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原作アレンジ、クロノトリガー

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「クロノがんばれー!」

今にも壊れそうなボロ車。なぜ、ロボット達はこんな訳の分からない遊びをやるのだろう。クロノは疑問に思いながら発進させた。 

ロボットが乗ってる車はもっとボロ車だった。ハンデのつもりだろうか、クロノには訳わからないままだった。

微かに見える道路をただひた走るレース。そもそもどこがゴールか教えて貰ってない。

クロノは景色を見ていた。

本当になにもない世界だった。

核戦争が起きたとしても、こうはならないだろう。原爆が落ちた広島だって原爆ドームは残っている。

あるのは瓦礫しかない。建物らしきものは見当たらない。
山には木すら生えてない。なぜか比較的小さく見える気がする。

クロノはガス欠の予感がしてマールの元に戻った。

ロボット達も戻ってきた。
再勝負の申し込みを繰り返してきたが、、勝負を断っても、ついてくる。

クロノはマールを乗せ、ゲートのあった場所へ戻った。

元いた場所の地面をよく見ると、細かい瓦礫が点在していて、ここに元は広い施設があった様で、地下に繋がるハッチを幾つも見けた。

ハッチを開けて中を覗くと、白い物が山積みになっていた。
何かの資材かとハシゴを降りてみると、白骨化した遺体の山だった。

そこはある種の核シェルターの様なもので、人々が避難生活をしていた名残りだったのだろう。食料が尽きて人々は餓死したことが判る。

クロノは他にもハッチを開けてみたが、どれも同じで、この時代の人々の遺体が散乱していた。

この時代には人は生きていない。2人が諦めたとき、異音のするハッチを見つけた。

中はベルトコンベアーが流れるロボットの工場だった。

ハッチを降りるとコンピューターの端末があるが操作しても使い方が分からない。

と、突然、けたたましいサイレンがなり、侵入者を排除する為のロボットが襲ってきた。

ロボットはレーザービームを二人に向けて攻撃してきた。
当たれば火傷では済まされない。
クロノ達は急いでその場から離れ、ハッチを閉めた。


クロノがまた別のハッチを開けたが、そこは大丈夫だった。遺体もなく、襲ってくるロボットもいない。
奥に進むと、この世界にきた時と同じ様な文様の扉があった。しかし、今度は触れても開かない

二人は、今居るフロアに興味を持った。コンピューターがあり、死んでいるロボットが転がっている。
二人はそれをいじり回したが、コンピュータは電源が入らない。
ルッカが居てくれると助かるが、そのルッカは今は病院だろう。

マール
「私、一度戻ってみる。食料とか着替えとか持ってくるね。あとルッカの様子も見てくる。きっともう回復しているはずだから。」  


この時代に来てかれこれ5時間だが、警察の捜査はまだ続いているだろう。

 
マールは現代の森に出ると、コンビニに行き、カードで買い物をしようとして躊躇った。


(買い物の記録とか大臣や警察に行くかもしれない…)

マールは止むおえず万引きをした。

(めっちゃドキドキしたよ〜)

マールはルッカの状態を知ろうとした。

(警察に行っても捕まって王宮の敷地に監禁されるだろうし…、病院を問い合わせるにも、教えてくれる訳ない…)

マールはルッカの状態を知るすべがなかった。
(あ、あれ?? もしかして私、無能?)

ここからマールは、万引きしてクロノに貢ぐ生活の日々に突入した。




大臣
「なんじゃと! マール様が行方不明じゃと! しかもマール様がクロノを脱獄させ、魔族に怪我を負わせたじゃと!!」

大臣が報告を受けたのはクロノ達がゲートに飛んでしばらくしてからだった

魔族に怪我を負わせた代償は高くつく。その上マールがその原因を作ってしまったとなると、王宮が支払う代償は途方もない規模になる。

大臣の従者は脱獄に関わったであろうルッカを確保していて、尋問にかけたという。嘘の証言ばかりするので、心を支配して操る魔族、魅了一族の力を使い吐かせた。

大臣
「過去にタイムスリップするだと? そなた本気でその様な世迷言を言っておるのか? 」


従者は大臣に映像を見せた。
千年祭のゲートからクロノ達が次元の穴に吸い込まれる映像を見せた。

従者
「これは昨日の朝10時にマスコミが撮影した映像です。特殊な装置を使い時を越える様です」


大臣
「つまり、この世界にマール様はおらず行き先は400年前の世界におるのか…」


大臣は歴史を思い出していた。隠された歴史の存在。400年前に世界は魔族に支配される歴史を辿る。もし過去に行けるのであればそれを未然に防げるかもしれない。
だが、ゲートの存在は魔族側に既に知られている。おいそれと過去に行く事はできず、過去に行けても迂闊な行動はできない。。

従者
「どうなさいますか? 魔族側はこの件に関して審議中とのことで、またゲートの存在はないものとし、報道規制をかけるのみで、ゲートには見張りを立ててません。二人を探しに過去へ参る事も可能でごさいますが…」

大臣はこの国で監視されている。公務もあった。おいそれと移動でない。だからといってクロノを生け贄にするのを断念すれば魔族との軋轢が深まってしまう。

大臣は困っていた。人間を狩るのは人間がやる掟になっていた。真実を知る少数派の人間は大臣にとって融通の効く手足だった。

大臣
「とりあえず魔族への生け贄は代わりの者を用意する。過去にはそなたが一人で行って探してくれぬか?」


従者
「かしこまりました。」

大臣
「分かっておるじゃろうが、我らは監視されている。くれぐれもも反魔族的な行動をせぬよう、気を付けて行くのじゃぞ。」


従者
「ところでルッカはどうなされますか? 魔族への生け贄としてこのまま引き渡して宜しいでしょうか。」

大臣
「まて、ルッカは偉大な発明家じゃ。流石の魔族も彼女の命までは求めんじゃろ。問題はルッカに監視をつけるかどうかじゃ。ほおっておけばクロノ達の元へ…」

大臣は閃いた。
「まて、そなたは過去に行くのではなくルッカを監視しなさい。いずれ二人のところへ辿りつくじゃろうて」

従者
「かしこまりました。」




クロノの逃亡から2日目
ルッカは病院を退院し、家に帰っていた。脱獄に加担した罪は特例法として罰せられる事はなかった。

「さっすが、私! 天才発明家で良かったわ。オーホッホッ!」

ルッカは心を操られ、洗いざらい自白させられていたが、その記憶は無かった。
記憶を消す力のある魔族にて、尋問された事も覚えていなかった。

監視はされている可能性までは想定しているルッカだったが、タイムスリップした先でも監視される可能性があることに想像すらしていない。

クロノやマールに会うために中世時代へと向かった。



ルッカ
「どういう訳よ!あいついないじゃない!」

ルッカはクロノがガルディア城にいるものと思っていた。リーネを助けたご褒美に生活の面倒やらを観て貰っていると。


ルッカは自宅に帰り、何気なく新聞を見て驚いた。
クロノがマールを誘拐した事になっていた。  

「はあ? どういうこと?」 

「クロノは中世に行って、マールは家に戻ったんじゃなかったの?」