原作アレンジ、クロノトリガー
ラヴォスを倒して未来を平和にしてしまうと、クロノ達は荒廃した未来の世界には行かないシナリオになり、時の最果てにも行かないシナリオになり、これまでの全ての冒険、行動もなかった事になるだろう。
ラヴォスが消失したその瞬間から、この時代でのカエルの活躍も魔王の活躍も無かった事になる筈である。
だがクロノ達は消えなかった。
消えない原因があるとすればクロノ達が今倒したラヴォスは未来を滅ぼしたラヴォスではなかったということ。
古代のラヴォスとは異なるもう一体のラヴォスが地殻に存在していることになる。
クロノ達の役目はまだ終わっていない…
-
ジールがラヴォスに操れているなら、なぜ魔神機を守ろうとしたのか、ラヴォスを封印するかの様に神殿と同化して抱えたのか、この答えを矛盾なく成立させるには、もう一体のラヴォスがジールを操り、ラヴォスに圧力を掛けていた等の理由が必要になる。
たとえばラヴォスはラヴォス同士で互いにエネルギーを奪い合う関係にあり、互いに敵同士だったとする。
知恵の働いたもう一体のラヴォスが地球の裏側からジールを操ったりしたのかもしれない。
そのラヴォスの目的はラヴォスの死か、あるいはエネルギーを使い果たして眠りについて貰う事を希望していた。という設定にしてみた。
――――――――――――――――――――――――――――
■クロノトリガー
-
〜タイムリープ〜
クロノ達はタイムリープに巻き込まれることで結果的にラヴォスを撃退することができた。ロボ、エイラ、ボッシュの犠牲を出したが…
天空都市はラヴォスというエネルギー動力源を失い、落下していくものと思われたがもう一体のラヴォスの存在で天空都市は落下する事なく維持された。
ジールは国民に対して土下座をした。
危険だと承知していながら、計画を強行したこと。
ジャキの人生に多大な迷惑を与えた事を謝罪した。
暴君ではないジールの姿が国民にどう見えるかは様々であるが、ジールは王冠をダルトンに差し出した。
だがダルトンは拒んだ。
ダルトンは言った。
『ラヴォス神を敬い、コントロールできるのはジール様とその一族しかありえません』
『今後はラヴォス神をもっと敬い。我々は謙虚にならないといけません』
ダルトンによる演説で国民は納得し、都市へと戻っていった。
ダルトンは最初から二体目のラヴォスの存在に気付いていたから冷静だった。
〜時の最果て〜
ルッカ
「みんな覚えてる? 光に包まれた私達がタイムリープしたこと。」
マール
「覚えてるよ。私達みんなあれで過去に戻ったもの。ジール国の人々も光ってたし。
ルッカ
「ただ過去に戻った訳じゃなかった。戻る前の記憶もあったし、未来の記憶もあった。
マール
「私達、ジールのみんなも、あの時一度死んだよね…
ラヴォスの光を防ぎきれず、みんな、死んだ。山もなくなるくらいに壊されて、バリアの外は10mの崖ができたみたいになって、全てが無くなって、みんな、みんな、殺された。
ルッカ
「あの時の悲劇をジールの人々が覚えていたからこそ、その後、ジール王国はひとつに纏まってくれた.。歴史の変化にも気を配ってくれて私達が生まれない世界にならない様に配慮してくれた。
マール
「全てはあの光のお陰なんだよね…
ルッカ
「だけど光がなぜエイラ達が死ぬ前の時間に戻してくれなかったのか…
マール
「ロボやボッシュ、エイラには私達、もう会えないのかな…
ルッカ
「私は会えると思う。あの光に時を戻す力があるなら、私達も時を戻せるかもしれない。エイラ達を助けられるかもしれない。その方法があるとすれば、やっぱりあの光しかないと思うの…
ルッカ
「私達、未来に行ってみない?」
ルッカ
「古代ジールが破滅しなかった分、未来は大きく変わったはず、もう一体のラヴォスはジールの人々が抑え込んでたり、倒してくれているかもしれないし、私達の現代も魔族に支配されてないかもしれない。もしかしたら、光の正体も解明されているかもしれない。光の謎が解ければエイラ達を助ける事ができるかもしれない…
クロノ達は未来へ飛んだ。
ゲートを出ると、そこは博物館になっていた。
古代の魔法文明と人間の科学が融合した果てにできた超高度文明の歴史を辿れる博物館ができていた。
グランドリオンが展示されていたり、蟻より小さいのスパイロボが展示されていたり、目玉の展示物にはタイムマシンがあった。
意識のみを過去の自分へとダイブするタイムリープマシンから始まり、三人乗りの小型のタイムマシン(シルバード)から、旅客機の様なタイムマシンが開発の歴史順に展示されている。
だが、どのタイムマシンも過去にはいけるが、世界に干渉できないという代物だった。
過去の世界を見たり聞いたりできるが、決して世界のものに触れることができない。また過去の時代の人からも、こちらの存在は見えず触れられない。
タイムマシンは過去は変えられず、未来は変えられれるというルールがあった。そのルールは作ったというよりも、科学の超えられない壁の様なものであるそう。
光のタイムリープ現象も展示されていたが、レプリカであり、正体不明であった。
未来人はこの謎を追い求めるべく、地球を離れ、宇宙へと旅立っていた。
この博物館はジール王国を救った英雄を記念しても作られていて、時の最果てに続くゲートも展示品の1つとして守られていた。
マザー
「…とういうことで、分かっていただけましたか?」
マザーは未来のAIシステムであり、この時代にクロノ達が来ることを予めタイムトラベルして知っていた。
マザー
「貴方達が歴史を変えたおかげで私は生まれた様なものです。わたしは貴方達が来ることをずっと待ちわびていました。」
「ですが、私は、とても言いにくい事も告げなければいけません。それは私に最初からインプットされた事柄で、私はその為に作られたともいえます。
皆さんはラヴォスをご存知ですよね? 世界を破滅に導く存在、その中身が私にインプットしたのです。
ラヴォスの中身が人型をしているのは、皆さんご存知だと思いますが、ラヴォスは知的生命体であり、人間でいうところの赤ん坊の様な存在です。超高度文明を用い躾けなければ、世界を破滅に追いやる存在ですが、教育すれば、人と共に生きていけます
ラヴォスは宇宙の壁にある穴からきます。ブラックホールとは真逆の白い穴から、やってきます。
その白い穴にはブラックホールと逆の反重力性があり、近づくことができません。現在でもその先は未解明のままであり、私達の祖先はその謎を追うべく、宇宙の壁を調査研究しています。
問題が発生したのは多くの人間が宇宙に旅立ったことで、地球を監視、監督する者が不在になったことです。奇しくも、この世界も皆さんが未来で見たのと同じ、人間が存在していない世界になっています。
唯一存在するのがガッシュで、彼はラヴォスを教育する事に成功した最初の人でした。彼は古代でラヴォスゲートに飲み込まれこの時代に来たあと、ラヴォスに同情しました。
作品名:原作アレンジ、クロノトリガー 作家名:西中