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■クロノと古代人トリガー(改稿)

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ルッカはスペアの眼鏡を取り出してかけた。

ルッカ
「クロノ、ちょっと先行って見てきてちょうだい」

ルッカ
「男なら言われる前に率先して行動するものよ。」

クロノは息を止める用に、小さく息をしながら走り出した。少ししするとコンクリートの地面、道路を見つけた。
息をすると口に砂埃が入る。
息を止め道なりに進むと、遠くに建造物が見えた。
息を止めて走って辿りつけるかは微妙な距離。ルッカのメガネ問題を考えると、手をとって連れて行くには無理かありそう。

クロノは一旦、二人の元へ戻って事情を説明した。

ルッカ
「私は大丈夫よ。ヘルメットをマスク代わりにするから。」

マール
「私も大丈夫。袖をマスクにするから。」


三人は道なりに進んだ。


砂埃による遠近感でクロノは錯覚していたが、建物は息を止めて走って行けるような距離にはなく、3km程離れていた。

先程と同じく、ドーム型の施設であるが、大中小、幾つも施設が複合してできてる。大きさも先程の数十倍の大きさはある。
先程と同じく階段があるものの、雨風を凌ぐようにバリケードで塞がれている。バリケードといってもビニール状の様な簡易的なものである。
誰か人が住んでるかもしれない。

クロノ達は階段を登ってバリケードの奥へと行った。

みすぼらしい姿をした人々がクロノ達を一斉に見ていた。

「お、まえさんたち、どこからきた?」
老人の一人が声をかけてきた。
ここから南の方角からだと応えると
「ここから南? あそこは設備も壊れて物資も全て無くなっとるはず。そなた、どうしてそのところから」
顔色と身なりの良いクロノ達をまじまじと見つめる人々。

マール
「一体何かあったんですか?」

人々は、期待を裏切られたようにがっかりした。気の抜けた表情のまま座ってうつむいた。
栄養失調。マールの質問の意図を理解することも、また応える元気も無いようだった。

「てっきり、そなたらが物資の豊富なシェルターにて、我らを救援に来てくれたと思ったんじゃが…」

マール
「食べ物がないの? 全く?」

「あると言えばあるんじゃが…」

老人はフロアの奥の方を指さした。

「ドーム内の設備が故障していて、セキュリティシステムが作動しているんじゃ。その先に、恐らく食料物資があると思うんじゃが…」


マール
「ねえ? クロノ、私達でとってきて挙げましょうよ。

ルッカ
「そうね…みんな体を動かせる状態じゃないみたいだし…


フロアに入る者を察知して、レーザービームで攻撃してくるドローンが少なくとも2体。当たったら火傷するレベルであり、何らかの防護服が
なければ先へ勧めない。
仮に防護服があってももう一体の巨大な機械が奥に一体待ち構えてる。縦5m横が5mはあろう機械が奥への道を完全に塞いでいる。
どの様な攻撃をしてくるのか考えるだけでもぞっとする。

ダッシュでレーザービームを避けても、あの大型機械をなんとかしないといけない。

クロノ達はサラ達から教わった魔法を使ってみるも、どういう訳か魔法が飛び出さなかった。

マール
「おっかしー、、どういう事だろう?

ルッカ
「魔法がどいった仕組みで使えていたのか不明だけど、この世界に魔法を使えなくさせる原因があったりするのかも


クロノ達は情けなくも諦めるしかなかった。
シェルターに残される人々が気になりながらも、話しかけるのもままならない空気。

「ええんよ、ええんよ、無理せんでも…」

老人はクロノ達を気遣った。

マール
「このドーム以外にも人はいるんですか?」

「なんとも言えんのう。北の廃墟を抜けた先には人がいるかもしれんが、あそこは不良の溜まり場になっているから、行くのは危険じゃぞ」


不良の溜まり場とはいえ、食料も得られない荒廃した世界では敵ではないだろう。不良に恐れるクロノ達ではなかった。




「おい、俺様をナメてると轢き殺すぞBABY

不良のリーダーは下半身とバイクが合体している。いわゆるサイボーグだった。
このサイボーグの舎弟達と思われるのが10人以上いて絡んでくるが、舎弟達はロボットそのものだった。音声機能はなさそうで言葉は発しないが、視線で睨んでくるのが判った。
鋼鉄の硬いフォルム、戦っても無駄な争いになるのは一目瞭然だった。


ルッカ
「興味深いわね。意識体をそのまま機械の中に入たのね…。電波でコミュニケーションをしているから音声会話の必要性がなく、その分のシステムが簡略化されているのね…」

ルッカはジロジロと不良ロボットを観察していた。


ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!

 この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」


ルッカ
「私達、聞きたいことがあるのだけど、今って西暦何年なの?」

ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!

 この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」


ルッカ
「……この世界が荒廃しているのは一体なんで?


ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!

 この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」

ルッカ
「あんたバカなの?


ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!

 この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」

ルッカ
「どうやらこいつらはロボット暴走族ね。何が原因かは知らないけど、レースを強要することに目的を見出しているみたい。」

クロノ達が無視して廃墟に進もうとすると通せんぼして、ブーブーサイレンを鳴らしながらタックルしてくる。地味に痛い


ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!

 この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」



勝負する場合、クロノ達にバイクを貸してくれるという。
廃墟を抜けるまでのレースであり、勝っても負けても向こう側に行く目的を達成できる。

マール
「どうしたのクロノ? バイク貸してくれるってよ?」

マールはバイクに乗った。三人乗れる大型のバイクで車の様に窓が付いていた。砂埃を心配する必要はなさそうである。



ー廃墟を抜けてー

ジョニー
「どうだ? 風をきって走る感覚は最高だろー」

廃墟は元々はビル群地帯だったのか、砂地の少ないとこで、思った程砂埃はなかった。

ジョニーに再度話しかけるもさっきと同じようにオウム返しされた。


マール
「なんだったんだろ、あれ」


クロノ達は数キロ先に工場らしき建物と更に数キロ先にドーム城の建物を見つけた。

ルッカ
「あそこまで行くのはちょっと面倒よね…」

マール
「さっきの車、盗んじゃう?

ルッカ
「言い忘れてたけど、あいつら武装してわよ。ビーム砲が出せる様な筒あったし…」


クロノ達は工場らしき建物に向かった。

砂荒らしに紛れてベルトコンベアーや機械音が
が聞こえてる。
ようやく辿りつくと、入り口の扉は閉ざされてる。
無理にこじ開け様とすると警報音がなり響き、ロボットが何処からともなく現れて襲ってきた。
さっきのジョニーの連れてた部下ロボットに機種が似ていると気付いた頃にはビーム砲が飛んできた。