悪魔言詞録
63.御魂 クシミタマ
どうもどうも。召喚主さん。よろしくお願いいたします。
そうだ。そういえば、謝らなきゃならないことがあるんですよ。
何のことかって、そりゃあ、うちの種族のアラミタマとニギミタマのことですよ。
召喚主さんも苦労したでしょう。あいつら、面倒くさいやつらだからなあ。正直、いろいろとご迷惑をおかけしたと思いますんで、御魂で一番、普通である私が謝っておきたいんです。
何、普通には見えない? アナライズを持ってるし、4種の耐える技を持ってるぐらいだから、とても我慢強いタイプだろう?
まあまあ、そうかもしれませんね。確かにアナライズで相手の弱点は読めますし、そこから粘り強く耐えることができます。でもね。私には肝心の攻撃魔法がないんですよ。
ようするに、仮に怒りを覚えることがあっても、殴る術がない。いや、直接攻撃はできるんですが、これら4つの能力でとにかく耐えるしか方法がないんです。
そういう意味では、ニギミタマやアラミタマとは私は違いますよ。アラミタマのようにパーティに出してもそこそこ使えると自負していますし、ニギミタマのように合体にもなかなかいい素材なんじゃないかなって思うんですよ。取りあえず一芸に秀でた仲魔にあてがって、耐える能力をつければ魔法の底上げにはなりますし、耐える能力がうまく無効に変われば、これほどいいことはありませんからね。
そういうことなので、まあ、ニギミタマやアラミタマとはいろいろとありますが、決してあいつのことは嫌いじゃないんですよ。むしろ、私とあいつらだからうまくやれる、そんないい関係だと思ってるんです。
だから、まあ、ここで一つ、私があいつらの尻拭いをしておくのもいいかなと、そう思っているわけですよ。そういうわけで、すみませんでしたね。あいつらのことは大目に見てやってください。
いや、あの二人は十分、戦いでも合体でも役に立ってくれたって?
はあ。そうですか。じゃあ、頑張らないとなあ……。