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原作アレンジ、クロノトリガー

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武士道精神を重んじる相手なら、ここで部外者扱いになるマールが殺されることはまずない。また剣道の経験があるクロノはカラス魔族特有の羽の重さによる下半身の踏ん張りの弱さと、カラス特有の手の形から剣の握りの甘さに気付いていた。

どういう訳かカラス魔族達は、人間の文化、それも日本独自の武士道精神に染まっている。誰かを見様見真似で演じているもので、剣術の基本も教わっている様には見えなかった。

クロノの予想通り、カラス達は弱かった。
子供が真剣でチャンバラをしている様なレベルで、部活で鍛えたクロノが負ける筈もなかった。

長男
「ま、まさか我ら四天王を倒すとは、お主、なかなかやるではないか。まるでソイソー様を見ている様だったぞ」

次男
「兄者、それは言い過ぎというもの、ソイソー様はこいつなんかよりもっと強い!」

マール
「ソイソーってダレ?」

次男
「女! お前ソイソー様を知らないのか!? ソイソー様は、魔王おかかえの三闘士、ビネガー将軍やマヨネー将軍に肩を並べる立派な将軍様なんだそ!」

マール
「へー」

長男
「こら! あまり人間と親しく話すな。そういうのが理由で我ら魔王軍の試験に落ちたのだそ」

マール
「え? 魔王軍って試験みたいなのあるの?

次男
「そうだぞ! 試験はとっても厳しいんだ!」

長男
「だから、馴れ馴れしく人間としゃべるな!」


カラス魔族の長男は次男を叱ると弟子たち三男と四男を連れて山奥へ帰った。

次男
「お前は強い、特別にこのデナドロ山の入山を許可する。次に戦うときは負けないからな!」

次男はそう言って空を飛んでいった。が戻ってきた。

「いい忘れたけど、山の頂上には精霊がいる。そいつだけには、関わるな。行かないとは思うが、行けばお前達、死ぬことになるぞ。」


次男はそう言い残して山奥に消えた。


マール
「魔族って、案外悪い奴らだけじゃないのかもね…」


クロノ達はパレポリの街へ戻った。
子供(タータ)が無事に帰れたのか、確認に戻った。
タータの自宅を尋ねると無事に帰っており、クロノ達は詳しい話を聞いた

タータは自分は本当の勇者ではなく、勇者バッジは酒場で酔いつぶれたカエルが落としていったのものをたまたま拾っただけで、そのために周りが勝手に勇者だとチヤホヤしてきて、後に引けなくなったのだという。

少年はバッジを自分の代わりにカエルに返してあげてと、クロノ達に渡した。

「カエル」とは、リーネを保護したカエルのこであるがカエルはパリポレの街では剣士だと知っている者は殆どいなかった。
街ではお化けカエルと呼ばれ、街はずれの森深くの穴の中で生活していた。

カエルとは何者なのか、魔族なのか、
未来のデータベースにはカエルの記録はなかった。

クロノ達はカエルを見つけると勇者バッチを渡した。


カエル
「…それは勇者バッジ」

勇者バッジとはなんぞやと聞いてみると

勇者バッジとは勇者から勇者へと渡されるバッジで、カエルは勇者サイラスから渡された。
カエルの元の名前をグレンといい、20年も前にバッチ渡されていたけれど、勇者バッジをつける勇気がなくて、これまでお守りの様に持っていたという。

勇者サイラスはグレンの親友で、共に魔王と戦った。しかし、サイラスは殺された。
サイラスから勇者バッチとグランドリオンを受け取って魔王と戦うも、グランドリオンは親友が殺されことへの憎しみに反応し、弱き剣へと姿を変えてしまい、魔王に折られてしまったという。

「そして元々人間だった私は魔王の呪いの術を受け、姿形をカエルに変えられてしまった…。」

カエルは喉を鳴らしながら、クロノ達に説明した。


「私は魔王とは戦えない」

マール
「どうして?


カエルは折れたグランドリオンを見せた。

クロノ達は未来のデータベースに聖剣グランドリオンの項目があったのを思い出した。詳細不明だったが、魔族に劇的な効果あるという。

マール
「グランドリオンを治せば戦えるのね?」

マールは剣の柄を見て驚いた。

「ねえ? クロノ、これ作者名のところにボッシュっ書いてない?」


ボッシュは趣味で刀を作っていて、テレビの何でもござれ鑑定団に出ているそこそこそ有名人。
クロノ達とは千年祭で出会い、銃刀法違反を見逃して貰った相手だった。

マール
「どういうこと? なんで現代にいるボッシュが中世のグランドリオンに関わっているの?

マール
「まさか私達みたいなタイムトラベラー?」

有り得ない事ではなかった。未来にはタイムトラベラーがいた痕跡、最果てではタイムトラベラーを支える様なシステムが作られていた。クロノ達以外にも時を超えられる者がいる筈である。


クロノ達はガルディアに戻った。魔王軍による町の被害具合と勇者バッチとグランドリオンを受け取った本当の勇者の正体を知らせに。


〜ガルディア工房〜

ルッカ
「ボッシュがタイムトラベラー?」

ルッカ
「今現代に戻るとしても、クロノは指名手配されいるはずだし、私は手が離せないし…

マール
「大丈夫、私一人でいくよ。ボッシュの居場所は名刺のとこに行けばいいだけだし」


マールはそう言って、かけていった。

ルッカ
「一応クロノもついて行きなさい。山道でマールを一人にしておけないし、、リーネと間違われて誘拐される可能性だってあるんだからね。あとクロノは時の最果てでマールを待つ間、スペッキオから何か有効そうな魔法の情報を聞き出すこと。あと魔法の練習も忘れないこと。」


マールはクロノを最果てに残すと現代に戻った。
現代ではクロノがマールを誘拐したテロリストだと騒がれていた。
クロノの両親は泣きながらテレビの取材に答えていた。

この時
マールは人生初めてバスと電車に乗った。

ボッシュは鉄の臭う工場の中にいた。
 
「こんにちは、  

ボッシュ
「だれかの?

マール
「私、少し前、千年祭で名刺貰った者なんですけど…

ボッシュ
「おお、そうか、あのときの娘さんか、2週間ぶりくらいかの? ツンツン頭の青年はうまく逃げ切れているようじゃの

マール
「ご存知なのですか?

ボッシュ
「お前さん、無理して敬語使わんでええぞ。一応、王族なんじゃろ?

マール
「え? 私のこと知ってるの?

ボッシュ
「誘拐事件のニュースは話題になっとるからの。メディアは誘拐説と単なるカケオチ説で賛否両論しとる」

マール
「誘拐とは思っていない人もいるんですか?

ボッシュ
「そりゃそうじゃ。お国の司法のおかしさは多くの人が疑念を持っておる。他人事だから、どうでもいいだけじゃの」

マール
「ボッシュさんは信じてくれるんてすか?

ボッシュ
「ワシは信じるぞ。お主らは誘拐なんぞしとらん。」

マールは嬉しくなった。クロノの無実を信じてくれる人がいてくれる事が。

マール
「実はボッシュさんには聞きたい事があるんです。」

マールは折れたグランドリオンを見せた

「これは確かにワシの剣…。でもこれを一体どこで…」


マール「変なこと聞くけどボッシュさん、もしかしてタイムトラベラー?」

ボッシュ
「…なぜ、その様な事を聞くんじゃ?」

マール