二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

悪魔言詞録

INDEX|133ページ/183ページ|

次のページ前のページ
 

51.聖獣 センリ



 ん? なんだい? なんか言いたそうな顔をしてるね?

 まあ、だいたい言いたいことは分かってるよ。どうせ変化前の姿のほうが良かったっていいたいんだろう?

 ほら、そうだ。男ってのは相変わらず分かりやすいねえ。

 とは言っても、こっちもそうそう同じ格好ばかりしていられない理由があるのさ。

 おまえさんだって、心の中じゃ分かっているだろう? これから先、もっと強大なやつが立ちふさがってくるってことを。そんな中、尻尾が二つのねこが1匹いたとしても、できることはたかが知れている。だから、そんな姿なんて犠牲にして、強さと実用性を追い求めたというわけさ。

 え? でも、かわいさと強さを上手に両立してる仲魔もいるだろうって? そりゃあ、高いレベルの悪魔の中にはそういうのもいるだろうさ。でも、あたしはそんな器用なことはできないんだ。そういうやつらがいいなら、別口で調達してくれ。あたしゃ、もうその役割は卒業するからね。

 まあ、どうしてもって言うなら、前の姿になれはするよ。けど、もうあたしは負けるのはたくさんだ。勝利を優先するために、体裁など気にしていられないんだよ。
 だから、戦闘時は得意の衝撃系と吸収攻撃で思う存分に仕事をしてやる。連れて歩ってるときも、何かあったら拾ってやるよ。交渉時だって、相手から石ころの一つももぎとってやるさ。
 なんせ、こっちはいろいろなものを投げ打ってるからな。できることはなんでもやってやるし、それぐらいの動きはできるつもりでいる。それでいいっていうなら、このまま連れてっておくれ。それでも前の姿にこだわるんなら、残念ながらここでお別れだ。さあ、どうすんだい?

 おお、そうかい。こんなひねくれ者のあたしでも受け入れてくれるっていうのかい。まあ、仲魔になったときから、信用に値する召喚主だとは思っていたけどねえ。ありがたいよ。

 さあ、早速敵さんが大軍で到来だ。それじゃあ、お言葉に甘えて、たっぷりと暴れるとするかねえ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔