■クロノと古代人トリガー(改稿)
ボッシュはプテラに酔ってゲロをほんの少し飲み込んだ。
全員が城に入ると門が閉じて鍵が掛かった。
ボッシュ
「どういうことじゃ?」
ルッカ
「え? まさか自動ロック?」
マールとルッカが反作用ボムを使い、ロボがタックルしてみるがビクともしない。
ルッカ
「これが原始の科学技術なの? これってもしかして私達の時代よりも上なんじゃないの?」
マール
「恐竜人って一体何なの? 魔法使える様になったけど、自信なくなってきた。
ボッシュ
「気をつけるんじゃ。こんな丈夫な扉を作れるのなら、きっと武器等も作れるじゃろうて。」
5人が玄関でもたついているとエイラが立っていた。
エイラは既にキーノを救出していた。
エイラ
「どうしたんだ皆?」
ルッカ
「閉じ込められちゃったの…」
ルッカ
「恐竜人を探して開けて貰うしか無いわね…」
一行は城の奥へ進んだ。
現代にもまだ存在しないエレベータにクロノ達は驚きつつ、城の上階へと進んでいく
最上階から向かいの塔へと渡り廊下が続く
ルッカ
「変ね…恐竜が待ち伏せしているかと思ったけど、誰も居なかったわね…」
マール
「ティラノサウルスみたいのが出たらどうしようかと思ってたけど、出てこなくて良かったよ。」
ボッシュ
(ワシはゲロが出なくて良かったよ…)
渡り廊下の先ではアザーラが空を見上げていた…
★
アザーラはエイラを見ると、「少し早かったか」と呟き、塔の奥へと消えた。
しばらくすると、アザーラは巨石型のティラノサウルスの背に乗り現れ、エイラ達に向かって突進してきた。
廊下を埋めつくす程の巨体が、もうスピードで突進してくる。
反応の遅れたルッカとマール。
エイラが端に押し出してかぶさる。
地響きによろけたボッシュ。キーノが押し出して被さる。
ロボは立ち尽くし、クロノは巨石の足元にすべり混んで避けた。
ボウガン、ハンドガン、魔法で巨石に攻撃を加えるが全く効き目がない。
突進を繰り返すので、アザーラを魔法で狙うにも座標が合わない。
エイラは口笛を吹き、プテラが橋に近づくも、巨石の突進で誰一人乗る事ができない。
プテラは上空を旋回しながらエイラ達の攻防を見守っていた。
エイラは口笛を橋の下に向けて吹いた。
プテラがその意図を理解して、橋の下からクロノ達を受け止めようとする。たが巨石の吐く火でプテラ達は上手く立ち回れない。
突進しながら下に向けて火を吐くティラノサウルスは、首を下に伸ばしている。
その首にエイラが飛び乗り、アザーラに拳をぶつけた。
アザーラは吹っ飛ぶ事なく耐えた。
アザーラの周りには見えないバリアが張られているかの様にエイラの攻撃が届かない。
何度もパンチを加える。
エイラが驚いているとアザーラはニヤリと笑い、エイラを振り落す為ティラノを回した。
エイラがよろけて落ちそうになったが、
キーノが直ぐ後ろにいて支えた。エイラはパンチに夢中でキーノが後ろにいた事に気付かなかった。
「エイラ一人で無茶する。ダメ。」
二人は振り落とされない様に龍の背にしがみついた。
エイラ
「アザーラ! そこから出てきてエイラと勝負しろ!」
エイラ
「大地のおきて! 強いものが正しい! アザーラが言った言葉だぞ!」
エイラ
「隠れてるのは卑怯だそ!」
エイラが話している隙にプテラがクロノ達を助けようとするが、いつまた突進されるのか分からない中でプテラ達も尻込みしていた。
エイラ
「恐竜人、人間の言葉話せるのアザーラしかいない! アザーラ、どうして人間の言葉を話せるのに人間を襲うんだ!」
エイラ
「何故、人間と恐竜人、戦う必要がある!」
エイラが喋ろうとするとキーノが立ち上がった。
キーノ
「ずっと疑問に思ってた。
アザーラ、なぜ僕を殺さなかった。
僕をエサにして、城に皆を閉じ込める目的なら、僕を生かしておく必要なんて無かった筈だ。
それに…
僕達を殺すなら、なぜ、城に恐竜人がいないんだ。
アザーラ、君は最初から僕達を殺す気なんてなかった。
今だってそう。僕をいつでも振り落とせるのに君はやらない。
なぜなんだ?
君は僕達に何をさせたいんだ。」
アザーラ
「させたい?だと…」
アザーラ
「お前たち無力な猿に何ができるというんだ…
何もできない。何もできないんだ…」
キーノ
「キーノ分からない。エイラ、キーノも恐竜人と闘いたくない。戦わないということ、できる。
エイラ
「そうだ! アザーラが恐竜人、みんな、説得してくれれば、エイラもエイラの村のみんな、喜ぶ。」
アザーラは空を見上げた。
エイラ
「アザーラ、話しあおう!」
「まだ…見えないか…」
エイラの言葉にアザーラの声がかき消された。
エイラ達が「何が見えるのか?」と聞き返したのであればここでのクロノ達のシナリオも大きく変わったのかもしれない。
エイラ達の会話のやり取りの隙にボッシュとマールとルッカがプテラに救出された。
それを見たアザーラはティラノでクロノ達に突進、噛みつき攻撃をした。
苦労して寸前で交わすクロノに対して、ロボはティラノの動きを計算し、ちょこちょこと無駄のない動きで避ける。
ティラノには首輪がついていた。
鎖は繋がれていない。根本から30m程あり、ズルズル引きずっている。
クロノは塔の中に鎖を繋ぐ杭の様なものがあると考えた。
鎖を繋げたらと考えたが、重くて持てる代物ではない。
案の定、どうにもする事も出来ず、杭のあるフロアで逃げ惑った。
アザーラはどうやって重い鎖を外したのか。
クロノは奥の部屋へと逃げた。
奥の部屋は狭まっており、ティラノは入れない。
クロノは一先ず助かったと息をすると、目の前に椅子とモニターの様なものを見つけた。
椅子もモニターも石で作られてる様なデザイン。
座ってみるも座り心地は悪くない。
恐竜人のコンピューターだろうか、未来で見た形とも違い、スイッチがない。画面に触るも何も変化がない。
画面には隕石が大地に衝突する光景が繰り返し映っていた。
現代では隕石についての知識がまだない。クロノは映像が何を意味するのかこの時は分からなかった。
巨石龍は渡り廊下へと戻っていた。
既にロホもプテラに乗り込んでいる。
プテラ達はエイラとキーノ、クロノを待つ為に旋回している。
巨石龍は廊下の中心にて止まり、アザーラは空を見上げていた。
静かになったアザーラにプテラが近づこうとするが、罠と思い、近づけないでいる。
エイラがこれまでとは違う口笛を吹き、キーノに合図を送ると、二人は大きく飛び、橋から飛び降りた
プテラは急降下して、二人を受け止めた。
クロノが鎮かな渡り廊下を不思議に思い恐る恐る覗こうとすると、マールが叫んだ。
クロノも飛び降りる様にと。
エイラもキーノも飛び降りたから、大丈夫だという。
クロノは高さにビビった。いつ襲ってくるか分からない巨龍も恐れた。
不安と不安が入り交じる中で、ロボのセンサーがラヴォスを探知した。
ロボ
作品名:■クロノと古代人トリガー(改稿) 作家名:西中