原作アレンジ、クロノトリガー
赤い鉱石、ドリストーンをかけての酒の飲み勝負の空気、気付いたとき、クロノは酒飲み競争に巻き込まれていた。
夜が明けたとき、クロノは二日酔いで頭がグルグルしていた。エイラは元気そうだった。
「クロ!目覚めたか! 昨日の勝負は殆ど互角だったぞ。やっぱりエイラが見込んた男だ。エイラ、負けたつもりないけど、石はやる。強いオトコすき!」
ルッカも目覚めていたが、様子がおかしかった。
ルッカ
「ないの。私達の持ち物がないの!リュックごと無くなっているの! 火炎放射器までなくなってる。一応ゲートキーは皆に分散して持たせた分は大丈夫だろうけど、リュックの中にはピストルが入っている。知らないで使われたら大変よ
マール
「盗まれた?」
エイラ
「何かとられたのか? でも村人そんなことしない。」
エイラの元に村人が駆け寄る
「え? 夜中にキーノがクロノ達の寝床でうろうろしてた?
そんなばかな!
エイラ、キーノ探してくる!」
クロノ達はエイラの後を追った。
ジャングルの中でエイラはキーノと会話していた。
「キーノ、一体何かあった。」
キーノは恐竜人がクロノ達から盗みを働いているのを目撃した。後をつけて恐竜人のアジトを見つけようと思ったキーノだったが、いざそれをエイラに報告したらエイラはアジトに乗り込み危険を犯すと思い、教える事を躊躇っていた。
エイラはキーノを殴った。
「恐竜人、村に侵入した。とても危険。キーノ、危険知らせるべきだった。恐竜人のアジト案内しろ!」
キーノが答えに渋るとエイラは察した。
「キーノ、恐竜人、この奥なんだな!」
キーノが何も答えないのを見ると
エイラは一人で森の奥に入っていった。
クロノ達も後を追いかけた。
ルッカ
「いい、火炎放射器はないけど、私達は2週間かけて魔法の練習をした。まだ完璧じゃないけど、全く使えない訳ではないわ。火も雷も冷気も、相手を怯ませる程度はもうできるはず、勝てなくとも、いざとなったら逃げる隙くらいは作れるはずよ。」
ロボを先頭にクロノ達は前進した。
恐竜人は竪穴式の洞穴を住処としていた。
入り口に見張りの兵隊を配置している様だったが既に倒れている。エイラが一人で倒したのだろう。
穴の中には穴が沢山あり、クロノ達はエイラが倒した恐竜人達の後を追いかける様に進んでいく
恐竜人達が50体は倒れている。
マール
「どうやって倒したんだろうね? まさか拳で?
ルッカ
「原始人ってもしかして、ロボくらいタフなのかしら
恐竜人達の奇声を奥から聞こえてくる。
ルッカ
「近わね、急ぎましょう」
クロノ達は恐竜人達の背後についた。
エイラを追いかける様に恐竜人が背を向けている状況。
その恐竜人達があっという間に倒れていく。エイラは格闘技の有段者の様にケリとパンチ、投げで華麗に舞う。
エイラは100体程の恐竜人を倒すと、更に次の部屋へと進んだ。
クロノ達も急いで追いかけた。
エイラが穴を降りるのに続き、クロノ達も降りようとすると、その先には、恐竜人ではなく、ティラノサウルスが待ち伏せていた。
エイラはティラノサウルスの存在に気付かずに穴に降りた。その部屋は逃げ道はなく、侵入者を罠にかける為の恐竜人独特の仕掛けだった。
エイラはティラノサウルスに明らかに苦戦していた。
ルッカ
「皆、魔法で掩護するのよ。」
クロノはサンダーを唱えた。
ティラノサウルスに電流が走り、動きが一瞬止まる。続けてマールがアイスを唱え、ティラノサウルスに霜が降りた。
「エイラ!」
ルッカの声に反応し見上げたエイラ。
ティラノサウルスが怯んでいる隙に、エイラはティラサウルスの背に飛び乗ってジャンプした。クロノが腕と一緒に、刀の鞘を穴の下に伸ばした。クロノ達は鞘に捕まったエイラを引っぱり上げた。
エイラ
「クロたすかった。エイラ、死ぬかと思った。
ルッカ
「エイラ、一人で行っちゃだめ。盗まれたのは、エイラのせいじゃない。
エイラ
「エイラ、恐竜人が憎い。村人おそう、いや
ルッカ
「待って一人ではダメだってば
エイラはルッカの腕をゆっくりと解き、ゆっくりと先に進んだ。
クロノ達は慎重に先に進んだ。恐竜人がどこからともなく穴から湧いてくるが、チカラの差を感じているのか、襲ってこない。
クロノ達は穴を何度か降りて広まった部屋に出た。
石を削って作られた大きな椅子の前に、ひときわ目立つ服を着た恐竜人が立っていた。
そばにクロノ達から盗んだリュックがあり、ピストルを持っていた。
エイラ
「アザーラ、なぜ村を襲う!なぜ人間を襲う!
アザーラ
「お前達はこの大地に後から住み始めた。元々、このジャングルも含めお前達の住処も我々のものだ。余所者は排除されて当然だ」
エイラ
「アザーラ、私達にはこの大地で生きてはいけないのか。
アザーラ
「下等な猿は大地にはいらない。」
エイラ
「話し合うダメなのか? アザーラ、唯一、人間の言葉わかる。なぜ、そうしない
アザーラ
「人間の祖先は猿、我々の先祖は恐竜、世界の覇者は恐竜なのだ。ひ弱な猿がなぜ覇者である恐竜に服従しないのか。
エイラ
「…つまり、強い物なら従うという意味か
アザーラ
「大地のおきて、強い物が絶対!
エイラ
「なら今日こそ決着をつけよう」
アザーラは側にいたティラノサウルスの首輪を外して、奥の穴から逃げていった。
エイラ
「な、アザーラのやつ、卑怯…」
フロアにいる恐竜人数十人はパニックしていた。
この巣穴は構造上、出口はティラノサウルスの奥にしかない、恐竜人にとっても戦わずして、逃げきる事はできない。
「クロ! エイラが注意をひいてる間に逃げろ。」
エイラがティラノサウルスに飛びかかると、恐竜人達が、その隙に奥の穴へと向かった。
しかし、アザーラにより、穴は石で塞がれてた。恐竜人達も逃げ道を失った。
マール
「どういうこと?」
ルッカ
「恐竜人の王は、民を見捨てたということでしょうね…」
ティラノサウルスは興奮して暴れ回っている。長年鎖に縛られ、王に虐待されていたのか、身体中にも多くの傷がある。
マール
「ルッカ、あれもしかして、
ティラノサウルスの脇にルッカのリュックが落ちていた。中身は散乱している。火炎放射器も傍らにある。
火炎放射器が手元にあればなんとなるかもしれない。
「ロボ! 何とかしてあれとってこれない?」
ロボの足はそう早くない。ティラノサウルスのしっぽに、ふっ飛ばされてしまう。
エイラに火炎放射器を取って貰う様に伝えることはできない。エイラはティラノを惹きつけるので精一杯で、それどころじゃないし、言葉が伝わらない。
燃料をティラノサウルス直接かけてにかけて火をつけるか? そんな芸当は不可能だ。洞窟では煙の逃げ場がない。
考えている内に
ティラノサウルスのターゲットはエイラから恐竜人に移動した。
恐竜人に虐待された憎しみから、物凄い勢いで襲いかかった。
ロボがその隙に火炎放射器とリュックを取りルッカに渡した。
燃料を入れ、セットする。
「なんで!」
作品名:原作アレンジ、クロノトリガー 作家名:西中