二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

悪魔言詞録

INDEX|113ページ/183ページ|

次のページ前のページ
 

71.魔獣 オルトロス



 あーっ、その姿。おまえ、イケブクロで戦ったあいつじゃねぇか。

 くそう、あそこで俺のことを負かしておいて、今度は仲魔としてこき使おうっていうのか。おまえ、元人間のくせに案外性格、悪いんだなあ。

 え、あのとき、強いと思ったから、あらためて仲魔として呼んだ? うそをつけ、俺、氷魔法ばっかり食らわされて、ボロ負けだったじゃねぇか。コールドゲームみたいなもんだったぞ。氷だけに。

 ……まあ、そんなつまらないダジャレは置いといてよ、正直、今、俺、すごく悩んでるんだよ。ちょっくら聞いちゃあくれねぇか?

 悩みっていうのは他でもねぇ。この氷に弱いっていう相性のことなんだ。俺なんて炎をはいたらすぐに、あ、こいつ氷が弱点だなってバレちまう。うわさじゃあの戦い以前にも、俺の弱点をバラしていたやつがいたって話じゃないか。そんなんじゃ、勝ち目なんかないよ。

 別にさ、おまえに仕返しをしたいとか、そういうことを考えてはいないんだ。ただ、純粋に強くなりたいんだ。でも、こんな氷に弱いっていう分かりやすい弱点があって、しかもそれが世間に知れ渡っていたら、こっちもやりにくくてしょうがないんだ。なあ、おまえならどうにかする手段を知っていそうだ、なんか知恵を貸してくれねぇか?

 ん? スキルの継承次第で氷結攻撃の弱点を消したり無効にしたりできるのか? やり方次第じゃ吸収や反射もできる? へえ、そりゃあ、すげえなあ。俺が氷結を吸収できたら、あのとき、おまえらをコテンパンにしてやれただろうになあ。

 あ、でも、そうか、継承ってことは合体を経てここに出現するしかないってことか。じゃあ、おまえらの仲魔として出てくるしかないわけで、じゃあ、おまえを倒すことは無理ってことか……。

 まあ、でも、俺でも活躍できる方法があるってわかっただけでもうれしいな。なあ、おまえさ、今度、機会があったら、そんな氷結に強い俺を作ってみてくれよ。もちろん無理にとは言わないからさ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔