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悪魔言詞録

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42.妖精 ジャックランタン



 やっぱり、10月の31日は書き入れ時だったのかい、だって?

 おまえ、悪魔と戦いすぎてとうとう頭がおかしくなっちまったのか? 受胎しちまったトーキョーに、ハロウィンなんてもんはありゃしないだろう。それにね、俺はああいう馬鹿騒ぎが大嫌いなんだ。みんなでウェ〜イウェ〜イ言って、暴れたい放題暴れ回って、人としてはもちろん、悪魔としても最低だと思うよ。
 それに、世の中の人間は、ジャックランタンといえば、みんな陽気で明るくてヒーホー言ってると思ってやがる。でもな、俺みたいにインドアで内向的で、語尾にヒーホーなんて恥ずかし過ぎて付けられないジャックランタンだっているんだよ、全く。
 え? でも、受胎前だったら、シブヤのギャルにさぞかしちやほやされただろうって? うーん。女の子はかぼちゃみたいな甘いものが大好きだし、ないこともなかったけど……。でも、俺、大人しくてお淑やかなタイプの子が好きなんだよ。ちょっとあそこにいる娘たちは路線が違ったかなあって。

 え、じゃあ、悪魔ならどんな娘が好みなんだって? うーん。実は、前からちょっと気になってる娘がいるんだよね。ほら、たまに回復とか復活しに出てくる、褐色の……。
 ああ、キクリヒメちゃんっていうんだ。うん、お淑やかでかわいいと思うんだよね。え、なんなら今、召喚してやろうかって、いや、ちょっと待って、心の準備が……。
 いや、優しい娘だから大丈夫とかそういう問題じゃなくて、いわゆる陰キャにはちょっとそういうのきついっすよ。じゃあ紹介してあげないけどいいのって、いや、できれば、お近づきになりたいっていうか、何というか……。でも、何話していいか分からないし。昔っから『南瓜に目鼻』っていうだろう。正直、外見に自身がないんだよ。

 え、とても優しいし、縁結びが得意な日本の魔女みたいな立ち位置だから、気楽に怨念の話でもすればって……、いくら悪魔でも、怨念の話で盛り上がるのはちょっと嫌だなあ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔