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GLIM NOSTALGIA

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「だが、まあ人の世は因果応報といってね。悪事の償いはきっちり受けてもらうさ」
 さわやかに言い切ったアダムスだが、内容を意訳すれば、きっちり落とし前付けさせてやる、になる。彼にしてもチェスナットは許せないのだろう。そして…。
「准将の方もね、しばらく行方をくらませていたんだが、チェスナットの別荘で豪遊している所を捕まえた。言い逃れは出来ないだろうねえ」
 くつくつと笑いながら、彼は実に楽しげに言う。
 …こうして考えてみると、なんだか、ロイにしても自分にしてもこの老獪な大佐に踊らされていたような気がしないこともない。
 こともない、が…。
 ちらりと未だ消えない蜃気楼を見やって、まあいっか、ととあっさりエドワードは片をつける。
「鋼の?」
 そんなエドワードに、ロイが怪訝そうな顔をする。
「……べつに?」
 この数日間で、随分とロイの、普段見られない部分を見た。
 ――好きだ、と思った。
 それはきっと、無駄なことなんかではないのだ。たとえ形になって残るものがなかったとしても。



作品名:GLIM NOSTALGIA 作家名:スサ