原作アレンジ、クロノトリガー
「…その魔族に効く剣というからには何らかの性質があるのじゃろうか…」
「剣には魔神機の性質を消す為の術が付与してある。つまり魔神機はラヴォスエネルギーを吸い取る力があって、その吸い取る力を消す為の力が剣にはある。その力が魔族に効き目があるということは…
魔族は恐らくラヴォスからエネルギーを吸い取って自身の力としておるのかもしれん。
その力を断ち切る事がグランドリオンにはできるのかもしれんな…」
ボッシュはグランドリオンが魔族に効く理由について話した後、マールとクロノの共に中世時代のガルディアに向かった。
マール
「ところで治すっていうのは、もしかして呪いなんかも治せるの? 実は魔王の呪いでカエル姿に変えられた人がいるのだけど、それを元に戻すことはできる?」
ボッシュ
「カエルの姿とはそれはまた興味深いの…
見てみない分からぬが、たぶん、可能じゃよ。」
マール
「ほんと!?」
ボッシュ
「ただのう、何年もカエルだったのなら、人間に戻ったとしても人間としての体の使い方を忘れておる可能性が高い。リハビリが大変じゃろうと思う」
マール
「リハビリ…
ボッシュ
「まあ、リハビリもワシがサポートすればなんとかなるじゃろうて…」
〜ガルディア工房〜
ルッカ
「グランドドリオンを修復する為の材料、ドリストーンね…正直、聖剣の話は非科学的だから期待してなかったけど、ボッシュの話を聞くと、もしかしたら戦力になるかもしれないわね…
「こっちの仕事もあらかた終わったし、私も少し協力するわ」
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■8話 原始時代
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そう言ってルッカが見せたのは火炎放射器だった。
「戦場に大量の燃料を運ぶ手間はあるけど、その手間に見合うだけの効果はあると思うわ。」
マール
「ルッカすごーい!」
ルッカ
「そんな事ないわよ。作るのは案外簡単よ。でも一番大変だったのは燃料をどうやって確保するかだったわ。原油の採掘はした事なかったし、ましてや精製の知識なんてない。だから兵士の人たちに未来に行ってもらってキンを売りつけて、そのおカネで燃料を調達したの。
マール
「わー!ルッカって天才ー
ルッカ
「この2週間で軍部総出で火炎放射器を1000丁を作ったわ。用意した燃料は8ガロン。費用は5000万円というところ」
大臣
「魔王軍と戦いで疲弊して財政はそれが限界だったのです。
マール
(それだけあったら、未来の武器商人から購入した方が早そうに思うけど…)
ルッカ
「オーホホホ! 私って天才ー!!
マール
「でもガイコツに火って効くのかな?
ルッカ
「そう思って怪音波装置を作ったわ。これで聴覚を混乱させてその隙にぶちのめす!
マール
「ルッカ…ガイコツには耳が無いような…
ルッカ
「そうよ! 私も最初そう思って作るのやめようかと思ったのだけど、でも、ガイコツを操るのはビネガー将軍よ! ビネガーに怪音波と火が効くのなら勝ったも同然でしょ!」
マール
「ルッカ、やっぱり君は天才だよー!
クロノ達は相談の結果、ガルディアにボッシュを残し、火炎放射器を持って時の最果てから原始時代へと飛んだ。過去に行けばドリストーンが見つかると想定して。
ロボ
「私が先に行きます。私がゲートをくぐったら順番に来てください。」
マール
「どうして?」
ロボ
「実はゲートが崖際にあるんです。出た瞬間から落ちてしまいます。私が皆さんを受け止めます。
ルッカ
「帰りはちゃんと帰れるのかしら?
ロボ
「崖から飛び降りる様にゲートに入る事になりますが、帰るのに問題はありません。」
原始時代編
クロノ達は崖下へと着地した。
「シャー!」
クロノ達を凝視している生き物が威嚇するようにこちらを見ていた。
ロボ
「未来の化石データベースでは恐竜人の項目に該当します。時代は原始、群れを成して狩りをしていたといわれます」
恐竜人は20人程いてクロノ達に今にも飛び掛かろうとしている。鋭い爪に鋭いキバ。
ヨダレを垂れ流している。
「早速火炎放射の出番よ!」
しかし、いきなりの事で燃料の準備がまだできててない。
クロノ達は武器を持ち戦った。
恐竜人「人」というだけあって、知能がそれなりに高い。
武器を持っているクロノ達には敵わないことを知ると逃げ出していった。
恐竜人達が去ると原始人の女がやってきた。
「うほ、うほうほうほほう。ほうお
(お、おまえ等なかなかやるじゃないか。気に入ったぞ)
「あう、あうらう、あうあうあうら、ほうほう
(しかも変わったニオイがする。恐竜人とも全然違うし、私ともちがう)
「はう、らうはあはうはうはあ、はうらあ
(お前たち面白そうなかっこ、皆にも紹介したいから村においでよ!)
「うっほわ!(盛大に歓迎するよ!)
ロボ
「なにやらついて来いって言ってますね。」
マール
「なんか面白そうだから、ついてってみよう。
クロノ達はエイラの後を追った。
エイラは族長の家を訪ねて、クロノ達を紹介した。
クロノ達はエイラが何を話しているか分からないが、笑顔だったので歓迎されているムードを感じた。
エイラはクロノ達を村に案内した。
広場にはヤグラがあり、キャンプファイヤーの様な祭りをしようとしていたのが、伺えた。
肉や魚、木の実やフルーツ等もが盛られて、酒のようなもの。
エイラはクロノ達を指し、木の台を指した。椅子に座れという、身振り手振りの合図だ。
クロノ達が座ると、音楽が始まった。ヤシの実等で作った太鼓や、歌、踊りで歓迎されてる。
エイラはクロノ達の周りを踊ったあと、大きな器を持ってきた。
クロノの前にひとつと、エイラの前にひとつ。
樹齢1000以上はあるかもしれない大きな木をくりぬいて作った器であり、この原始時代なら作るのは大変だろう器だった。
酒を貯めている入れ物はヤシの実を器だろう。それがいくつもクロノ達の前に列べられ、注がれ始めた。
エイラは飲め飲めと言わんばかりに指図する。
クロノは酒なんて飲んだことない。
一口飲むと甘いジュースの味がした。いろんなフルーツを発酵させて作ったのか、複雑な味がした。
美味しいから飲み干すと、また注がれた。
エイラを見るとクロノが飲んだ量に合わせて、飲んでいる。
エイラがクロノより1杯多く飲むと、クロノに飲み干せの指図をおくっている。
ルッカ
「勝負を挑まれてるわね。」
クロノは首を横に降った。
ルッカはエイラに絵を見せた。
「ところで私達、こういう石を探しているの? 知らない?」
エイラ
「なんだ? この赤い石のことか?」
エイラはテーブルを指した。
赤い石、ドリストーンはインテリアの様に飾られていた。
エイラ
「あかい石、珍しい石!
ルッカ
「私達、その石が欲しいの。どうやったら手に入る?
エイラ
「なんだ? もしかして、この赤い石が欲しいのか?
ルッカ
「そうそう!
エイラ
「ならエイラとの勝負に勝ったらやる!
作品名:原作アレンジ、クロノトリガー 作家名:西中