二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

悪魔言詞録

INDEX|130ページ/183ページ|

次のページ前のページ
 

54.妖魔 カラステング



 いやあ、どうにか下っぱから出世したと思ったら、今度はしがない中間管理職だよ。あっちもあっちで嫌だったけど、こっちもこっちできついなあ。

 あ、召喚主さん、どうも。なんか変なとこ、聞かれちゃったみたいで。

 ええ。俺もどうにか、テングの中じゃ、多少、名が上がってきたんですがね。相変わらずやってることは、上から来るつまんねえ下働きばかりみたいな退屈な仕事ばっかりで、もういい加減うんざりだって思っていたところだったんです。

 召喚主さんも経験、ありませんか? 友人のくせにやたらと上から目線のやつとか、なぜか各下の扱いをしてくるお調子者とか、よく分からないことを言ってくる先生とか。ああ、やっぱりいましたか。召喚主さん無口だから、なめられやすいんでしょうね。でも、そういうやつ、頭に来ますよね。だから、今度、俺、うちのボスをこっそりやっつけちゃおうかなんて、今、考えていたところなんですよ。

 え? 勝てる算段はあるのかって? いやあ、多分ないんじゃないですかね。でも、勝ち負けとは関係ないところで、ビシッと言う必要がある部分もあると思うんですよ。いくら上でも、違うものは違うってね。そうしたほうが、上のためにも、組織のためにも、ひいては組織に所属する俺のためにも、なるんじゃないかなと思うんです。

 召喚主さんはどう思います?

 ああ、やっぱりいきなりやっつけるんじゃなくて、しっかりとその時を待つタイプですか。確かに召喚主さんはそういうタイプな気がしますね。
 でも、俺はもう待ってられないんすよ。それに、待ち続けてその時が来なかったら、どうするつもりなんですか。

 はい? その時は運命を受け入れる? 本当ですか? 何もせずに? ちょっと信じられないなあ。……でもなあ。召喚主さんが言うんだから、なんか深い意味があるのかもしれないなあ。

 分かりました、俺、もう少し待って見ます。あの野郎、ムカつくけど、もう少し頑張って、この仕事、続けてみます。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔