悪魔言詞録
65.邪神 バフォメット
あーあー。かったるいなあ。
召喚主さん、真面目にこのオベリスクを攻略するのもいいですけど、少しは休みましょう。こんな勢いで登っていったら、ただでさえ息切れしちまいます。それに、モイライ三姉妹がどこにひそんでいるかだって分かりゃしないんですから。せめてペースを緩めて行きましょうや。
え? 先生が上にいるはずだから急ぎたい? ああ、巫女のことですね。召喚主さん、やっぱりあなた、あの女に思うところがあるんですかい。
まあ、それはそれで別にいいですけど、でも、女に深入りすると、ろくなことがないですよ。歴史を顧みても、女で身を崩したやつなんてめちゃくちゃいるじゃないですか。私、その巫女がどういう女かは知りませんけど、正直、あなたにとって一番、危うい要素な気がするんです。
それに、こう言ってはなんですけど、召喚主さん、あんまり女遊びをしたこと、ないでしょう。だから、ついつい大人のお姉さんにふらふらと懸想しちゃったって匂いがプンプンするんですよね。
だからね、召喚主さん。ここでちょっと足を止めて、ちょっと遊んでいきましょうや。サバトという名目で私がかわいい魔女を呼びますから、このオベリスクのいい景色をながめながら、ちょっくら合コンと行きましょう。それで、女の味を知れば、召喚主さんも少しは目が覚めるってもんですよ。
あーあー、大丈夫、大丈夫。気立てのいい、何でもいうことを聞くような魔女をご用意させていただきますよ。妹系から熟女系、おしとやか系から遊んでそうなタイプ、スレンダーからぽっちゃりまでよりどりみどりです。
召喚主さんも男でしょう、好みの女性といろんなことがしたいって頭の中で考えたことがないわけないですよね。そういったことも、私が用意する娘たちなら全て実現できますよ。
え? くだらないことを言ってないで先、行くぞ?
うーん。お固いですねえ、召喚主さんは。ちょっとは遊びも覚えたほうがいいと思いますよ、本当に。