■クロノと古代人トリガー(改稿)
ゲートホルダーの機能と扉が共鳴し光あっていた。
「何これ、どういうこと?」
恐る恐る扉にゲートホルダーを近づけると、閉ざされていた扉が開いた。
どういうわけか、タイムゲートをこじ開ける為の周波数パルス波に反応して扉が開く仕組みになっている様子。
「扉の先はタイムトラベラーのみが入れ。という意味なの?」
ルッカはつぶやき奥の部屋に入った。
部屋には何もない。人が数人程度しか入れない狭い空間だった。しかし、そこは明らかに時空の歪みが見られた。
ルッカはクロノ達に集合をかけた。
どうやら未来人の中にもタイムトラベラーが存在したこと。この時空の先に何があるか確かめなければいけないことを説明した。
安全性を調査する為にルッカはゲートにシャッター予約をいれたカメラが吸い込ませる。しばらくしてロープを手元に戻す。
ゲートの中の奥をカメラが撮影しても何も映らなかった。
今までは問題なく何かが撮影できた。
「私の出番ですね」
ロボがゲートホルダーを手にとった。
クロノ達は不安が過ぎったが、先を知りたい好奇心もあった。
ロボはゲートに吸いこまれた。
ロボはゲートの先で生きてるのか死んでいるのか、
3分程経過し、ゲートが開きロボが戻ってきた。
「不思議な場所でした。ゲート先にいくつものゲートがあって、いろいろな時代に繋がっているのです。」
クロノ達は戸惑いつつも、頷いた。
マール
「ここからなら、ドームの人々を連れていけるよね? 弱っていて動けない人も皆連れてけるよね。」
ルッカ
「それいいわね。過去の時代に行けば食料に困ることなんてないんだし」
ー時の最果てー
ゲートを抜けた先に部屋があった
部屋の中にはいくつかのゲートがあり、部屋の縁から見える外の景色は無限に続く黒の世界。
部屋には扉があり、その扉を空けると、もう一つ部屋がある。
部屋の真ん中に黒いスーツをまとった老人が鼻ちょうちん膨らませながらスヤスヤと寝ていた。
マール「もしもしー
マール
「ここは一体なんですかー
花ちょうちんが爆発した。
「おや、こんなところに人がくるなんて珍しいのう。
ここは時の最果て、まあ、ゆっくりしていきなさい。」
ルッカ
「え? それだけ。時の最果ての説明は?」
老人は答えなく、また深い眠りについた。
マール
「どうするクロノ? 叩き起こす?」
時の果ての人
「そうじゃ。お主ら行く前にそこの扉に入ると良いよ。」
そう言って、老人はまた眠り始めた
クロノ達は扉を開けた。
部屋の中央に小さな生き物がいた。
「お、久し振りのお客さんね。僕の名前はスペッキオ。スペッキオの周囲を壁にそって3回まわると良い事が…ってあれ? 君たちもう魔法が使えるの? だったら後は練習だね。頑張って」
マール
「あなた魔法を知っているの? もしかしてジール王国とか知ってる?
スペッキオ
「ジールおうこく? スペッキオ、難しいこと判らない…
スペッキオも部屋の外にいる老人も呆けていて、まともに会話が成立しなかった。
クロノ達は諦めてゲートを調べることにした。
ゲートはいくつかあり原始時代へと繋がるものもある。クロノ達が注目したのは『ホテルリゾートへけらん』へと繋がるゲートだった。
クロノ達はまだ知らなかったが、中世で魔族と人間の融和が実現し、現代のへけらんの住処である鍾乳洞は人気の観光スポットになっていた。
目玉のアトラクションは渦潮で、鍾乳洞の奥の渦潮に潜ると、隣の陸地(ルッカの自宅近辺の浜辺)まで、あっという間に連れて行ってくれる。この天然のウォータースライダーは世界中で人気があり、へけらんリゾートの観光収入はガルディア東部を潤わせ、現代でホテルが乱立するビジネス競争時代へと突入している。
ゲートはホテルのロビー行きで、クロノ達は現地のパンフレットを片手に、へけらんリゾートを楽しんだ。
○
クロノ達は中世のガルディアに来ていた。
サラ
「まあ、クロノさんにマールさん、ルッカさんお久しぶりです。それから貴方は…」
ロボ
「はじめまして、ロボと申します。
ジール
「鉄の生き物が喋っておるぞ
マール
「未来のロボットなの。
ジール
「千年祭での歌う奴といい、人間はなかなか凄いものを作るな。
マール
「あれはルッカが作ったの。ゴンザレスっていうの!
ルッカ
「まってマール、話がそれてるわ。
マール
「あ、そうだったごめん!
クロノ達は未来の世界がラヴォスに滅ぼされていた事を説明した。
サラ「え? 未来の世界が?」
ジール
「まさかラヴォス神がそんな事を…わらわはその様な危険なものに縋ろうとしていたのか…
サラ
「お母様、だとしたらジール王国の民たちは…
ジール
「信じたくないが、この時代の歴史に我らの歴史の記録が欠片も残ってないことを考えると…
サラ
「クロノさん私を未来まで連れてってくれませんか? この目でラヴォスの被害を確認させてください。」
ジール
「まて、お前はこの時代で魔族と人間を束ねる仕事が残っておるだろうが。戦争は終わったとはいえ、あくまで名目上のことだ。わらわ達が今この地を離れる訳にはいかん。
言い争っているとボッシュが名乗りをあげた。
ボッシュはサラやジールと比べると戦力が遥かに劣っていた。
〜時の最果て〜
ボッシュ
「こ、この気配はまさか!」
ボッシュは周りを見渡すと走りだし、扉の先にいる時の案内人の元へと走った。
ボッシュ
「お、お前さんハッシュか?」「よく生きておった。」
時の案内人
「はて? お前さんは一体…」
ボッシュ
「何を訳の分からないことを言ってるのじゃ!
ワシじゃよ! 弟のボッシュじゃ。
お前さんあれからどうなった? ワシがタイムゲートに飲まれた後、お主もタイムゲートでここに飛ばされて来たんか?」
時の案内人
「はて? 弟…、ゲート? ワシは、時を彷徨う者を人じゃが…」
ボッシュは気付いた。この空間全体からハッシュの魔力を感じる事を
ルッカ
「どうしたのボッシュ? 貴方顔色悪いわよ?」
ボッシュは思った。ラヴォスが生み出したタイムゲート、ハッシュが飲み込まれた先に恐らく出口は無かった。
時の狭間で永遠と彷徨い、肉体が朽ち果てる前に、せめて同じ様な被害者を出さない様にと、魔力空間を作り出した。時の中を彷徨う者を集め、案内する仕組みを作ったまではいいが、自身の記憶までは残せなかった。
スペッキオは飲まず食わずでも千年生きれる特殊生物。主人であるハッシュがこうなって、さぞ、寂しかったに違いない。
スペッキオ
「大丈夫。世話をしてくれる人がいた。もう100年くらい来てないけど。」
ボッシュ
「一体誰がお前さんの世話を」
スペッキオ
「ガッシュ!」
ボッシュ
「本当か! ガッシュがここに? ガッシュは今どこに?」
スペッキオはガッシュがやってきたゲートを指差した。
スペッキオが差したのは原始時代へと続くゲートだった。
「ここから良くごはんを持ってきてくれた。その後、こっちのゲートを良く通ってた。」
作品名:■クロノと古代人トリガー(改稿) 作家名:西中