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原作アレンジ、クロノトリガー

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当時、スペインを除く多くの国では第一次世界大戦の名残りで、軍国強化の道に舵を向けていた。その為、国力を示す人口統計を国防の観点から公表せず、唯一、中立平和を宣言するスペインだけは積極的にウイルスによる死者統計を発表していた。識者は世界にウイルスの脅威に晒されている事をスペインの新聞、ラジオ等を通して知る事になる。

僅か二年の間に世界中で1億人以上の死者を出したウイルスであるが、死者の多くは若者であった。

体力のある若者から死んでいく未知の流行り病
当時の人々がもし熱心に情報を集めていたら、30年後には人類は滅ぶものと想定していただろう。

クロノの祖先もその脅威を例外なく受ける立場であり、母船に救援を要請した。

未開惑星保護条約に沿って、クロノの祖先はその遺伝子に伝染性の高い、抗体増殖ウイルスを入れる事で対応した。

抗体ウイルスは、クロノ一族の身体を通して人間の間で飛び火する様に伝染し、人々はウイルスを克服するのだが、クロノの祖先にとってはまだ地球の問題は山積みだった。

惑星保護条約では戦争を止める事はできない。
絶滅するような自然災害や人災以外は手を貸してはいけないというルールの元、クロノ一族は地球に住むのを諦め、別の星に移住をした。クロノの先祖、一人だけを残して。

クロノのひい婆ちゃんは、地球人の男と恋に落ちガルディアの地に残った。
ひい婆ちゃんの記録は殆ど残されていない。
クロノの母ジナが子供頃の事をすこし覚えているくらいで、天真爛漫で明るい人だったということくらい。

クロノ達は未来の博物館に展示されているタイムマシンを使い、クロノ一族の歴史を垣間見ることができる。

だがマールを助けにクロノ達が消滅した歴史については観測する事はできない。


マール
「ね? せっかくだから私達、クロノの故郷惑星に行ってみない? エイラ達も助かったことだし。

ルッカ
「宇宙船が必要になるわね。マザー、宇宙船は貸して貰えるのかしら?


マザー
「宇宙船は必要ありません。館内に設置されているテレポート装置に乗って頂ければ。

ルッカ
「マザー、宇宙船に乗って行くのがロマンというものよ。

マザー
「では危険が及ぶ事を想定して、こちらを…」

マザーはタイムトラベル機能付きの宇宙船をクロノ達に与えた。





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――――――――――――――――――――――――――――

■赤髪一族、ゼータ星人



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宇宙船内の装置を操作し、クロノの祖先、ゼータ星に座標を合わせるルッカ。
設定を終えると自動で目的地に連れていってくれる。

「いくわよ、惑星ゼータ」

地球から勢い良く飛び出した宇宙船、光の速度を超える。

宇宙空間に飛び交う沢山の星の光に大量に衝突する格好になり、宇宙船の中から外の光景は眩しくて何も見えなくなる。

天の川銀河、地球から1527光年先に惑星ゼータがある。

ゼータに近付くと光るライン。光るヒモの様なものが無数に絡んでいた。
ヒモは宇宙船の進行を邪魔するでもなく、惑星ゼータを丸ごと覆いかぶさる様にグルグル巻きにされている。

クロノの先祖の故郷、惑星ゼータはラヴォスによって滅亡した。クロノ達が想定していた滅亡の具合はDC2300の様なものであったが、惑星ゼータを襲ったラヴォスはクロノ達が知る星に巣食うラヴォスとは形も色も大きさも異なっていた。
透明かつカラフルな虹色をしたもの。目がなく、口が大きく、ある種の鯨の様な形をしていてる。宇宙をフワフワと泳ぎ、惑星ゼータは巣食われたというより、その鯨様生物に飲み込まれていた。
惑星ゼータはバラバラにくだかれ腹の中にあり、人は住む事はできない。

このカラフルな生物もラヴォスと同じ様にエネルギーを抽出されていた。
このラヴォスは、あたかも魚の生簀の様な形をした籠のバリアに閉じ込められている。籠の直径は凡そ140万kmで地球を照らす太陽と同じくらいの大きさ。ラヴォスの直径は13万5421kmで木星くらいの大きさである。

生簀を監視する人口惑星。そこにクロノ達はいた。

生簀と人口惑星は地球文明によって作られ、監視しているのはゼータ人だった。




ゼータ人「よくぞお越しくださいました。我々は貴方達の到着を心待ちにしていました」


マール「な、なんで来るのが分かって…

ゼータ人「我々は未来予知ができる様に改造されてます。皆さんが来ることは4年前から把握していました。

ルッカ「よ、年前…。しかも未来予知…

マール「か、歓迎してくれるのは有り難いですが…

ゼータ人は喜びのあまり踊り回転している。高速で前や後ろに回転していて落ち着きがない。

「ラヴォスに一矢報いて、今のゼータ人がこうしていられるのは地球人、つまりクロノ様方のお陰であります。しかもクロノ様は、我々のご先祖様でもあります。どうか皆さん、おもてなしをさせてください。」

ゼータ人のもてなしはクロノ達の常識を超えていた。

『クロノ様御一行専用遊園地計画』

計画は4年前から始まり、建設に着手されていた。

ラヴォスの生簀の中にある総合遊園地。メリーゴーランド、観覧車、ジェットコースター等。
クロノ達がここへ来る際に目撃した光るヒモ状のものはジェットコースターのレールであった。

各乗り物はラヴォスの攻撃を予測して避ける様にプログラムされていて、ラヴォスに食べられそうで食べられないスリルが味わえる。

ゼータ人お勧めの見どころはジェットコースターで、ラヴォスを避けると見せかけて最終的に食べられてしまう。
安全性は保証されているものの、所見でやると死んだかと思うようなドッキリに巻き込まれる。

クロノ達がもてなしをされている頃、地球の衛生である月の内部から信号が飛ばされた。信号はクロノ達がラヴォスを倒す前の時代へと送られ、クロノの脳内を書き換える。

ラヴォスが目覚め、エイラやボッシュ、ロボが殺される前の時点のクロノに司令が送られる。

光る現象、タイムリープが起きるかどうかの再現実験が行われた。

この実験にはエイラの存在が深く関わっていた。クロノ達の先祖にあたるエイラ、そのエイラが死んだにも関わらずクロノ達の存在は消えなかった。

エイラが死ねば古代の多くの血筋に変化をきたし、歴史が大きく変化するはずだった。ジール王国は存在せず、古代の世界の姿が全く違う形になる可能性が高い。

エイラを生かした場合にも同様にタイムリープ現象が起こるかどうかの検証である。もし起こらなければ、タイムリープの現象にとある仮説が成り立つ。



〜B.C12000〜

魔道兵器がラヴォスに破壊され、ラヴォスの目からレーザー光が発射される直前、クロノが刀を投げた。
「今すぐ逃げろ!」

刀がラヴォスの目に突き刺さり、その隙に全員がテレポート装置まで走り脱出した。

ラヴォスの光は古代人のバリアシェルターを貫き、多くの人々を死滅させた。

メンバーも同様に攻撃を避けきれず死んでいく。