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原作アレンジ、クロノトリガー

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ジールが計画のリスクを知りながら強行実行しているのは、王宮を守るためだった。

ジールが些細な事で失敗する者への大きな罰を与えるのも理由があった。ボッシュ達が裏で死刑を無かった事にしているのもスパイを使って知っていたし、些細なミスをした従者を王宮から追い出すのも、王宮がクーデーターで血に染まった場合に備えてだった。
王宮の従者を極力減らしたかったジールは暴君と成り果てるしかなかった。

魔力の無い者を地に追いやる政策も、元々、王権の意向に反目する派閥の提案だった。
ダルトンが王宮にいない頃から王宮内部には魔力で格付する差別主義者が多くいた。
ジールが生まれる前から差別体制が作られ
ジールの夫クトはその様な差別体制の中でジールと婚約し王宮に入った。
とはいえ、王族になるというのは死と隣り合わせである為、ジールは最初から浮気等の理由をつけて追い出すつもりだった。

魔法学的にいえば妊娠はセックスをしなくても作れた。危険と隣り合わせの王宮に命を生み出す事に大きな抵抗があったジールだったが、もし子供を作らなかったら、このまま跡継ぎは差別体制主義者に移行してしまい、ボッシュの様に裏で民を救済している者達もいずれ殺されてしまう。そうなれば本当の意味での魔力無き民への弾圧が始まってしまう。

ジールがジャキに冷たく当たり散らしたのも
愛してない姿を見せ、人質として交渉には使えないのだとダルトン派に思い知らせる為だった。

暴君ジール、誰もに気付かれることないが、誰よりも国の未来を考えていた。
ダルトンは誰よりもの保身を考えていた。



ダルトン
「暴君ジールは魔神機で民を危険に陥れる。しかし、それはある意味、私にとっては好都合か…」

ラヴォスが暴走して都市が消滅したとしても、それまでに人々を救出した実績を残せばダルトン自身の権威は保たれる。

ジール王は暴君として王宮からも民からも人望がない。ダルトンが海底神殿の陣頭指揮をとっているとはいえ、国民から見れば暴君ジールの命令に従わされている様にしか見えない。国民は救出実績を作ったダルトンを肯定的に見るはず。



〜念波〜

この時代、自身のメッセージを念にして飛ばせる距離は通常1m以内であるが、増幅装置を使えば不特定多数の誰かにも届けられる。
また念の質、つまりはボッシュの念の識別コードを載せて飛ばせる事もできる。
不特定多数とはいえ、念波を飛ばせる範囲は調節できる。


ボッシュは避難誘導に必要な念を込め、それを念波として使える魔具を沢山用意し、避難誘導に使った。

クロノ達、ガルディア軍もその魔具使った。。

ルッカ
「なんだ…。私、無線機必要かと思って沢山用意したけど不要じゃないの」


ボッシュ
「そんな事ないぞ、魔具は盗聴される心配あるが現代の無線機は大丈夫じゃて。ワシらがラヴォスに攻撃する計画を知られる様なことになれば、ワシらは邪魔されかねんからのう。」

ルッカ
「じゃあ、この魔具を使って直接連絡を取り合うのは危険ね。会話するのは無線機で。ということね。」




マヨネー
「なにこれ? 頭になにか入ってくる。」

ソイソー
「…

ビネガー
「魔神機の実験が失敗して都市が崩れるかもしれない? どういう意味ですか魔王様?


魔王は空を飛んで建物を駆け上がって、下を見た。
地上に避難していく人間達を見つめた。


魔王は地上に降りて、人々が向かう先へと自身も向かった。
雪が降る中、大陸の中央に集まる人々。
魔学的につくられた魔法シェルターに人々が避難している。雪を凌げ、温度も快適に調節された空間に、地の民と天の民が仕切りを作る様に2つに分けてそこにいた。
地の民への差別心を持つ天の民
天の民への恐怖心を持つ地の民
2つがクッキリ区別されるように別けられている。

しかし、天の民の中には少数であるものの、地の民に「心配ないよ」と声をかけたり、天地関係なく、子供同士が遊んでいたりする。
大人達はそれをみて怒ったりするものの、わんぱくな子供達は聞く耳を持たず、しかり疲れするパターンもあった。
羨ましそうに眺める子供、親の言い付けを絶対に守ろうと子供、地の民を虐める子に、それを止める天の民、多様な光景が入り乱れた。

 



「ボッシュ! ボッシュ!」
10日目、嘆きの山に幽閉されたボッシュがサラに救助された。氷漬けにされていたボッシュが解凍されるとゲホゲホと嘔吐した。

サラは魔法でそれを癒やした。

サラ
「大変です。まもなく海底神殿でラヴォスが覚めてしまいます。一緒に止めに来てください!」

ボッシ
「やはり、強行されますか…ですがサラ様が行かなければ丸く収まるのではないでしょうか。

サラ
「今の母上はまるで別人格が取り憑いているかの様です。私の魔力で動きを封じることもできません。

ボッシュ
「まさか!ラヴォス神がジール様を操っておるのか!

サラ
「私がいなくても母上はラヴォスを目覚めさせます。もう私の力だけでは止められません。私と共に一緒に来て下さい。

サラはボッシュを抱えると山を飛び立った。


サラ
「ところでボッシュ、あなたの偽物が街にいるという噂が…、これはどういう…」

クロノ達の避難誘導の噂が王宮のサラに届いていた。


ボッシュ
「なに? ワシが民を下界に避難誘導しとるだと?」 

サラ
「貴方が呼びかけたものではないのですか?」

ボッシュ
「ワシは知らん!
 知らんが…


ボッシュ
「今はそれどころではない!
 誰か知らんが避難誘導をしてくれるというのなら願ったりじゃ。、ワシの偽物は取りあえず、ほおっておきましょう。」




〜海底神殿〜

海底神殿はラヴォスのいる地層へと掘り進める為に建設された。建設業者は普段、最寄りの施設からワープして神殿にて掘削作業にあたる。現在はラヴォス深層まで掘り進んでいて作業者はいない


ジール
「さあ、ラヴォス神よ! わらわに永遠の命をもたらせー!」

ジールが呪文を唱え終えると魔神機が起動した。 
魔神機がラヴォスからエネルギーを吸い込み、ラヴォスが唸りを上げる。


ボッシュ
「遅れてすまん!」

ガッシュ
「ボッシュ、お前、あの山から抜け出たのか!

ボッシュ
「ああ、いまどうなっておるのじゃ?

ガッシュ
「無謀にもサラ様無しで魔神機を起動しおった。あれではラヴォス神が目覚めるのは時間の問題だ。

ハッシュ
「ジール様はバリアをはられていて、近づけん。もはやジール様を止める事は我らにもできん…」

サラがラヴォスの背に乗り魔力を込めた。
ラヴォスが目覚めない様に魔力を注ぎ込む。  

ボッシュはこの時の為に作っておいた赤い剣を取り出して魔神機に刺した。魔神機を破壊できる剣だが、刺してもそれ以上は動かなかった。ジールが魔法をかけ、剣がそれ以上動かせない様にしていた。

三賢者達はジールの魔力に対抗して剣に力を注いだ。

ラヴォスの地響きと唸り声と共に、赤い剣が形を変えた。後の世に聖剣として語り継がれるグランドオンの姿になる。



ボッシュ
「この後じゃ、この後、ワシがタイムゲートに飲まれるんじゃ」