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悪魔言詞録

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40.妖鬼 モムノフ



 てめえ、この野郎!

 弱っちいくせにしつこいんだよ。何してもぶっ倒れねぇでいやがる。いい加減俺だってここで遊びほうけているわけにゃいかねえんだ。そろそろ死んでもらうぞ、それっ!
 まーた回復かよ。しつけぇなぁ。いつまでも守勢に回っていたら、この俺さまは倒せねえぞ! あっ! そこのイヌガミ! てめえ、変なブレスはきやがって。この霧でよく見えねえじゃねえか、こん畜生!
 ああ、もうイライラしてきた。気合いからの突撃で粉砕してやる。まずはそこの邪魔くせえイヌガミ、てめえからだ。

 うりゃあ!

 ちっ。ぎりぎりでかわすんじゃねえ。おまえら、うっとうしすぎるだろ。まさか俺のこと、いじめて楽しんでんのか。あんまり調子に乗ってっと、トールさまに言いつけるぞ。裁判にかけてもらうからな。そうなったらいくらおまえでも終わりだぞ。
 っと、いかんいかん。モムノフである俺さまが、こんな雑魚のような口の利き方をしちゃいけねえ。しっかりやらねえと名が廃っちまう。

 ん、なんだ? いきなり話しかけてきて。降参か。今なら引き分けということにしておいてやるぞ。うん。さっきの気合いからの突撃、敵ながらあっぱれだ、ぜひわが戦力に加えたい? 何だよ、なら早く言えよ。俺だって今はマントラ軍に身を置いてはいるが、話次第じゃおまえに力を貸してやってもいいんだから。

 あ? さっきの裁判とやらの情報を教えてくれないかって? ああ、そこにでかいビルがあるだろ。マントラに敵対するものや異分子は、そこで決闘裁判をさせられるんだよ。うちは力が全てだからな。力を示せば、どんなやつでも生き残れるって寸法さ。まあ、勝ち残ったやつは今まで一人もいないがねぇ。

 えっ、これからビルを案内しろって、まさか本気で裁判にかけられるつもりか? それはちょっとなあ……。つべこべ言ってないでついてこい? じゃないと本気でやっつけてやる?

 なんだよ。なめプかよ。これだから下っ端はやってられないんだ、ったく。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔