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原作アレンジ、クロノトリガー

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大砲でバラバラになった骨がビネガーの呪文とと共に集まる。
小さな骨の集合体が与えるダメージは少ないもの、兵士達の足元を絡め取ろうとする。
兵士達は苦戦を強いられた。

クロノはどうしていいか分からず、負傷して動けない兵士に群がるガイコツを追っ払うことしか、できなかった。
それでも助ける事はままならず、クロノ達の前で人が死んでいった。

戦力になるのはロボだけだった。

橋の上で互いに消耗戦が繰り広げられた。

数時間後、ビネガーは魔力を消耗し撤退した。

ガルディア軍の損害、死者300名、負傷者500名、ビネガー率いる骨の軍団はそもそも生きていたのかさえ定かではない。魔王軍は実質、損害は無いに等しかったのかもしれない。

クロノ達は明らかに準備不足だった。
未来のデータベースノアではガイコツやビネガーの様な情報は見つからなかった。というより、情報があったとしても多すぎて気付かなかっただろう。

魔族全般熱に弱いのを考慮するなら火での攻撃が正解なのだろうが、前もって準備しておく時間がなかった。

目の前の犠牲者を見たルッカは怒りで震えていた。
クロノ達に無言のままでガルディアの王宮に戻った。

ルッカは王に進言した。

「お願いがあります。私に魔王軍と戦う為の武器を作らせてください」

ルッカには迷いは無かった。魔王軍に勝つためのプランが出来上がっていて、実現する自信があった。

ビネガーが次の攻撃を仕掛けてくる前に完成させないといけない。ルッカは作業場に篭った。

クロノ達はこの時代で何ができるかわからなかった。
この時代の人々が、曖昧な勇者の噂に縋りつく気持ちが分かる様な気がした。

クロノ達はガルディア軍部の被害調査隊に入隊した。

伝説の勇者を探す事と魔王軍に制圧されたかもしれない近隣の街の被害具合を調べる任に志願した。
戦えなくても、何か力になりたい。いざとなったら走って逃げる。それくらいならできる気がした。

クロノ達はルッカをガルディアに残し、街の被害調査と、伝説の勇者を探す為、南へと旅立った。

南の大陸は砂漠地帯が広がる広大な地域。砂漠を東に抜けると魔王軍の本拠地とされる魔岩窟があり、砂漠を抜けた南にパレポリ街がある。魔王軍がパレポリの街を襲撃しているかどうかは確認してみないと分からない。もし伝説の勇者がパレポリを守っているのであれば無事であるだろう。クロノ達は南に旅立つ前、ガルディア軍部からそう説明を受けていた。

ガルディアから数日分の行き帰りの物資が支給されていたものの砂漠の熱さはキツイ。魔族が熱さに弱いのを考慮すると、南部の街が襲われている可能性は低い。

南部よりも危険なのが砂漠の中心に存在する街で、魔王軍の襲撃があるとしたら、まずそこが壊滅しているだろう。もしその街が壊滅しているのであれば、魔王軍が駐留している可能性がり、速やかにガルディアに報告しなければならない。

橋を抜けた先には、魔王軍の遺体がいくつもあった。遺体といってもガイコツ兵士の亡骸であるが、それが砂漠を見渡す限り続いていた。

クロノ達はガルディア兵の遺体とガイコツ達を避けながら砂漠の中を2日進んだ。
数え切れないガイコツの先を抜けて
半日程進んた先に、中部地方の街が見えた。

幸い街は魔王軍には襲撃されてはおらず、クロノ達は近くの一件の民家の戸を叩いた。

クロノはガルディア軍部被害調査隊の腕章を見せた。
住人によると、魔王軍の部隊がこの街に進行しているとの報はあったものの、魔族は一匹たりとも、この街には侵入しなかったそう。
ガルディアの剣士カエルにより街の防衛は守られたのだという。

マール
「カエルって、たしかリーネ様を助けた騎士だったよね?」

クロノはカエルを思い出していた。緑色のカエル人間。リーネだけでなく、蛇女との件では結果的にクロノとルッカの命も助けた恩人である。
カエルは魔族だったのだろうか。魔族の中にも人間側に味方する者がいるのだろうか。


住人からは伝説の勇者はパレポリが故郷だという情報を聞き、砂漠を抜けた先のパレポリを目指した。
数日かけてパレポリに到着し、聞き込みをしていると判明したのは、伝説の勇者の存在は、実は子供が勇者ごっこで名乗ったものであり、その噂に尾ひれがついてガルディア本土まで飛び火したという話だった。

また、その子供はデマカセを風潮した為、引っ込みがつかなくなり、今しがた勇者の証を示す為にデナドロ山に向かったらしい。

デナドロは魔族のテリトリーであり、子供が一人で行くのは危険過ぎるという。

クロノ達は子供を保護する為に
急ぎデナドロ山に向かった。



〜デナドロ山〜


子供は既に4魔族に囲まれていた。


「我らデナドロの四天王! 我らの聖域に踏みこむなら、我ら四天王を倒してからゆけい!」

カラスの様な顔立ちをした二足歩行の化物。
その手には剣を持っている。

危ない! と思いきや、子供を攻撃する気配はない。

自称四天王達は剣を構えど、子供が攻撃をしてくるのを待っている様子。

「我らは武士道精神を重んじる四天王よ! お主が強き者であれば、いざ、勝負!」

タータ
「僕は勇者になるんだ!負けないぞ、負けないぞ!」

精一杯、虚勢をはるタータであるが、体格差からして勝てるないのは判る。魔族だから知能が低いのか、そのあたりの配慮はないまま、真剣勝負を求めている。

タータは剣を構えたまま泣いてしまった。

「クロノいくよ!」
マールはボウガンに矢を込めて放った。
魔族には当たらずかすめた。

クロノ達からの距離ではデナドロ四天王の会話は聞こえなかった。
穏便に済ませれば見逃して貰える種類の魔族だったが、マールの不意打ちという武士道精神に反する攻撃で、クロノ達がデナドロ四天王に狙われることになる。

クロノ達には今ロボはいない。
ロボはガルディア本土を防衛する為に、おいてきた。

「不意打ちとは卑怯なり! 生かしては返さん!」

取り囲まれたクロノたち。

「どっちが矢を放った!」

答えないクロノ達にカラス人間達はジャンケンを始めた。
武士道的に一対一を望むカラス人間達は、誰が
戦うのかを決めた。

「よし、兄者、私の勝ちだ!」
四天王は4っ子のカラスで、誰が長男か次男かはクロノ達には判別できない。

「どちらが矢を放ったのか、答えないのであれば、どちらも殺すしかないぞ!」

マールが答えようとしたとき、クロノが遮った。武士道の空気を察したクロノ。

自分が名乗り出ることで、タイマンに持ち込み、その隙にタータを連れて逃げる作戦を提案した。
だが既にタータは逃げていた。

振り返ると、タータは山を降りていた。
ならクロノ達にも争う理由ない。

カラス魔族を無視して走って山を降りた。
しかし、相手はカラス魔族、空を飛び、あっという間にクロノとマールの前に立ち塞がった。

逃げるのを諦めたクロノは矢を放ったのは自分だと言った。