■クロノと古代人トリガー(改稿)
「ロボ、貴方なぜ戦わなかったの?
ロボ
「私は兵器ではありません。戦う様にはプログラムされてません。
ルッカ
「でも逃げることばできたでしょう?
ロボ
「仲間なので話しあいをしました。話しが通じないので途中で動かないふりをしました。そうすれば直ぐに攻撃も終わるかと思いました。
ルッカ
「それでまた断線したのね…
ロボ
「横に殴られたり、前から殴られたりするのは問題ありませんでしたが、ゴミ箱に逆さになるのは致命的な様でした。
ルッカ
「というより、寿命ね。貴方の体あちこちに錆だらけで、いつまた断線して停止してもおかしくなかったから。一応、フルメンテしといたから。次からはちゃんと戦いなよ。
ロボ
「いえ、私には破壊活動はプログラムされてません。
ルッカ
「時と場合によりけりよ
ロボ
「時と場合?
ルッカ
「貴方ね、あの分厚いシャッターにも耐えられるのよ。
ロボのフレームは汚くて古いけど、品質が良い。なぜ、スクラップされずに保管されてたのか気になったけど。きっとレア度が高いから持ち主は捨てられなかったのよ。つまり、それなりのロボスペックが高い。もしかしたら戦闘様ロボにもなれるかもしれないのよ。
ルッカ
「ちょっと試しましょうか。
ルッカはドーム内にいるセキュリティロボットにちょっかいを出した。
「ほら、ロボ。このままだと私殺されてしまうわ。私が死んだら誰か修理してくれるの?」
ロボは動かなかった。
「スイッチを切るわよ」
素直に切られるロボ
マール
「ルッカ駄目だよ。先ずは友達にならないと。
友達がピンチなときは友達は助けるんだよ。ほらロボ、私達、友達だよ。
ロボ
「友達…インプットされました。
マールもセキュリティロボットを挑発した。
ロボは戦って勝利した。
ルッカ
「人が矛盾をはらむ様にロボットも矛盾をはらむ生き物なのね…」
ロボいじりに夢中になってて忘れていたな、クロノ達は施設内に電力が供給されていた事を思い出した。
クロノ達はコンピュータを起動した。
ロボが操作し、データベースノアXYという画面が表示された。
ロボ
「現在、西暦2300年です」
クロノの達は荒廃した世界の原因を調べた。
その原因がラヴォスにあると知った。
マール
「え? ラヴォス? たしかサラさん達がラヴォスの生み出したタイムゲートで飛ばされてきたって、言ってたよね?
ルッカ
「そうよ、、魔神機でラヴォスを目覚めさせてしまってその後国がどうなったのか心配していた。
マール
「じゃあ、サラさん達がいた国もラヴォスにやられて…
ルッカ
「かもしれない。断言はできないけど、ジール王国の痕跡が歴史に残ってない事を考えると…
マール
「早く戻って教えてあげないと!
ルッカ
「まって! 私達が急いで戻ったところで、済んでしまった歴史は変わらないわ。
マール
「そんな…」
ルッカ
「私は今はこの時代、2300年の人達が気になる…。彼らは餓えている。今ならロボという強い味方もいるし、倉庫に配備されているセキュリティロボを倒せるかもしれない。
クロノ達はこれまで来た道を戻り、北の廃虚のまでやってきた。
ジョニーは相変わらず元気で、今度は4人乗りの車を用意してきた。
ロボ
「みなさん、お勤めご苦労さまです。」
ジョニー
「おうよ、そちらこそお勤めご苦労!」
これがロボ同士の挨拶のしきたり?なのか、三人もロボを見習ってあいさつした。
〜ドームシェルター〜
小型のセキュリティドローンは2体はロボがパンチを浴びせて一発だった。だが、2体を倒しても直ぐに奥から新たに2台あらわれる。
奥にいる大型のドローンが2体のドローンを常に配備する様に司令を出しているのか。
隙を見て奥の大型ドローンにパンチやタックルをするものの、びくともしない。大型ロボットもロボに体当たりをするが、互いに一歩も引かない。
しかし大型ロボには弱点があった。一応はドローンであるから、ヘリコプターの様なプロペラ機が取り付けられている。
プロペラ関節部分を攻撃できれば、バランスを崩して勝手に自滅しそうだった。
マールのボウガンを打ってみるが効果は無かった。
ルッカはロープを探した。ボウガンの矢にロープを巻いて飛ばせば、倒せる気がした。
「ロープくらいいあるよ」
ドーム内の爺さんがロープを持ってきた。
爺さんはロープを矢にくくった。
ロープはプロペラに絡まり、ドローンはたちまちバランスを崩し始し自壊した。
「やったぞー! 若いのががやってくれだぞ!
ドーム内に歓喜が湧いた。
希望を失っていた人々が地下の様子を見にくる。
「あんちゃん達ありがとう!」 「ロボすごいーい!』
人々は我先にと倉庫を調べた。
しばらくすると歓喜が止んた。
湿気やカビで、食べ物は朽ち果ていた。缶詰めもすらも駄目だった。
何十年以上、手付かずのまま放置されていたのだろう。
唯一無事だったのは野菜や果物の種だった。
「ワシらはもう諦めておった。生きることをだ。しかし、、こいつらは諦めなかった。誰かに植えられる事をここで待っておったのだ。」
老人は子供達を見ていた。
絶望した世界で子孫を残す様な下らない親の存在、あるいは止むなく出産するしか選択肢の無かった哀れな女性。
現代人からすればこの世界に住むのは苦行でしかないだろうが、子供達は植物の種に興味津々
だった。
無いのが当たり前の世界で、そこで生まれた者にとっては
一粒の種ですら価値が尊い。
クロノ達は彼らを自分達の未来の子孫なのだと必死で認識しようとした。
彼らが不幸だという同情ではない。
中世時代の様にこの未来と歴史を変えられるかもしれない。
でも過去を変え、未来を変えたら、彼らの今この瞬間の笑顔も、全て存在しないことになる。
クロノ達が過去を変える価値と彼らの価値とを天秤にかけることは決してできない。
しかし、過去を変えるというのは、今時点の未来を否定し、天秤にかけていると同じく、比べる無礼をする行為の様に思えた。
要するにクロノ達は怖気づいた。
過去を変えるなんて未来人からすれば「遠慮はいらないからやれ」と言うだろうが…
ー謎の扉ー
倉庫の奥にには扉があった。
開かずの扉でクロノ達はなぜ開かないかわからなかった。
ドームの人々も試行錯誤をした。
ルッカはロボをチェックした。ドローンと戦って大きなキズは見あたらなかった。ロボ自身、加減していたのかもしれない。
帰る為のゲートホルダーもチェックした。
ひとつと壊れても代りになるものを用意しているルッカ。ゲートの安全性を調べる探査カメラにも異常がないかチェックした。
カメラにはゲートホルダーの機能があり、スイッチが入るか確かめる。
ルッカがスイッチを入れた瞬間、ゲートホルダーが光を放った。
突然の光で驚くルッカ。まちがってカメラのフラッシュボタンを押したのだと思い、ゲートホルダーのスイッチを押した。しかし、また光った。
ルッカが困惑している一方で、人々の騒ぎが聞こえた。
扉の前に人々が集っている。
ルッカがゲートホルダーのスイッチを押す度、扉が光る。
作品名:■クロノと古代人トリガー(改稿) 作家名:西中