアガンの弾も一発しか残っていない。
かといって何もしなければ殺される。

クロノの視界がぼやけた。
涙で霞んだ目と思い擦るクロノ。
しかし、目を擦っても目の霞は取れない。

マール
「泣いちゃダメだよクロノ。まだ終わってない!」

クロノは首をぶんぶんと横に降った。

マール
「え? 泣いてない? 目の前の空間がぼやけてる?」


調べるとタイムゲートに良く似た空間の揺らぎが見えた。

マール
「これって、もしかして」

マール
「間違いない! これはゲート!」

マール
「考えてる時間ない!」

マールはゲートホルダーを取り出した。


クロノは別れの挨拶をした。ここまで助けてくれたお礼を言った。

マール
「え?」

マールは王女だからこの時代にいても大丈夫で、これ以上、付き合わせて危険な目に合わせられなかった。


マール
「嫌だよ。私も行く」


クロノは疑問だった。どうしてマールがそこまで自分を助けようとしてくれるのか。マールの命を助けた恩人かもしれないとしても、ゲートはどこに続いているか分からない。今度こそ本当に死なせてしまうかもしれない。


マール
「私が過去に行って歴史が変わっちゃたんなら、私にも責任ある」

クロノ自身その責任は自分にもある気がした。
ただ、マールはこの国の王族でクロノは取るに足らない平民。国にとってマールは自分なんかより必要されるべき存在だと思っていた。

マール
「そんなこと言わないで! 私は自分の事を特別な人間だなんて思ってない! 友達ひとり作れない、友達ひとり助けられない。そんなの、私は望んでない!」

クロノは困惑していた。マールの事情がどうあれ、マールをここに残す事は男としての責任で武士道精神に反する。

マール
「でもも、へったくれもない! 私はクロノと一緒にいる!」

断固としたマールの態度。クロノは了解しそうになるが、マールを守れる自信がなかった。エスコートは無理だった。

マール
「違うよクロノ!
 私がエスコートするの! 私が皆を助けるの!」

マール
「だって私はこの国の王女よ。
 国民一人助けられないで王女だなんて言えない。
 王女としてこの国の責任は私にある。ルッカやクロノを守るのが私の責任!」


クロノは反論できなくなっていた。マールにとっての王としての意地とプライド。論理的で何も言い返せない。かといって、自分の信念も曲げることもできなかった。


警察犬は直ぐそばまで来ていた。

クロノがマールに何か言葉伝えようとしたとき、マールがゲートホルダーのスイッチを起動した。
すかさずクロノを抱きしめたマール。
二人は時空の彼方に吸い込まれていった…



-



――――――――――――――――――――――――――――

■5話



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ゲートから出た先で2人は鋼鉄に囲まれた部屋にいた。
部屋といっても光は入っておらず完全な暗闇だった。クロノは懐中電灯をリュックから出して照らした。

マール
「ここ、どこ?

光を壁に当てみるが、部屋は6畳程度の広さ。

マール
「きっとゲートの場所が違ったから、違う場所から出てきたのかな? それにしても…」


二人が今立っている床は薄汚れている。まるで何年も掃除をされずに、錆び付いているかのよう。また錆ともいえない独特の匂いがした。

健康に悪そうなガスの様な異臭に、三人は出口を探した。出口に通じるだろう扉は直ぐそばにあった。だが鍵穴らしきものはない、ドアノブさえない。
錆びて良く見えなかったが、中央に模様(ロゴ)らしきものが見える。
錆をこすると模様は光輝き、扉は空いた。
機械的な現代の自動ドアとも違い、重厚で分厚く、ピストルの弾なんてびくともしなさそうな自動ドアだった。



扉を開けるとそれに応じて自動で部屋の電気がついた。
現代でも見るような蛍光灯であり、時代的にはより現代に近いのかもしれない。
扉の外にはフロアが広がっていた。フロアの壁は硬い人口壁で覆われていて、地震ではとうていびくともしない設計だろう事が伺える。
しかし、床や天井や壁の錆はさっきの部屋よも遥かに酷いあり様で、湿気やカビも壁面にこびり付いている。
フロアの先にハシゴが上に伸びている。まるで潜水艦のハッチの様な重厚なバルブ。外に出るには苦労を伴いそうだ。
クロノは硬いゆっくりバルブを回した。


なんとか外に出られたクロノ。マールを引っ張りあげる。

2人は世界を見回した。目に飛び込むものはあたり一面コンクリートの残骸。
ビルや街の亡骸といえるような死んだ都市の地平線が見えた。

眼前に広がる文明の墓と、砂の大地の地平線がある。
鳥は1羽すら見えない。緑もまったくない。

ここがもし自分達の未来だとしたら、人類は滅んだということかもしれない。

2人は朽ち果てているが微かに見える道路跡を辿り進んた。

人間が生きているのか、作物が育つ様な環境ではない。それでも人が生きているか確かめずにはいられなかった。



1km程歩いた。
体力的な事を考えると、あまり進むの危険だと思った。この世界で食料等が手に入らない、生きていけないなら、元の時代に戻るしかない。
マールは食料を現代から届けるつもりの様で、クロノも他に選択肢がなく戻ることにする。

戻ろうとしたとき、声をかけられた。振り返ると目に飛び込んだのはロボットだった。

「ワタシとスピード勝負、シマショウ!」

ロボットはクロノにスピード勝負を持ちかけた。
ふと見ると、遠くの方から他にもロボットが駆け寄ってくる。
ロボット達は車を抱えてやってきた。

ロボット
「スピード勝負、あなたが勝ったら、車あげる」

マール
「負けたら?

ロボット
「スピード勝負、あなたが勝ったら車あげる

マール
「このロボット…壊れてるのかな?

レースをしたいロボット達。遊びたいのに可哀想。というマールの意向でクロノは勝負する事に。

マール