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悪魔言詞録

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52.鬼神 ゾウチョウテン



 ところで、やっぱり四天王なんて立場にいると、さぞかしお強いんでしょうね、みたいな話になりがちだと思うじゃないですか。

 これがね、むしろ逆なんですよ。本当、まるっきり正反対。どちらかというと、なめられることのほうがはるかに多いです。

 まあ、仕方がないとは思いますよ。もともと名前が増大した者って意味ですしね。増大って、川じゃないんだから。それに、なんかぽっと出感もちょっとあるし、調子に乗ってる感じも否めませんしね。低く見られるのは、分かるし、そんな気もするなって感じですね。

 あと、最近の風潮というか雰囲気もありますよね。ほら、あの有名なセリフ。そう。あれですよ。
「ククク……。やつは四天王の中でも……」ってやつですね。あれのせいで、正直、とばっちりを受けてる感がありますよ。
 そりゃ、まあ、先陣を切る立場なんで、四天王で戦ったら、まず、私が最初にやられることになるでしょう。でも、だからって私が1番弱いわけじゃないはずです。他のお三方も、私がやられたら気は引き締めこそすれど、さっきのような言葉は絶対に言わないはずです。

 そこは、たくさんの悪魔を操っているあなたなら、よく分かっていると思うんです。

 仮に味方がやられたとして、あいつはうちの陣営で最弱だからOK、とかなんとか言って、のんびり構えているような組織は、多かれ少なかれ崩壊しますよ。ちゃんと戦力を立て直し、相手の強さをつぶさに観察して、早いうちにきちんきちんと手を打たないと。

……って、あなたにこんなことを説明するのは、釈迦に説法ですよね。そんな困難を乗りこえてきて、ここで私たちを率いているわけですから。

いや……勉強になった? いやいや、このようなこと、将たるものの基本……。

(ハッ、もしかして主どの、私が最弱でないことをそれとなくみんなに伝えるため、このようなことを……)

いや、さすがは召喚主どのですね。みなまでは言いませんが、一生、ついてきますよ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔